ランル300ディーゼル並の最大トルク700Nmを発揮
日産は、ジャパンモビリティショー2025にて、新フラッグシップ・クロスオーバーSUVとなる「パトロール」を公開、日本市場導入を発表したが、その詳細が見えてきた。
また、一部市場で需要があるにもかかわらず、ディーゼルエンジン搭載のパトロールを発売しないことを発表した。

同社は、1年ほど前に7代目パトロールを発表し、ツインターボ3.5リットルV6ツインターボと、自然吸気3.8リッターV8の2種類のガソリンエンジンを搭載することを明らかにした。
このニュースを受け、パトロールは長年にわたり、馬力よりもトルクを重視する市場において、主力車として高い評価を得てきたことから、今後ディーゼルエンジンがラインナップに加わるのではないかとの憶測が飛び交った。
しかし、最大のライバルであるトヨタ・ランドクルーザーがディーゼルエンジン搭載車で依然として高い人気を誇っているにもかかわらず、ディーゼル車はラインナップに追加されないことが確定した。
北米で販売されているアルマーダとほぼ同一のパトロールは、長年にわたりディーゼルエンジンが普及している中東やオーストラリアで人気を博してきた。

ディーゼルエンジン搭載しない理由とは?
しかし、日産によると、オーストラリアなどの国ではディーゼルエンジンの人気が低下しているため、2017年以降、パトロールは現地でディーゼル車として販売されていないという。
日産のフルサイズSUV担当チーフプロダクトスペシャリスト、アントニオ・ロペスはオーストラリアのメディア「Australia’s Drive」に、「オーストラリアの市場では、例えば農場など、主要都市から離れた場所では、ディーゼル車に一定のメリットがあることは承知しています。なぜなら、そこでは機械に使用している燃料をディーゼル車でも使用できるからです。」
「現在、トレンドは変化しています。オーストラリアで販売される車は、基本的にすべてガソリン車、EV、あるいはハイブリッド車になっています。これはヨーロッパから輸入された車だからです」とロペス氏は付け加えたようだ。
特に日産が大規模な事業再編と電動化の進む未来へと舵を切ろうとしている中で、少数の市場向けに新しいディーゼルパワートレインを開発することは、日産にとってほとんどメリットがないように思える。
そしてなにより、日産が誇るV6ツインターボエンジンの性能向上があげられる。このV6ツインターボは、GT-Rの技術が投入され、最高出力425psを発揮、優れた9速ATと組み合わされ、最大トルクはクラス最高の700Nmを超える。これはランドクルーザー300ディーゼルが発揮する最大トルク700Nと並ぶ数値なのだ。
さらに、パトロールにはNISMOバージョンを投入、V6ツインターボエンジンにより最高出力は500psを超える。
パトロールの日本発売は、早ければ2026年末、遅れれば2027年前半が予想される。また、気になる価格だが、UAEでは、ランクル300の価格帯を大きく超える975万円〜1310万円と設定されており、日本市場でも990万円程度と予想される。









