
「転ばない心のつくり方」という独特のテーマの内容は他に類を見ない
RQ²5ライダーのための救急・救護講習会は、オートバイレース主催団体であるMCFAJの救急隊長として活躍するなどし、現在は日本ライダースフォーラム救急法インストラクターである桑田幸二氏が、自身の知見を活かした「ライダーのための救急法」発信の一環として開催しているものだ。基本的には一般の救急法(ファーストエイド)に則りながらもバイク事故に特化した内容で、救急車が到着するまでの「転倒ライダーのトリセツ」を伝えることをライフワークとして取り組んでいる。講習会は東京モーターサイクルショーをはじめさまざまなイベント会場で行われているが、首都圏のライダーに人気のツーリングスポット宮ケ瀬湖にある鳥居原ふれあいの館での開催は、2019年から続けている。
絶好のツーリング日和に恵まれた11月15日(土)、多くのライダーが駐車場を埋め尽くした鳥居原園地の一角にある鳥居原ふれあいの館において講習会が行われた。通常は救急救護をメインに扱うRQ²5だが、今回は「転ばない心のつくり方」という事故に遭遇しないためのメンタルのあり方についての内容だった。安全にツーリングを実践するためには運転技術の向上が必要だし、そのためのスクールも全国各地で開催されている。しかし心の持ち方についての講座は少ない。というか、僕自身も初めての経験だった。



さて、ソロライダーのサバイバル術その1「転ばない心のつくり方」と題して行われた講習会だが、会場となった鳥居原ふれあいの館の会議室にはバイクで訪れた人たちが集まっていた。11時の開始とともにまずは桑田氏の挨拶があり、1.報酬の先払いにだまされない 2.無意識を使いこなす 3.右直事故をかわす 4.大型バイクに乗る 5.ころんだ記憶のしまい方 と当日のメニューが紹介された。メニューに従ってスライドと桑田氏の解説によって講習は進行していくのだが、たとえば、走りなれた道での事故が意外と多いのは心に起因することが少ないないことなど、なるほどと思える内容が次々と紹介され、考えさせられた。しかも科学的な根拠に基づいたものなので、事故が起こる要因を別の角度から見る大切さも知ることができた。



















スクールへの参加でライディングスキルを高めることは重要だ。同時に心の動きがライディングに影響することを理解することで、事故を予防できる確率は大きく高まる。事故を起こしてしまった後の対処法を知っておくことはもちろん大切だが、その前に事故を起こさない走り方を実践することが必須だ。そうした安全運転の心得を別の視点から教えてくれたのがとても印象的だった。歳を重ねてもツーリングを楽しみたいと願っているライダーは、ぜひとも一度講習会に参加してみてほしい。
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