ホンダCB200X……359,000円

CB200Xに限った話ではないものの、インド市場でホンダが販売する100~200cc単気筒車は、全モデルがメンテナンスで重宝するセンタースタンドを標準装備。

ライディングポジション(身長182cm・体重74kg) ★★★★★

ライディングポジションはアドベンチャーツアラーとネイキッドの中間的な印象で、日本仕様のNX400とよく似ている。約800kmの日帰りツーリングの後半では尻と足首に微妙な痛みが発生したので、個人的には座面高を+10~20mmにしたいものの、それをやると現状の良好なバランスやフレンドリーさが失われてしまうかもしれない。

810mmのシート高は、日本仕様のNX400より10mm高く、CRF250Lシリーズより15mm低い。両足が地面にベッタリ接地するためには170cm前後の身長が必要だが、車体が軽くてスリムだから、160cm台のライダーでも大きな不安は感じないと思う。

タンデムライディング ★★★★☆

原付二種や軽二輪のタンデムライディングは、車両によっては苦痛を感じることがあるけれど、エンジンが粘り強くて車体が適度な安定性を確保しているうえに、リアショックの標準設定がちょっと硬めだから、CB200Xは至って快適。もっともタンデムライダーを務めた富樫カメラマン(身長172cm・体重52kg)の印象は、必ずしも良好ではなかった。

「グラブバーはすごく握りやすいし、ステップの位置も適切なんだけど、シートの前後長が足りないんだよ。前席のライダーに身体をピッタリくっつけるなら現状でもいいけど、個人的にはタンデムシートを後方に+20mmくらい延長して欲しいかな」

取り回し ★★★★★

トレールバイクほどハンドル切れ角は大きくないものの、ホイールベースは1355mm、車重は147kgなので、一般的な体格の成人男性なら取り回しは楽々。ただし、ナックルガードの左右方向への張り出しはかなり大きいので(全幅は843mm)、狭い駐車場での押し引きは気を遣う。最小回転半径は、CRF250LシリーズやCB250Rと同じ2.3m。

ハンドル/メーターまわり ★★★★☆

ハンドルバーは軽二輪クラスでは珍しいテーパタイプ。スクリーン+フェアリングは適度な防風効果を発揮してくれるものの、過去に当連載で紹介したNX400には及ばないと思う。試乗車が装着するスマートモニター+ドライブレコーダーはカエディア製。LCDメーターは2020年型以前のNC750シリーズ用と似ているが、小型軽量化を図った新作で、5段階の明るさ調整が可能。

左右スイッチ/レバー ★★★☆☆

左右スイッチボックスは1990~2000年代のホンダ車で定番だったデザイン。グリップラバーはCB125/250Rやグロム、かつてのVFR1200FやVFR800Xなどと共通で、アドベンチャーツアラー的な雰囲気は希薄。

ブレーキ/クラッチレバーに位置調整機構はナシ。アフターマーケット市場には数多く存在するアジャスタブル式レバーは、品質がいまひとつだったり、ナックルガードと干渉したりする製品が少なくないようだ。

燃料タンク/シート/ステップまわり ★★★★☆

容量12ℓのガソリンタンクはインナー式で、樹脂製アウターカバーは6分割構造。左右カバーと内腿とのフィット感は非常に良好だった。

シートは前後分割式で、メイン部は十分な面積を確保しているけれど、富樫カメラマンが言うように、タンデム部の座面はあまり大きくない。

マウントプレートも含めて、ステップ関連部品は開発ベースのホーネット2.0と共通だが、乗車中の違和感は皆無。なお兄貴分に当たるNX400のステップ関連部品も、バー以外は基本設計を共有するCBR400Rと共通。

積載性 ★★★★☆

荷かけフックは存在しないものの、グラブバーとタンデムシートのが程よい塩梅でフラットになっているため、シートバッグ(写真はタナックスのミニフィールドシートバッグ)を装着した際の安定感はなかなか良好。と言っても実際のCB200Xユーザーの多くは、アフターマーケット製のリアキャリアを装着しているようだ。車体とシートの固定は、前席:ボルト留め、後席:キーロック式で、ETCユニットは後席の下に収めるのが一般的。

ブレーキ ★★★☆☆

フロント:φ276mmペーダルディスク+片押し式2ピストンキャリパー、リア:φ220mmペータルディスク+片押し式1ピストンキャリパーのブレーキは、どんな場面でもコントローラブルで、制動力も十二分だった。ABSはフロントのみの1チャンネル式で、僕個人は違和感は感じなかったものの、未舗装路ではリアが意外に早くロックするので、不安を感じる人がいるかもしれない。

