モリゾウの影響を受けない「いいクルマづくり」が始まる!?

豊田章男会長(左)と中嶋裕樹副社長(右)

東京オートサロンを誰よりも心待ちにしているのでは…と思ってしまうのが、モリゾウこと豊田章男さん。トヨタ自動車の会長職でありながら、いいクルマづくりに邁進していることでファンも多い。

そんなモリゾウさんが率いるトヨタガズーレーシングのブースは、東京オートサロンでもトップクラスの集客を集めるが、2026年の東京オートサロンにおけるプレスカンファレンスは例年以上に熱い時間となった。

多くの報道陣が駆けつけたポイントは、開幕直前の1月7日にトヨタガズーレーシングが「ガズーレーシング」へと改名され、「トヨタレーシング」が復活したことにある。WEC(世界耐久選手権)については新生トヨタレーシングが担い、WRC(世界ラリー選手権)ほか、スーパーGTやスーパー耐久といった国内モータースポーツはガズーレーシングという棲み分けが発表されたのみで、改名の背景についての発表はなかった。

おそらく東京オートサロンにて、その背景が発表されるだろうということで、多数の報道陣が集まったのだろう。

結論としては、ガズーレーシングはモリゾウスピリットの「いいクルマづくり」を継承するモータースポーツ活動であり、トヨタレーシングは「モリゾウの影響を受けない、トヨタのいいクルマづくり」を目指す活動なのだという。そして、トヨタレーシングを率いる中嶋裕樹 副社長は「2026年のル・マンを勝ち、優勝トロフィーを持って帰る」と宣言した。

冒頭に掲載した、ボクシンググローブをはめ、サングラスをかけた豊田章男さん、中嶋裕樹さんの写真は、そうした対決姿勢をおもしろおかしく表現した公式のフォトセッションの一幕。冗談めかした雰囲気ではあったが、トヨタが脱モリゾウによる新たなクルマづくりのフェイズに入ったことを感じさせた。

軽トラによる親子ゲンカも勃発

VS.モリゾウの対決はガズーレーシング対トヨタレーシングだけではなかった。

東京オートサロンらしい”親子ゲンカ”としてダイハツのミッドシップ2シーターマシンである「ハイゼットトラック」を使ったカスタム対決も勃発している。

4シーター仕様としたGRハイゼットモリゾウKトライアルと、フロントガラスを廃したワイルドなハイゼットトラックジャンボスタークライマーの2台。その勝負の行方は東京オートサロン来場者による投票で決まるという趣向もおもしろい。

特別なGRヤリスはオジエ仕様とモリゾウ仕様

ガズーレーシングが引き続き担当するWRC直系モデルといえるのがGRヤリス。東京オートサロン2026では、8速ATをベースにしたGRヤリス モリゾウRRと、GRヤリス セバスチャン・オジエ9×ワールドチャンピオンエディションという2台のプロトタイプが公開された。

GRヤリス モリゾウRRは、ニュル24時間耐久レース参戦で培った、ずっと運転していたくなるような感覚を表現した一台で、日本限定100台。2026年春以降の抽選申し込みを予定している。

GRヤリス セバスチャン・オジエ9×ワールドチャンピオンエディションプロトタイプ

V8ツインターボの「GR GT」が初の一般公開

GR GTプロトタイプ

プレスカンファレンスではまったく触れられなかったが、来場者の注目を集めたいたのが、「GR GTプロトタイプ」と「GR GT3プロトタイプ」だ。詳細なスペックや販売時期については不明な部分も多いスーパースポーツは、初めての一般公開ということもあって、多くのカメラやスマホが向けられていた。

トヨタ初のオールアルミモノコックボディ、新開発V8ツインターボといったメカニズム要素の展示にも熱い視線が注がれていたのが印象的だ。

GR GT3プロトタイプ

ブース各所に飾られたロゴが、従来の「TOYOTA GAZOO Racing」のままであることは、冒頭で紹介した改名がまさしくサプライズであることを示しているが、はたしてトヨタレーシングとガズーレーシングの未来と、そこから生まれる「いいクルマ」や「楽しいカスタムアイテム」がどうなるのか。おおいに注目だ。