バンコクを拠点とするTCD ASIAが東京オートサロン初見参!

幕張メッセ北ホールのTCD ASIAブース

東京オートサロンの会場としておなじみの幕張メッセ。世界最大級のカスタムカーショーである東京オートサロンでは、東・中・西・北と4つのホールが使用されている。その中で、最寄りとなる海浜幕張駅から歩いて向かうと、最初に見えるのが北ホール。そこに、TCD ASIAのブースは構えられていた。

TCD ASIAと聞いてもピンと来ないかもしれないが、それもそのはず。なにしろ2026年が東京オートサロン初出展となるからだ。しかしながらTCD ASIAブースで来場者の様子を見ていると、「おお、新型ハイラックスじゃん!」、「カッコいいね!」といった熱い反応が見られた。

あらためて説明すると、TCD ASIAはタイ・バンコクに居を構えるトヨタ系のカスタマイズパーツ開発企業。TCDというのはトヨタカスタマイジング&ディベロップメントの略称だ。つまり、日本でTRDやモデリスタといったブランドを展開するトヨタカスタマイジング&ディベロップメントの子会社である。

タイはトヨタのアジア重要生産国、TCD ASIAが担う“現地開発”の強み

TCD ASIA「Hilux Customize Concept」

そのTCD ASIAが、わざわざ日本のオートサロンにブースを出展するのには、もちろん意味がある。

トヨタカスタマイジング&ディベロップメントの子会社と聞くと、ともすれば日本で開発したカスタマイズアイテムをタイで販売している企業と思ってしまうかもしれないが、そうではない。なぜなら、タイという国はトヨタ自動車にとってもアジアの一大生産拠点となっている。実際、日本で売られる予定の新型ハイラックスやランドクルーザーFJは、タイで生産される。

そして、TCD ASIAには、日本のトヨタカスタマイジング&ディベロップメントで経験を積んだ多くのスタッフが在籍している。つまり、新型ハイラックスやランドクルーザーFJについていえば、生産現場にもっとも近い場所でカスタマイズアイテムの開発をできるのがTCD ASIAというわけだ。

さらに、TCD ASIAの事業展開エリアはタイ国内にとどまらない。アジア地域から南半球までグローバルに展開することを目指している。そのためには、各国のニーズを知ることは重要だ。

東京オートサロンに初出展したのは、アジア最大級といえるカスタムカーイベントにて、新型ハイラックスやランドクルーザーFJのカスタムに関する感想やリクエストを聞くという狙いもあるという。

TCD ASIAプレジデントの石澤 寛さん。日本でのカスタムパーツ開発に長く従事した経験を持つ。

タイにおけるハイラックスは仕事と遊びのベースマシン

TCD ASIAの新型ハイラックスカスタマイズコンセプト。

それでは、TCD ASIAのカスタマイズカーについて詳細を見ていこう。

まずはエクステリア、インテリアが隙なくカスタマイズされた新型ハイラックス。TCD ASIAのデザイナーに開発の背景を聞けば、「ハイラックスというのはタイにおける国民的なクルマとなっています。働くクルマであり、遊びのベースでもあります。日本でいうとハイエースのようなイメージで、様々なカスタマイズが求められています」と教えてくれた。

そうして、オーストラリア仕様のシュノーケルが目立つ新型ハイラックスに対して、TCD ASIAが開発したのは以下のアイテム群となっている。

●エクステリア
フロントグリル(参考出品)
30mmオーバーフェンダー(参考出品)
サイドステップ(参考出品)
スキッドプレート(参考出品)
ボディラッピング(参考出品)

●インテリア
スポーツシート(試作品/参考出品)
ステアリングホイール(試作品/参考出品)
シフトブーツ(試作品/参考出品)

●シャシー
サスペンションキット(試作品/参考出品)
17インチアルミホイール(試作品/参考出品)

新型ハイラックスの純正グリルに採用されているメッシュ形状のデザインイメージを活かしつつ、よりスポーティで上質に仕上げられたフロントグリルは存在感を押し上げる。
30mmオーバーフェンダーで絶妙なワイド感でタフネスさを強調する。
ラギッドなスタイルのサイドステップ。

残念ながら日本での発売予定は未定で、すべてが参考出品となっているが、試作アイテム以外はタイ本国では販売実績があるもの。その完成度は非常に高く、新型ハイラックスの日本導入と同時に手に入れたくなるものばかりだ。

試作品についても、シフトブーツまで用意しているところから、細部まで目が届いていることもわかる。さらに、ステアリングホイールやスポーツシートは、トヨタ系サプライヤーと共同開発したものだという。まさにTCDの名にふさわしい純正クオリティのカスタマイズを実現しているのだ。

トリコロールカラーのラッピングは、ピックアップトラックのモータースポーツからインスパイアされたデザインだ。
オリジナルの17インチホイールにはダンロップ・グラントレックR/T01(285/70R17)を組み合わせる。
レッド色のスキッドプレートは機能とルッキングアップを両立。
試作サスペンションキットはオーリンズをベースとした本格仕様。
純正シートステアリングメーカーとコラボレーションしたステアリングホイール。
シートやシフトブーツに入れられた2色のステッチがおしゃれだ。
純正シートメーカーとコラボレーションしたスポーツシート。

ランドクルーザーFJのカスタマイズコンセプト

TCD ASIAのランドクルーザーFJカスタマイズコンセプト。

もうひとつの出展車「ランドクルーザーFJ」もタイで生産されているモデル。生産現場との物理的な近さを活かして開発されたカスタマイズパーツをまとったコンセプトカーだ。

こちらに装着されているTCD ASIAの開発したアイテムは以下の通り。

●エクステリア
ルーフラック(試作品/参考出品)
ロックレール(試作品/参考出品)
スキッドプレート(試作品/参考出品)
スペアタイヤカバー(試作品/参考出品)

●シャシー
サスペンションキット(試作品/参考出品)
17インチアルミホイール(試作品/参考出品)
アルミホイールロックナット(試作品/参考出品)

TCD ASIAのランドクルーザーFJカスタマイズコンセプト

ランドクルーザーFJのキュートな部分と、ランクルらしいタフネスをバランスよくレベルアップしていることは、ひと目で理解できる。今後は、さらにディープなカスタマイズアイテムの開発も進めていくことを期待したい。

17インチアルミホイールはゴールドの配色で足元の存在感を高める。
新型ハイラックス同様に、サスペンションキットはオーリンズをベースとした本格仕様。
ランドクルーザーFJ用のスキッドプレート。
スペアタイヤカバーはブラックで統一しながらも、光沢の異なる素材のコントラストで表情の変化をみせる。

TCD ASIAのコンセプトは「FROM THAILAND」だ。新型ハイラックスやランドクルーザーFJの生産拠点に近いからこそ生み出せる価値を世界に届けるという目標を、東京オートサロン初出展は示している。

ほほえみの国として知られるタイの国民性と、日本で鍛えられたカスタマイズの知見から生まれるTCD ASIAのカスタマイズアイテム。その未来に、おおいに注目だ。

出展ブースには会期3日間を通して多くの来場者が詰めかけ、終始人だかりが絶えなかった。東京オートサロン初出展ながら強い存在感を示し、多くの人がTCD ASIAに関心を寄せた結果だろう。
TCD ASIAは生産現場に近い立場で開発できる強みを活かし、タイ国内にとどまらず日本やアジア各国、南半球までを視野に入れたグローバル展開を目指している。