アウトドアでの使い勝手はフォレスター X-BREAKが優位

エクストレイルの「ロッククリーク」は、ブラックのフロントグリルやマットブラックの専用アルミホイールに加え、溶岩をイメージした「ラバレッド」のアクセントを随所に配することでオフロードカーらしい無骨さと都会的な精悍さを備えたオーテックの特装車だ。

他方、フォレスターの「X-BREAK」は、「エナジーグリーン」の加飾が内外装の各所に配置されており、エクストレイルよりもギア感が強いスタイリングが特徴となる。両車ともにシートには撥水表皮が用いられており、アウトドアユースを想定した仕様となっている点は共通だ。

両車はボディサイズもほぼ同じくらいだが、後席の膝周りと頭上空間はフォレスターの方がほんのわずかに広い。一方、荷室長はエクストレイルがやや長いうえ、後席スライド機構が備わるため乗員に応じて荷室空間を可変できる。

ただし、エクストレイルの荷室は防水仕様にはなっておらず、アウトドアで荷室を多用する使い方には防水処理されたフォレスターの方が向く。またフォレスターは荷室から後席を倒せるスイッチが備わるため日常用途における使い勝手も高い。

両者の性格の違いはルーフレール形状にも現れている。エクストレイルはスタイリッシュなローマウントタイプのルーフレールであるのに対し、フォレスターは一般的なラダータイプとなっており、タープなどの設営にも使いやすい。各部がよりハードなアウトドアユースを想定した設計となっているのはフォレスターの方だ。

日産 エクストレイル ROCK CREEK e-4ORCE
ボディサイズ=全長4690mm×全幅1840mm×全高1720mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1870kg
タイヤサイズ=235/55R19(前後)

スバル フォレスター X-BREAK S:HEV
ボディサイズ=全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1740kg
タイヤサイズ=225/55R18(前後)

燃費性能はほぼ互角! e-POWER+e-4ORCE vs S:HEV+シンメトリカルAWD

ロッククリークのパワートレインは、標準エクストレイルに準ずる。エンジンは同スペックの1.5Lの可変圧縮比ターボエンジンであり、駆動モーターのスペックもフロントが最高出力204ps/最大トルク330Nm、リヤ136ps/195Nmと標準エクストレイルと共通だ。

エンジンで発電し、モーターで走行するシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」による力強く滑らかな加速と、高級車にも匹敵する高い静粛性はエクストレイルの大きな強みと言えるだろう。また、高応答のモーターで前後輪を協調駆動させる「e-4ORCE」は滑りやすい路面でも高い接地性を確保できる。

一方、フォレスター X-BREAKのパワートレインは、2.5リッターの水平対向エンジンに最高出力119.6psのモーターを組み合わせたシリーズパラレル方式の「S:HEV」だ。フォレスターはエンジンとモーターの合力が前後輪に伝わるため、滑りやすい路面での安定感と操作性は従来のシンメトリカルAWDと変わらない。

ハイブリッドシステムと4WDシステムの構成に大きな違いはあるものの、燃費性能は近いものとなる。ロッククリークは持ち込み登録車両となるため正確な燃費性能は公表されていないが、標準グレードとパワートレインに違いはなく車重もほぼ変わらないため、WLTCモード平均燃費はベースグレードの「X e-4ORCE」に準じた18.1km/Lとなるはずだ。

対するフォレスターのWLTCモード平均燃費は18.8km/Lであり、エクストレイルをわずかにリードする。ただし、大トルクのモーターで走行するエクストレイルはストップ&ゴーが多い市街地での燃費効率が高く、フォレスターより0.5km/Lほど優れる。しかし、回転数が上がるほど効率が低下するモーターの特性上、高速燃費はエクストレイルの方が1.5km/Lほど劣る結果となる。

速度域が高くなるほど加速感も鈍っていくのがe-POWERの基本特性ではあるが、エクストレイルの1.5L 可変圧縮ターボエンジンは駆動バッテリーが枯渇するような状況でも十分な発電量を賄えるため、常識的な速度帯であれば高速道路でも加速の鈍さは感じられないはずだ。

日産 エクストレイル ROCK CREEK e-4ORCE
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1497cc
最高出力=144ps/4400-5000rpm
最大トルク=250Nm/2400-4000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD

スバル フォレスター X-BREAK S:HEV
エンジン形式=水平対向4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2498cc
最高出力=160ps/5600rpm
最大トルク=209Nm/4000-4400rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

コスパで選ぶなら断然フォレスター X-BREAK! しかしエクストレイル ロッククリークの付加価値も高い

エクストレイル「ロッククリーク」はe-4ORCEのみの設定で新車価格は475万6400円となる。対するフォレスターもAWDのみの設定であり、「X-BREAK S:HEV」の価格は420万2000円だ。

エクストレイルの中間グレードである「X e-4ORCE」 に専用装備を追加したロッククリークの価格は、やや高いと言わざるを得ない。それに対しフォレスターは、電動シートやアイサイトXが備わる上位グレード「X-BREAK S:HEV EX」を選んでも447万7000円で済む。性能のみに着目すれば、フォレスターの方が間違いなく買い得と言えそうだ。

しかし、全てのユーザーがこうしたSUVをアウトドアでハードに使うわけではない。価格は高いものの、タフ&スタイリッシュを絶妙なバランスで具現化したロッククリークの外観は、フォレスターにはもちろん標準のエクストレイルにもない魅力だ。

またロッククリークは、普段使いからアウトドアレジャーまで使いやすくリファインが加えられているうえ、プラス13万円ほどで3列シートの7人乗りが選べる点も大きな付加価値と言えるだろう。

車両本体価格

日産 エクストレイル ROCK CREEK e-4ORCE:475万6400円

スバル フォレスター X-BREAK S:HEV:420万2000円