

2025年12月の第3土曜日に、それまでの『トミカ』の『No.26 いすゞ エルフ 標識車』に代わって登場したのが『No.26 スズキ スペーシア ギア』です。スペーシア ギアは、スズキのベストセラー軽ハイトワゴンであるスペーシアから派生したシリーズ車種になります。
初代スペーシアは2013年3月に登場し、軽ハイトワゴンとして「広くて便利、軽くて低燃費のファミリーカー」という性格を強く打ち出していました。このクルマは、両側スライドドアや副変速機構付きCVT、アイドリングストップなどを備え、軽自動車としての使いやすさと実用性を両立させ、特に子育て世代や女性ドライバーに人気を集めました。
その後、2017年12月に2代目スペーシア(MK53S型など)へとフルモデルチェンジし、燃費性能、安全装備、室内の利便性やデザイン性、装備の充実などを改善。これにより、軽ハイトワゴンとしての日常用途における完成度を高めたモデルとなりました。この2代目スペーシアをベースに、「アウトドアライフの楽しさ」「アクティブな使い勝手」を強く融合させたモデルへと仕立て直されたシリーズ車種が、2018年12月に初登場したスペーシア ギアです。スペーシアギアはハイトワゴンという軽自動車のカテゴリーながら、外観・内装に“ギア(道具・装備)感”や“冒険心”を取り入れたデザインとし、アウトドアやレジャー、日常の買い物からレジャーまで幅広く対応できる“軽-RV系”軽自動車として位置づけられています。


こうした系譜を受け継ぎつつ、2023年11月にスペーシアは3代目へとフルモデルチェンジされ、それに伴って2024年9月20日、3代目スペーシアをベースとした新世代のスペーシアギアが発表されました。このたび『トミカ』に加わった『No.26 スズキ スペーシア ギア』は、この2代目スペーシア ギアを再現したものです。

2代目スペーシア ギアの外観の特徴は、「アクティブ感」と「力強さ」の両立にあります。「SUV風」や「軽-RV的」なデザイン言語が随所にちりばめられており、特にフロントまわりの意匠は印象的です。丸目のヘッドライト、縦スリットのグリル、スキッドプレート風のバンパー意匠、そしてボディ下部のプロテクター風クラッディング(樹脂の張り出し)、ルーフレール、ガンメタリックのアルミホイール(あるいは専用ホイール)などが組み合わされ、ミニSUV風の佇まいを実現しています。全高は1800 mmと、軽ハイトワゴンとしては背の高い設定、さらにボディは5ドアで、ドア開口や乗降性も確保されており、室内空間の広さと使い勝手を両立させています。
外観においては、こうしたデザインは単なる見栄えだけでなく、「遊び/アウトドア/街乗り/買い物」といった多用途性を視覚的に表すものといえ、従来型の軽ハイトワゴンとは一線を画すキャラクターが打ち出されています。ボディサイズは軽自動車の定型寸法を守りながらも、全高を高く取ることで室内の広さと見晴らし、乗降性、荷物の扱いやすさを確保しています。これにより、街乗りから郊外への買い物、レジャー、ちょっとした荷物運搬まで、軽自動車としての運動性と実用性、そして使いやすさを両立しています。

内装に目を移すと、「アウトドアギアのような道具感」をテーマにしており、「タフ」「気軽」「使いやすさ」「遊び心」を意識してデザインされ、機能性と遊び心を両立させたキャビンになっています。外観と同様にオレンジなどアクセントカラーを随所に用いており、内装の質感や装備の一体感により「軽でもタフで楽しい」雰囲気を演出。前後席シートすべてに撥水加工が施されており、例えばアウトドア、川遊び、キャンプ、子どもの靴で乗降、ペットとの移動など、「汚れや水濡れを恐れず使える軽」としての実用性が高まっています。また、標準装備またはメーカーオプションとして、大型のナビ/オーディオシステム、全方位モニター対応カメラ、USBソケットなどを備え、日常からレジャー、家族での使い勝手まで幅広くケアしています。
パワーユニットおよび駆動系については、0.66L 水冷直列3気筒 DOHC エンジンにモーターを組み合わせた、いわゆるマイルド・ハイブリッド方式で、これにマニュアルモード付きCVTを組み合わせ、軽快さと燃費、日常の使い勝手を両立する設計です。エンジンにはより燃焼効率に優れたR06D型、あるいは従来同様のパワーを発揮するターボチャージャー付きが用意されています。

