欧州モータースポーツ直系の「RT88」は3月導入
技術の進化と素材の進化が今後の開発の柱に!
東京オートサロン2026のBBSブースで、ひときわ存在感を放っていたのが、ドイツのBBSモータースポーツとBBSジャパンによる共同開発モデルだ。BMW M3に装着されたそのコンセプトホイールは、「MAG-R」と名称からも分かるように、素材にマグネシウムを採用している。

しかも単なるマグネシウム鍛造にとどまらない。アルミ鍛造ホイールのFI-RやFI-R Evoで培った大胆な軽量化ノウハウを、今度はマグネシウムという素材に落とし込んだ。最新の解析技術を駆使して導き出された造形には、その真価が色濃く宿っている。スポーク天面だけでなく、側面からも大胆にえぐり取られた肉抜き加工処理は、視覚的なインパクトも相当なものだ。一方で、側面から眺めると意外なほど肉厚があり、スポーク自体は細身ながら、必要な剛性はしっかりと担保されている。これはマグネシウム鍛造だからこそ成立する構造であり、サーキット走行から公道使用まで視野に入れたコンセプトで開発が進められている。

その背景には、日本のBBSジャパンがF1参戦を通じて積み上げてきたマグネシウム鍛造技術と、BBSモータースポーツが持つレースの知見がある。両者の技術が融合した結果、「マグネシウム鍛造×大胆な肉抜きデザイン」という、これまで市販車では考えにくかった領域まで踏み込んだホイールが誕生しつつある。
展示車両には20インチが装着されていたが、今後はハイパフォーマンスカー向けに、さらなるサイズ拡大も検討。市販化が待ち遠しい逸品である。

もうひとつの目玉が「RT88」だ。こちらはすでにドイツやアメリカでは市販されているモデルで、今回いよいよ日本市場への導入が発表された。これまで日本で正式展開されてこなかった理由は、JWLをはじめとする各種認証への対応が必要だったため。それらを順次クリアすることで、2026年3月から日本でもラインアップ追加が予定されている。
RT88の“RT”は「ロード&トラック」の略。その名のとおり、公道とサーキットの両立を狙ったスポーツホイールで、ルーツはレース用のE88にある。E88は3ピース構造であったが、RT88ではあえて2ピース構造を採用。公道使用における強度面や扱いやすさを重視し、現代のニーズに合わせた進化を遂げている。

同じレース直系メッシュデザインホイールでも、王道のLMとはキャラクターが異なる。RT88はコストを度外視し、スポーク側面にまでえぐり加工を施すことで、徹底した軽量化と高剛性を両立。その分、価格帯は上がるが、よりサーキットユースを強く意識した作り込みだ。天面がフラットなLMに対し、RT88がラウンド形状を採用しているのも、大径ブレーキを装着する車両が増えたサーキット事情を見据えてのもの。機能がそのまま造形に表れている。
ドイツではすでにレースのみならず、スポーツ走行でも使われており、欧州やアメリカでは人気も高い。今回はポルシェ911 GT3に20インチを履かせての展示ではあったが、今後はポルシェやBMWのMシリーズを皮切りに、19インチ以上を中心としたサイズ展開を拡大していく予定。オーソドックスなデザインだけに、新型車から旧車まで幅広く似合う懐の深さも魅力といえる。

今回の展示は、単なる新作発表にとどまらない意味を持つ。BBSモータースポーツとBBSジャパンが、それぞれの得意分野を前面に出し、「これから一緒にやっていく」という姿勢を明確に示した点に価値がある。過去にもFI-Rなど部分的な協業はあったが、ここまで大々的に関係性を打ち出したのは初めてだという。

MAG-Rコンセプト、RT88以外にも、新素材「フォルデガ」を採用したFLホイールの21インチや、LMのレギュラーカラー追加など、2026年のBBSは全方位での展開を予告している。技術の発展と素材の進化を開発の軸に据え、レースの最前線で培った技術を市販モデルへどう落とし込んでいくのか。その答えの一端が、この東京オートサロンのBBSブースには確かに示されていた。
取材協力:BBS JAPAN
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