伝統と情熱のNISMOレッド vs 湘南の海と空を表現するオーテックブルー




ニスモの外観は、空気抵抗の低減とダウンフォースの向上を狙った空力造形と、随所に配されたレッドアクセントが特徴だ。
フロントグリル上部に追加されたダーククロームのフィニッシュやバンパー下部のレッドラインはボディのワイド感を強調し、足元を支える専⽤のエンケイ製20インチアルミホイールは、軽量性と高剛性を両立させつつ、ブレーキ冷却まで考慮してデザインされている。
対するオーテック スポーツスペックの外観は、通常のオーテックと同じくドットパターンのフロントグリルや金属調の各部フィニッシュで仕上げられ、ニスモよりも落ち着いた雰囲気を纏う。
両車はインテリアも対照的だ。ニスモは黒を基調として各所に赤のアクセントカラーを配したレーシーな空間にまとめられ、レザー/アルカンターラ張りとなるオプションの電動レカロシートを選択すればシートのサポート性を強化できる。
一方、オーテックスポーツスペックのインテリアは同じく黒を基調としながらも、キルティング加工を施したブラックレザーシートを採用。シートやトリムにはブランドカラーであるブルーのステッチを施すことで、より落ち着いた空間にまとめられている。
日産 エクストレイル NISMO e‑4ORCE
ボディサイズ=全長4705mm×全幅1840mm×全高1720mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1870kg
タイヤサイズ=255/45R20(前後)
日産 エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC e‑4ORCE
ボディサイズ=全長4705mm×全幅1840mm×全高1720mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1900kg
タイヤサイズ=255/45R20(前後)
意のままに操れるニスモと、上質感を磨き抜いたオーテック


両車のパワートレインは標準のエクストレイル e-4ORCEモデルと共通だ。1.5Lの可変圧縮比ターボエンジンは発電に徹し、常時高出力のモーターで駆動するe-POWERであることはもちろん、モータースペックもフロントが最高出力204PS/最大トルク330Nm、リヤが136PS/195Nmと標準エクストレイルに準ずる。
ただし、駆動制御を司るVCM(ビークルコントロールモジュール)は、それぞれ専用の調整が施される。ニスモは加速時のレスポンスと旋回時のコントロール性を重視した調整がなされており、後輪へのトルク配分を積極的に増やすことで、コーナー出口での鋭い立ち上がりと自在なハンドリングが与えられている。
他方、オーテックスポーツスペックの駆動制御は、高速クルージングやワインディングでの扱いやすさに重点が置かれた調整となる。またオーテックスポーツスペックには、ボディのバネ成分と微振動を吸収するヤマハ製パフォーマンスダンパーをリヤセクションに搭載しており、これもニスモとは異なる適度な落ち着き感を生む大きな要因と言えるだろう。
サスペンションはどちらも、極微低速作動域の減衰力をコントロールできるバルブを組み込んだカヤバ製スイングバルブ内蔵ダンパーを装備し、電動パワーステアリングの味付けまでを含めて、それぞれの車両の性格に合わせてチューニングされる。
極めつけはタイヤの違いだ。オーテックスポーツスペックは静粛性と直進安定性に定評あるコンフォートタイヤ「ミシュラン プライマシー4」が装着されており、グランドツーリング性を最重要視していることがわかる。
一方、ニスモが履くタイヤはケース剛性とグリップ性能に長けたスポーツタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツEV」だ。両者のタイヤサイズは同じだが、ホイールのリム幅はニスモの方がワンサイズ広く、徹底的にタイヤの横剛性を高めてスポーティな性格に振り分けられている。
日産 エクストレイル NISMO e‑4ORCE
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1497cc
最高出力=144ps/4400〜5000rpm
最大トルク=250Nm/2400〜4000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD
日産 エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC e‑4ORCE
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1497cc
最高出力=144ps/4400〜5000rpm
最大トルク=250Nm/2400〜4000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD
エクストレイルに求められるスポーツ性はどちらか




ニスモの新車価格は541万6400円、オーテックスポーツスペック590万1500円となる。ほぼ同等のチューニングが施される両者の価格に大きな差が生じているのは、スポーツ走行時の性能に特化させたニスモは過剰装備が削られていることが大きな理由だ。
しかし、「ニスモ アドバンスドパッケージ(596万2000円)」グレードを選ぶことで、12.3インチサイズのインフォテインメントシステムやヘッドアップディスプレイ、アンビエントライトなどが追加され、オーテックスポーツスペックと同等の装備となるため、ニスモのスポーツ性と引き換えに快適性を犠牲にする必要はない。
ただし装備やチューニングの違いからも分かるように、同じスポーティグレードであっても両者のキャラクターは明確に異なる。
鋭い加速感と意のままにクルマが曲がる操作感を最優先とするならニスモが最良の選択だ。一方、ニスモでは外観が派手すぎると感じる場合や、より上品なスポーツ性を求めるならオーテックスポーツスペックが相応しいと言えよう。
車両本体価格
日産 エクストレイル NISMO e‑4ORCE:541万6400円
日産 エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC e‑4ORCE:590万1500円
