冬のホワイトアウト発生メカニズムと起こりやすい場所

晴天時でも低温かつ強風時は地吹雪によるホワイトアウトが起こる。とくに周囲が開けた道路は、地吹雪による視界不良が発生しやすいため極力迂回しよう。

「ホワイトアウト」に遭遇すると視界が一面真っ白になり、場合によっては数m先すら見えない状況に陥ることも珍しくない。

ホワイトアウトによる視界悪化は、追突や被追突などの重大な交通事故の危険を高める。また、方向感覚や平衡感覚も失いがちになるため、冬のホワイトアウト時は滑りやすい路面状況と強風も相まってクルマを真っ直ぐに走らせることも難しい。その結果、道路外へ飛び出し雪に埋もれて動けなくなる恐れもある。

雪によるホワイトアウトは降雪と地吹雪によるものに分けられ、それぞれ発生条件が異なる。降雪時のホワイトアウトは「強風と激しい降雪」が条件となり、地吹雪は「強風と低気温によるパウダースノーの積雪」が条件だ。

低気温時は降り積もった雪も軽いため強風で舞いやすく、地吹雪もそれだけ起こりやすい。低温と強風、降雪が重なると吹雪と地吹雪が同時に発生し、視界もそれだけ悪化しやすくなる。

またホワイトアウトが起こりやすい「場所」にも注意が必要だ。周辺に建物や防風林など風を遮るものがない開けた道路や、防風柵がない平地の高速道路は雪によるホワイトアウトが起こりやすい場所の筆頭と言えるだろう。

加えて、雪道では瞬間的なホワイトアウトにも注意したい。比較的交通量が多い一般道には防雪柵が設置されるが、強風時には柵の継ぎ目で一瞬ではあるがホワイトアウトによって視界が失われることがある。

また、トンネルの出口で起こる吹雪や地吹雪に飛び込むと急に視界が悪化するため、運転者が順応できずに視界を失いやすい。とくに日差しとホワイトアウトが重なると、空中を舞う雪に太陽光が乱反射して眩惑を起こし、夜間の吹雪よりも視界が悪化する。

ハザード点灯と慎重な減速が基本!ホワイトアウト遭遇時の対処法

ホワイトアウトによる視界不良のなかでは、歩くような速度での走行すら困難だ。しかし追突される危険が高まるため、安易に路肩へ停車させるのは極力避けたい。

継続的なホワイトアウトに遭遇した場合は、まず周囲に自車の存在を知らせることが重要だ。すぐにヘッドライトとハザードランプを点灯させ、フォグランプやリアフォグランプが装備されているなら、それらも点灯させよう。

ただしヘッドライトをハイビームにすると雪に光が乱反射し、かえって視界悪化を招く場合があるため、ホワイトアウト時はロービームが基本となる。

次に、安全に走行できる速度まで減速しよう。ただし、その際に急な減速は厳禁だ。ホワイトアウト時は後方視界も妨げられるため、後続車の存在や距離も確認しづらい。追突されるのを防ぐため、確実に後続車がいないと判断できる場合を除き、非常にゆっくりとした減速が求められる。

ホワイトアウト時のもっとも安全な対処方法は、施設駐車場やパーキングエリアなど道路外の安全な場所に退避し、天候の回復を待つことだ。

安全な退避場所が見つかるまでは、ガードレールやスノーポール、前走車のテールランプなどの目印を頼りにしながら、可能な限り低速で走行するとよいだろう。

ただし、道路の路肩や側帯に停車させてホワイトアウトをやり過ごすことは、やむを得ない場合を除き避けるべきだ。

まったく視界が効かないなかで路肩に停車していると、後続車に追突される危険が非常に高くなる。また、停車には十分な道幅が必要となるうえ、雪が少ない場所に停車しなければスタックして動けなくなる恐れがある。視界が悪いなかで道路上に好条件の停車場所を探すのは極めて困難だ。

しかし、場合によっては低速走行すら難しい場面もある。もし路肩に停車させる場合は後続車に細心の注意を払いながら停止させ、停車後も追突に備えてシートベルトを締めておくことが大切だ。

降雪時のホワイトアウトは退避後も油断禁物

視界不良による事故だけでなく、一切の身動きが取れなくなるホワイトアウト時は一酸化炭素中毒や低体温症などの二次災害にも注意したい。

安全な場所に退避した後も安心はできない。ホワイトアウトを起こすほどの降雪時は、わずか数十分程度でマフラーの高さに達するほどの積雪となる場合もある。

エンジンをかけっぱなしにして暖房を使用すると、雪によってマフラーの排出口が塞がれ、排気ガスが車内へ流入し一酸化炭素中毒を引き起こす危険があることを覚えておこう。

一酸化炭素中毒を避けるためには、定期的にマフラー周辺の雪を取り除くか、風下側の窓を定期的に開けて換気を行う必要がある。また路肩に停車している場合は、除雪のために車外へ出る際には後続車に十分な注意を払うことも忘れてはならない。

ホワイトアウト発生時は、視界不良だけでなく命まで危険にさらされる。冬の強風時はどうしてもホワイトアウトに遭遇しやすくなるため、運転しない判断を下すことも大切だ。

やむを得ず強風時に運転しなくてはならない場合は、遮蔽物が多く、ホワイトアウトが起こっても退避場所を確保しやすい市街地などを通るようにしよう。