最高出力280PSを発揮する3.5L V6エンジン(6G74型)を搭載
三菱の希少な1990年代ラリー仕様「パジェロ エボリューション」が、現在米国のコレクターの間で、ダカール・ラリーのルーツとオフロード性能の血統を再発見され、大きな価値を見出されているという。

ダカール・ラリーのホモロゲーションを取得するために製造された「EVO」は、わずか2700台しか生産されなかったため、三菱の中でも最も希少な一台となっている。

三菱パジェロ エボリューションは、ランサー エボリューションほどのカルト的な人気を誇ってないかもしれないが、伝説のラリーマシンのDNAを受け継いでいる。現在はコレクターの間で人気が高まっており、オークションでも価格が急騰しているようなのだ。
三菱は1998年のパリ・ダカール・ラリー参戦のためのホモロゲーションモデルとして、パジェロ エボリューションを開発した。このSUVはスタイリングを微調整しただけでなく、メカニカル面も徹底的に見直し、史上最強のパジェロとして今も語り継がれる名車となっている。
生産台数は約2700台という希少な逸品の1台が、ニューヨークで競売にかけられた。この1997年式パジェロ エボは、Bring a Trailerを通じてオークションに出品されており、2022年に日本から輸入されたものだ。走行距離は21万8000km(約13万5000マイル)だが、これほどタフにつくられたクルマであれば、入札希望者にとって大きな障害にはならないかもしれない。
パジェロ エボのパワートレインは、最高出力280PSを発揮する3.5L V6ツエンジン(6G74型)を搭載、5速オートマチックトランスミッションもしくは5速マニュアルトランスミッションと組み合わされた。
また、センターデフロック、フロントおよびリアのリミテッドスリップデフ、そして2速トランスファーケースも備えており、非常にパワフルな車と言える。
2ドアのパジェロをベースにしており、特徴的なフロントおよびリアバンパー、ボンネットスクープ、張り出したホイールアーチ、そして大型リアスポイラーを備えている。この個体はサテライトシルバーメタリックに塗装され、オリジナルの16インチホイールが装着されている。
もちろん、1990年代後半のクルマなので、現代の基準からするとインテリアはかなり時代を感じさせるが、それも魅力の一部と言えるだろう。クラシックな4本スポークステアリングホイール、バッテリー電圧と油圧のゲージ、そしてラジオ。確かにかなりベーシックな装備だが、当時のホモロゲーション仕様車としては、十分な装備だ。
オークションでは2万8000ドル(約435万8480円)という価格が決定したようだが、約22万kmを走行したモデルとしては異例と言えるだろう。ちなみに、もし右ハンドルだったら、800万円の値がついていた可能性もあるという。