サスペンション ★★★☆☆

フロントフォークフォークはφ37mm倒立式、リアサスは直押し式モノショックで、調整機構は3段階のリアのプリロードのみ。今回の試乗ではリアにちょっと硬さを感じたので、途中でプリロードを抜いてみるつもりだったのだが、慣れが進むと許容範囲と思えたので、結果的に調整は行わなかった。とはいえ小柄なライダーは、標準の2をソフト指向の1に変更したほうがいいと思う。

車載工具 ★★★☆☆

インドの道路事情や整備環境を考えて、豊富な点数を期待していたのだが、タンデムシート下に備わる車載工具は、スパークプラグレンチ兼差し替え式ドライバー、L型六角棒レンチ、14×17mmの両口スパナ、ヒューズプーラーの4(5)点のみ。

実測燃費 ★★★★★

1回目の給油でリセットしてしまったため、メーターの数字は1000.9kmだが、今回の実際の総走行距離は1250.7km。エンジンをかなり回して走った前半の燃費は30km/ℓ台中盤だったものの、後半はコンスタントに40km/ℓ台をマーク。慣れが進めばもっとイケると思いつつ、ネットでこの車両の燃費を調べてみると、40km/ℓ台は当たり前で、ツーリングペースなら50km/ℓ前後という数値も少なくなかった……。僕が記録した平均年燃費から算出できる航続可能距離は、38.7×12=464.4kmだが、おそらく、この車両は500km以上の距離を余裕で走れるのだろう。

女性の衣服と後輪の干渉を避けるべく、車体後半の左側にボルト留めされたサリーガードは、インド仕様ならではの装備。

ホンダCB200X 1000kmガチ試乗|日帰り800kmを難なくこなせる、インド生まれの空冷単気筒アドベンチャー【1/3】

アジアンバイクの魅力と言ったら、価格の安さを筆頭に挙げる人は少なくないだろう。事実、ホンダがインド市場で販売しているCB200Xも、日本人の感覚だと価格は相当に安いのだけれど、このモデルは快適性や運動性という面でも侮りがたい資質を備えていたのだ。 REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko) PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki) 協力●バイク館イエローハット https://www.bikekan.jp/

「この乗り味と価格なら!」旅好きライダーに自信を持ってオススメできる‼ ホンダCB200X 1000kmガチ試乗【2/3】

なんちゃってアドベンチャーツアラー? 試乗前に開発ベースとなったホーネット2.0との共通点を把握した筆者は、あまり大きな期待はしていなかった。とはいえ約2週間・約1200kmを共にした現在は、CB200Xならではの資質にかなりの好感触を抱いている。 REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko) PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki) 協力●バイク館イエローハット https://www.bikekan.jp/

主要諸元

車名:CB200X
全長×全幅×全高:2035mm×843mm×1248mm
軸間距離:1355mm
最低地上高:167mm
シート高:810mm
キャスター/トレール:25°30′/97mm
車両重量:147kg
エンジン形式:空冷4ストローク単気筒
弁形式:DOHC4バルブ
総排気量:184.4cc
内径×行程:61mm×63.1mm
圧縮比:9.5
最高出力:12.7kW(17.3ps)/8500rpm
最大トルク:16.1N・m(1.64kgf・m)/6000rpm
始動方式:セルフスターター
潤滑方式:ウェットサンプ
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常時噛合式5段リターン
クラッチ形式:湿式多板
ギヤ・レシオ
 1速:3.076
 2速:1.789
 3速:1.300
 4速:1.066
 5速:0.916
1・2次減速比:3.136・3.214
フレーム形式:ダイヤモンド
懸架方式前:テレスコピック倒立式φ37mm
懸架方式後:スイングアーム・モノショック
タイヤサイズ前:110/70-17
タイヤサイズ後:140/70-17
ブレーキ形式前:油圧式シングルディスク
ブレーキ形式後:油圧式シングルディスク
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:12L
乗車定員:2名

全国に70以上の店舗を展開するバイク館では、国内外のさまざまな車両を取り扱っている。同社はアジアで販売される日本車の輸入にも積極的で、CB200Xの開発ベースとなったホーネット2.0や、中国仕様のCB190シリーズなども準備。