メカニズム的な特徴では、軽自動車の限られたボディサイズながら、室内の広さと乗降性、使い勝手を優先するパッケージングの工夫が目立ちます。乗員4名でも余裕ある居住性と荷物スペースを確保。また、重心や足まわり、シートアレンジなども軽-RV/ハイトワゴンとしてのバランスを意識して設計されており、街乗りから郊外のレジャー、買い物など幅広い用途に対応できる万能性が高いと言えるでしょう。
使い勝手の面では、“軽でありながらSUV的な便利さと遊び心”というコンセプトがよく生きており、普段使いからアウトドア、買い物、ファミリー利用まであらゆる場面で無理なく使えるユーティリティが魅力です。5ドア+広い室内、荷室やリヤシートの使い勝手、乗降性、燃費のバランス、安全装備との両立など、軽自動車としての“日常の足”としての完成度が高く、特にアウトドア好きや子育て世代、街乗り主体の人などにはマッチしやすい仕様でしょう。

安全装備にも配慮がなされており、衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)などの運転支援システムを含む『セーフティサポート』がしっかり搭載可能で、購入時の保険料割引(ASV割引)の対象にもなる構成です。また、メーカーオプションで全方位モニター用カメラ、ナビゲーション/コネクティビティ機能、USBソケットなどを装備でき、日常の利便性も向上しています。

総じてスペーシア ギアは、これまでの「広くて便利な軽ハイトワゴン」というスペーシアの強みを踏襲しながらも、「アウトドアや遊び」を包み込む“ギア感”と“RVライクな使い勝手”が本格的に取り入れられているモデルであり、軽自動車という枠を超えて、「街乗りにも、旅にも、買い物にも、レジャーにも」対応できる柔軟性を持ち、幅広いライフスタイルにマッチする汎用性の高いモデルです。現行の2代目スペーシア ギアも、その魅力を受け継ぎながら、さらに1歩進めた1台と言えます。
さて、2代目スペーシア ギアには先述のように、エンジンの違いでNA(自然給気)エンジンの『HYBRID XZ』とターボエンジンの『HYBRID XZターボ』の2つのグレードが用意され、それぞれにFF(2WD)と4WDが用意されていますが、4者の外観はまったく同じなので、『トミカ』の『No.26 スズキ スペーシア ギア』がどちらをモデル化したかは判然としません。とは言え、2代目スペーシア ギアのギア感あふれる特徴的なスタイリングが上手く表現されている『トミカ』です。この小さな元気者を、あなたのコレクションに加えてみてはいかがでしょうか?
■スズキ スズキ スペーシア ギア ハイブリッドXZ ターボ(FF) 主要諸元(『トミカ』のモデル車両と必ずしも同一ではありません)
全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1800
ホイールベース(mm):2460
トレッド(前/後・mm) :1295/1300
車両重量(kg):910
エンジン形式:R06A型直列3気筒DOHC インタークーラーターボ+モーター
排気量(cc):658
エンジン最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:98Nm(10.0kgm)/3000rpm
モーター形式:WA05A型直流同期式
モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1000
モーター最大トルク:50Nm(5.1kgm)/100
トランスミッション:CVT
サスペンション(前/後):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ:(前後) 155/65R14 75S
■毎月第3土曜日はトミカの日!

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年12月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.26 いすゞ エルフ 標識車』に代わって『No.26 スズキ スペーシア ギア』が登場します。また、それまでの『No.21 光岡 バディ』に代わって『No.21 日産 リーフ』が登場します。なお、『No.21 日産 リーフ』には初回のみの特別仕様(特別色)もあります。





