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自衛隊新戦力図鑑

射程1000km級の長射程ミサイルを陸上自衛隊に配備開始

装備面で大きな話題は、これまでにない規模の国産長射程ミサイルである「スタンドオフ・ミサイル」の配備が開始されることだ。地対艦ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」(射程900~1500km)と、地対地ミサイル「島嶼防衛用高速滑空弾」(射程900kmの早期配備型)の部隊配備が2025年度末から開始される予定だ。いずれも当初予定を繰り上げるかたちでの早期配備となっている。

従来の12式地対艦誘導弾の射程200mを大きく上回る長射程ミサイルである「12式地対艦誘導弾 能力向上型」(写真/防衛装備庁)

また、12式-能力向上型の艦艇発射型や、潜水艦から発射される対艦ミサイル「潜水艦発射型誘導弾」が2025年度より取得が開始されているのに続いて、最大射程3000kmとも言われる超長射程とマッハ6以上の極超音速性能を持つ対艦ミサイル「極超音速誘導弾」の取得も開始される。スタンドオフ・ミサイルについては現在発売中の『自衛隊新戦力図鑑2026』で詳しく解説している。

島嶼防衛用高速滑空弾は、弾道ミサイルの亜種といえるもの。弾道ミサイルの導入は自衛隊創設以来、初めてのことだ。写真は発射実験のもの(写真/防衛装備庁)

中国の脅威に対抗すべく「水上艦隊」を新編

海上自衛隊では2025年度末に大きな組織改編が予定されている。既存の「護衛艦隊」を改め、「水上艦隊」が編成される。これまで護衛艦隊は以下の部隊で構成されていた。
 ・4個の護衛隊群(それぞれ2個護衛隊で編成)
 ・地域配備の護衛隊

新たに編成される水上艦隊では、以下のような陣容となる。
 ・3個の水上戦群
 ・水陸両用戦機雷戦群
 ・哨戒防備群

これまでの「護衛隊群」における「護衛隊」の編制例。2個護衛隊で1個護衛隊群を構成する。イラストは、現在発売中の『自衛隊新戦力図鑑2026』掲載のもの。誌面ではより詳しく水上艦隊について解説している。

「護衛隊群」は「水上戦群」となり、数は減るが1個群あたりの艦艇数は増えることになる(「護衛隊」が「水上戦隊」に改称され、1個群あたり3個水上戦隊で編成される)。さらに、中国海軍艦艇などが頻繁に日本近海に現れることに対して、警戒・監視を専門に行なう「哨戒防備群」が組織される。既存の地域配備の護衛隊のほか、新たに建造される「哨戒艦」がここに加わる。そして、島嶼部での作戦(水陸両用作戦)を担うため「水陸両用戦機雷戦群」が誕生する。まさに中国の脅威に備えた布陣と言えるだろう。海上自衛隊の組織改編についても『自衛隊新戦力図鑑2026』で、図解を交えて解説している。

「哨戒防備群」のため、「さくら」型哨戒艦の建造が開始されている。1番艦と2番艦は今年2月~3月に就役予定だ(写真/筆者)

「航空自衛隊」から「航空宇宙自衛隊」へ

組織改編で言えば、航空自衛隊は2026年度に名称そのものが変わる予定だ。1954年の創隊から続く現在の名前から「航空宇宙自衛隊」と改称される。これは近年、陸・海・空に加えて宇宙領域が作戦行動を実行する領域として重要度が高まったためだ。

これにともない、航空自衛隊内に宇宙専門部隊である「宇宙作戦集団」が新編される。航空自衛隊の宇宙部隊は以下のように段階的に発展している。

 2020年:宇宙作戦隊 創設
 2022年:宇宙作戦群(2個宇宙作戦隊で編成)
 2025年度末予定:宇宙作戦団(3個宇宙作戦群で編成)

2026年度の宇宙作戦集団新編は、この総仕上げとも言えるだろう。

現在の宇宙作戦群は、人工衛星や宇宙ゴミなど地球を周回する宇宙物体の位置や軌道をモニタリングする「宇宙領域把握」を主な任務としている(写真/宇宙作戦群)

2025年12月に発生した中国戦闘機によるレーダー照射事件に見られるように、中国の脅威はますます大きく、そして現実的なものへと変化している。日本は2023年度以降に防衛費を大幅に増額したが、これは戦うための準備ではなく、衝突を防ぐための備えと言える。2026年が平和と安定が維持される年となることを願うばかりだ。

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