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今日は何の日?■走破性に加えてプレミアム感を纏ったランドクルーザー・シグナス

1999(平成11)年1月6日、トヨタはオフロードの走破性と高級感を合わせ持つ「ランドクルーザー100系」の最上級グレード「ランドクルーザー・シグナス」を発売した。海外では、「レクサスLX」を名乗り、英国の「レンジローバー」や米国の高級SUVをライバルとする、世界の富裕層をターゲットにした超高級モデルである。
ランドローバーに対抗してネーミングされたランドクルーザー

「ランドクルーザー」のルーツは、1951年に自衛隊の前身である警察予備隊が使う制式車両の入札のために試作した小型4輪駆動車「トヨタBJ型」まで遡る。BJは、1954年から「ランドクルーザー」と名乗り、ここから実質的なランドクルーザーの歴史が始まったのだ。
初代のランドクルーザー(BJ型)は、小型トラックSB型用のシャシーを4WD用に改造し、これに最高出力82psを発揮する3.4L直6 OHVガソリンエンジンを搭載して、1953年から国家警察に採用されて量産を開始した。
ランクルは、その後北米を中心とした本格的な海外進出を見据えて、1955年にランクル20系に進化。20系は武骨なジープスタイルから、洗練されたスタイルに変貌した。
さらに1960年に登場した40系は、米国のみならず世界中でその信頼性の高さが認められ、本格4WDオフローダーとしての地位を確立。1974年には、ランクル初のディーゼルエンジンを搭載し、ランクルの中核モデルとなり、24年間にわたり生産されたロングセラーモデルとなった。

1967年には、海外で4WD車がRVとして人気を獲得するようになったため、40系と棲み分けするかたちで55系が登場。4ドアの本格ワゴンとしての個性を明確にして、実用性とともに快適性が向上した。

55系の後継として1980年に登場したのが60系であり、乗用車テイストの新たな路線を開拓。1989年には、オフロード性能を維持しつつ、オンロードでも快適性を向上させた80系が登場した。
キング・オブ・4WDを謳って登場した100系

80系ランクルに続いたのが、1998年1月に“キング・オブ・SUV”を謳って登場した100系である。100系は、高級な大型SUVが人気の米国市場や中東市場を意識して、「レンジローバー」や米国のフルサイズSUVをライバルとして開発された。
日本仕様のラインナップは、3ナンバーのワゴン系と1ナンバーのバン系で構成。スタイリングは後付けオーバーフェンダーをやめ、フェンダーラインそのものでボリューム感を演出し、室内幅は70mm拡大した。

パワートレインは、ワゴン系に最高出力235ps/最大トルク43.0kgmを発揮する4.7L V8(ランクル初) DOHC、バン系に205ps/44.0kgmの4.2L 直6 SOHCインタークーラーディーゼルターボの2種エンジンと、4速ATおよび5速MT(バン系のみ)の組み合わせ。駆動方式は、センターデフ式のフルタイム4WDが採用された。
その他にも、足回りについてはフロントがダブルウィシュボーン式の独立となり、ロードホールディング性や乗り心地が格段に向上した。さらに、路面状況に合わせて車高を変更する車高調整機構AHC(アクティブハイトコントロール)、ダンパー減衰力を自在に変化させるスカイフックTEMSがオプション設定された。
100系ガソリンワゴン車の車両価格は、372.6~443.0万円に設定された。


トップ・オブ・SUVを謳って登場したランクル・シグナス

100系デビューの約1年後の1999年1月のこの日、100系シリーズの最上級グレード「ランドクルーザー・シグナス」がラインナップに加わった。またシグナスは、レクサスブランドでは「レクサスLX」として海外で販売された。

シグナスは、ベース車とは異なるフロントマスクを採用。室内は、前席電動調整機構付き本革シート、本木目パネル、メモリー機能付チルト&テレスコピック機構、メーターはオプティトロンタイプ、オーディオは7スピーカー式スーパーライブサウンドシステムなどを搭載。ランクルの頂点に君臨する最上級車らしく、すべてが上質な印象で仕上げられた。

パワートレインは、最高出力235ps/最大トルク43.0kgmを発揮する4.7L V8 DOHCと、4速ATの組み合わせ。駆動方式は、センターデフ式フルタイム4WDである。
機能面では、ベース車でオプション設定だった車高調整機構AHCやスカイフックTEMSなどが標準装備された。
車両価格は、515.0万円。当時の大卒初任給は19.7万円(現在は約23万円)程度だったので、単純計算では現在の価値で約601万に相当する
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1990年代後半、世界的に高級SUVへの需要が高まっていた。特に、どんな道でも走破できるパワフルな性能と広い室内の豪華な装備を合わせ持つSUVが北米や中東で人気となったのだ。そんな状況下で、ランドクルーザーも本格オフローダーから、高級オールラウンダーへと舵を切ったと言える。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
