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■新たな技術で実用性を高めた2代目CX-5

2016年に発表されたマツダ2代目「CX-5」(2017年2月発売)

2016(平成28)年12月15日、マツダはミドルサイズのクロスオーバーSUV「CX-5」の2代目を発表(発売は翌年2月2日)した。2012年に誕生した初代は、SKYACTIV技術、特にエンジン技術をアピールしたが、2代目ではSKYACTIV技術に加えて、走行安定性や安全性、快適性にさらに磨きをかけているのが特徴だ。

SKYACTIV技術をフル採用した初代CX-5

2012年にデビューしたマツダのクロスオーバーSUV「CX-5」
2012年にデビューしたマツダのクロスオーバーSUV「CX-5」のリヤビュー

グローバル戦略車のクロスオーバーSUV「CX-5」は、2012年2月にデビューした。CX-5は、以下に示すマツダの先進技術の総称“スカイアクティブ(SKYACTIV)“技術をエンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーすべてに採用した初めてのモデルである。ちなみに、SKYACTIV技術を最初に採用したのは、2011年の3代目「デミオ」のガソリンエンジン“SKYACTIV-G”である。

SKYACTIV技術の基本コンセプト

・“SKYACTIV-G“:世界一の高圧縮比14.0を実現した高効率直噴ガソリンエンジン
・“SKYACTIV-D“:世界一の低圧縮比14.0を実現したクリーンディーセル
・“SKYACTIV-DRIVE“:スムーズな変速と高い伝達効率を達成したAT
・“SKYACTIV-MT“:軽快なシフトフィールと大幅な軽量、小型化を実現したMT
・“SKYACTIV-BODY“:高い剛性と衝突安全性を確保した軽量車体
・“SKYACTIV-CHASSIS“:正確なハンドリングと快適な乗り心地を両立した軽量シャシー

マツダ2代目「CX-5」のGVC(G-ベクタリングコントロール)のイメージ
マツダ2代目「CX-5」のSKYACTIV-BODY

またCX-5のスタイリングは、デザインコンセプト“魂動”に基づいた欧州テイストのダイナミックなフォルムが特徴でもある。

マツダ初代「CX-5」のSKYACTIV-CHASSIS
マツダ初代「CX-5」のSKYACTIV-DRIVE

CX-5発売当時は、SUV市場が盛り上がりを見せ始めた時期で、躍動感のあるスタイルと高い走行性能、優れた燃費性能が評価され、特にクリーンなディーゼル車は先進的なSUVとして人気を獲得。マツダ躍進の火付け役となりマツダの基幹モデルへと成長した。

SKYACTIVに加えて新たな先進技術を採用した2代目CX-5

2016年に発表されたマツダ2代目「CX-5」(2017年2月発売)

2016年12月のこの日に発表された2代目「CX-5」は、基本的には人気を獲得した初代のキープコンセプトで、“すべてのお客さまを笑顔にするSUV”をキーワードとした。

2016年に発表されたマツダ2代目「CX-5」搭載のエンジン

デザインは、コンセプト“鼓動”をベースに“洗練された力強さの表現”を目指して深化した。ボディカラーに、魂動デザインを際立たせる新開発のソウルレッドクリスタルメタリックを初採用して、これが2代目CX-5の象徴的なカラーとなった。

マツダ2代目「CX-5」のコクピット

エンジンは、初代と同じようにディーゼルが最高出力175ps/最大トルク42.8kgmの2.2L 直4 SOHCターボ(SKYACTIV-D2.2)で、ガソリンが155ps/20.0kgmの2.0L 直4DOHC(SKYACTIV-G2.0)と190ps/25.6kgmの2.5L 直4 DOHC(SKYACTIV-G2.5)が用意された。SKYACTIV-D2.2には、ノック音を低減する“ナチュラルサウンド・スムーザー”やノック音の発生そのものを抑制する“ナチュラルサウンド・周波数コントロール”を採用し、走りの滑らかさと静かさを向上させた。トランスミッションは、6速AT(SKYACTIV-DRIVE)が組み合わされた。

2016年に発表されたマツダ2代目「CX-5」のボディサイズ

走行性能については、ステアリング操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで車両の操安性を高める“GVC(G-ベクタリングコントロール)”を全車に標準装備。さらに、“レーダー・クルーズ・コントロール”の追従速度を従来の30km/h~100km/hから0~100km/hに拡大するなど、安全性能も向上させた。

2016年に発表されたマツダ2代目「CX-5」の前後シート

その他にも、サスペンションやシートの改良、走行環境情報や自車情報をフロントガラスに様々な情報を投影するHUD(ヘッドアップディスプレイ)の“アクティブ・ドライビング・ディスプレイ”を搭載するなど、乗り心地や運転中の快適性が向上した。

車両価格は、246.24万~329.92万円(2WD)/268.92万~352.62万円(4WD)に設定され、2代目CX-5も好調な販売を維持した。

3代目CX-5は2026年国内投入か

マツダは、2025年7月に3代目「CX-5」を欧州で初公開した。

3代目はボディがひと回り大きくなり、鼓動デザインを進化させてよりダイナミックかつ洗練されたスタイリングとなり、インテリアについてもフルデジタルメーターに加え、大型タッチディスプレイを採用。また、最新のMHI(ヒューマン・マシン・インターフェース)と拡張型コネクティビティも搭載されている。

欧州仕様のパワートレインは、2.5L直噴ガソリンエンジンに「M-Hybrid」のマイルドハイブリッドを組み合わせた仕様のみ。2027年には、新世代のSKYACTIV-Zエンジンを搭載した本格ハイブリッドが投入される予定だそうだ。

日本へは来年2026年の投入が計画されているが、どんな仕様なのか興味深いところだ。

マツダ2代目「CX-5」搭載のSKYACTIV-D2.2(2.2Lディーゼル)エンジン(2017年2月発売)

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2代目CX-5は登場からすでに8年を超えているが、群雄割拠のSUVの中で今も好調な販売を続けてマツダの屋台骨を支える基幹モデルである。デザインや性能、安全性、利便性など常に最新化して技術の陳腐化を感じさせない点が、長く安定した人気を維持している要因だろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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