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今日は何の日?■高級感にスポーティさを加味したレジェンド・クーペ

1991(平成3)年1月16日、ホンダは2代目「レジェンド」にアグレッシブな走りとスポーティなスタイリングの「レジェンド・クーペ」を設定し発売した。初代レジェンドのデビュー2年後1987年2月に、ハイソカーを意識した2ドアハードトップは追加されていたが、クーペを名乗ったのはこの2代目の追加モデルが最初で最後だ。
ローバー社との共同開発で誕生したレジェンド

ホンダは、1979年に英国のBL(ブリティッシュ・レイランド)社と技術提携を締結し、1985年10月にフラッグシップとなる高級セダン「レジェンド」は誕生した。ちなみにBL社は、1986年にローバー社に車名変更した。

レジェンドがデビューした当時は、シーマ現象やハイソカーというバブル時代を象徴する新語が生まれ、ホンダとしてもそのブームに乗らないわけにはいかなかった。加えて、1986年3月に米国で立ち上げた高級ブランド「アキュラ」のフラッグシップモデルとしての期待も高かったのだ。
レジェンドは高級セダンとしては珍しいFFレイアウトで、5ナンバーと3ナンバーの2つのボディを設定。Cd値0.32の優れた空力性能を発揮する低いフロントノーズと広い室内空間が特徴の4ドアセダンだった。インテリアも高級車らしくまとめられていた。

パワートレインは、レジェンド用に開発された最高出力145ps/最大トルク17.0kgmの2.0L、165ps/21.5kgmの2.5L V6 SOHCの2種エンジンと5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式は、高級車と言えばFRが定番の中で、FFレイアウトを採用。ただし、ホンダらしくFFに起因するネガな面は解消されていた。


1987年2月には、3ナンバー車専用のボディに、180ps/23.0kgmの高性能2.7L V6 DOHCエンジンを搭載した「レジェンド・2ドアハードトップ」が追加され、話題を集めた。
V6縦置きFFミッドシップでスタイリッシュになった2代目

1990年10月には初のフルモデルチェンジが行なわれ、2代目へと進化した。ハイソカーのような派手なメッキモールのような押し出し感を控えめにして、高級車らしくすっきりとした都会的かつスポーティなスタイリングとなった。

2代目レジェンドの大きな特徴は、FFでありながらエンジンを縦置きに配置するFFミッドシップを採用したこと。これにより、エンジンをフロントアクスルより後方に配置して前後重量配分が最適化されることで、操縦安定性が向上した。
パワートレインは、最高出力215ps/最大トルク30.5kgを発揮する新開発の3.2L V6 SOHCエンジンと7ポジション電子制御4速AT の組み合わせ。駆動方式は、先代同様FFである。

また安全性能と快適装備面でも先進的な技術が投入された。日本車初の助手席SRSエアバッグやFF用TCL(トラクションコントロール)、ABS、快適装備としては前席パワーシート、シートヒーター、フルオートエアコン、ヒーテッドリモコンドアミラーなどが採用された。
車両価格は、372.0万~642.5万円に設定。当時の大卒初任給は17万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約503万~869万円に相当する。
高級セダンのレジェンドにクーペが登場

2代目レジェンドがデビューした2ヶ月後の1991年1月のこの日、さらにスポーティな走りとアグレッシブで個性的なスタイリングをもつスペシャリティクーペ「レジェンド・クーペ」が追加された。

スタイリングは、“ソリッド&セクシー”をデザインテーマとし、アグレッシブ感を徹底。低い車高とワイドスタンスでワイド&ロー感を強調し、さらにハイデッキなどによりスペシャリティクーペらしさを演出。インテリアについてもスポーティ感と高級感を両立させた。
パワートレインは、セダンと同じ高性能2.7Lエンジンとトランスミッションは7ポジション電子制御4速ATを搭載。

また、軽量高剛性のボディ、スポーティな4輪ダブルウィッシュボーン・サスペンションの採用や空力の徹底追求など、数々の新技術を投入によって上質な走りと高い運動性能を実現。さらに、安全性能も世界トップレベルを目指し、運転席助手席SRSエアバッグシステム、シートベルト・プリテンショナー、ABS、TCSが標準装備された。
車両価格は455万円に設定、今なら598万円に相当する。ただし、当時は日米でクーペ人気に陰りが見えたことから、3代目からはクーペが消えて再び4ドアセダンのみとなった。
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レジェンド・クーペは、スタイリングの評価は高かったが、販売面では期待したほど振るわなかった。そもそも、2代目レジェンドのデビューは、バブル崩壊と重なったため苦戦した。セダンとクーペが低迷し始めた悪いタイミングの船出だったのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
