室内空間は変わらないが、細かな部分がより使いやすく




フロントフェイスはシュモクザメをモチーフとしたハンマーヘッドデザインに改められたこともあって、旧型よりも落ち着いた外観にまとめられているが、ボディサイドはフェンダーデザインも含めて旧型よりも大胆な造形となっている。
ただし、ボディサイズは旧型からホイールベースを含めて変わっておらず、室内空間を比べても大きな差はない。後席空間はミドルサイズSUVとして標準的な広さと言ってよいだろう。
荷室空間はリヤハッチの傾斜が急角度になったことで、5名乗車時の最大容量が733リットルから749リットルへと拡大され、荷室手前側の上下空間が使いやすくなった。
また後席の背もたれを倒したときの荷室床面傾斜が10°から5°へと抑えられ、よりフラットな荷室へと変わり、開口部分とデッキボード間にあったわずかな段差もなくなっている。
インテリアは引き続き水平基調のデザインを採用するも、外観と同じくオフロードカーのような雰囲気はやや薄れ、デジタル機器の使用を考慮した先進的なデザインに変わった。
新たにエレクトロシフトマチックを初採用したことも大きなトピックであり、シフト操作は小ぶりのレバー操作で完結するためコンソール周りもスッキリとしている。また、アクセルペダルはオルガン式に改められた。
加えて、運転席と助手席間にあるコンソールボックスは、左右両開きに加えて蓋を外して裏返すとトレイとして使用できる「リバーシブルアームレスト」を新採用。室内空間や荷室面積に大きな変更はないが、新型RAV4は細部が使いやすくなっている。
新型 トヨタ RAV4 Z
ボディサイズ=全長4600mm×全幅1855mm×全高1680mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1720kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)
旧型 トヨタ RAV4 ハイブリッドG
ボディサイズ=全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1690kg
タイヤサイズ=225/60R18(前後)
駆動モーターの出力アップで燃費性能はさらに向上


新型RAV4のパワートレインは、旧型からのキャリーオーバーとなる2.5L 直列4気筒であり、Zグレード、アドベンチャーグレードともにパワートレインは共通で、どちらもE-Fourのみの設定だ。
エンジンの最大トルクはそのままながら、最高出力発生回転数が引き上がり+9psとなる186psに。リヤモーターのスペックは先代と同じ最高出力54ps/最大トルク121Nmに留まるものの、フロントモーターは最高出力が+16ps、最大トルクが+6Nmとなる136ps/208Nmへと向上している。
パワートレインのスペック向上に伴い、WLTCモード平均燃費も20.6km/L(ハイブリッドG)から、22.9km/L(Zグレード)へと向上を果たした。
先代から引き続きスノーモードとトレイルモードが搭載され、雪道や不整地でも高い駆動力は健在だ。前後輪の駆動力配分を100:0~20:80まで可変させられる点は変わらないが、電子制御ブレーキシステムが刷新されたことでより緻密にブレーキをコントロール可能となり、車両姿勢制御や内輪ブレーキ制御などの精度が向上した。
そのほかボディ剛性の強化に加え、微振動を取り除くためにフロアに高減衰接着剤を採用することで静粛性も引き上げられ、サスペンションダンパーはよりスムーズな摺動を可能とするレクサス向けと同じものを採用し、乗り心地も向上している。
新型 トヨタ RAV4 Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
旧型 トヨタ RAV4 ハイブリッドG
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=178ps/5700rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
ハイテク化と高額化…新型RAV4は立ち位置も変化


旧ハイブリッドGグレードの新車価格は433万2900円だった。それに相当する新型RAV4のZグレードは490万円となり、その値上げは約57万円だ。最廉価グレードのアドベンチャーでも価格は450万円となっており、ガソリンモデルが廃止されたことも手伝って平均価格は大幅に上昇した。
新型RAV4の価格が高い理由は、ソフトウェア面での進化と標準装備化も大きく影響していることだろう。運転支援システムは最新世代へアップデートされ周囲の車両検知範囲、検知速度を向上させるとともに、クルーズコントロールの制御も向上している。
さらに12.9インチの大型ディスプレイには、3Dビュー機能付きパノラミックビューモニターを導入し、スワイプ操作で周辺の見たい場所にフォーカスして見られるようになった。そのほか、音声操作の応答速度を従来の3倍まで高速化し自然な対話を実現。またZグレードでは、新採用のカラーヘッドアップディスプレイも標準装備となる。
こうした電子制御の肝となるのが、新型RAV4から導入された「Arene(アリーン)プラットフォーム」の存在だ。
ソフトウェア構成部品をモジュール化するとともに開発ツールなどの基盤を整えたことで、開発速度の向上に寄与するほか、将来的には運転支援システムやパワートレインなどのソフトウェアアップデートや、個々人の使い方に合わせたユーザーインターフェースのカスタマイズも可能になるそうだ。
クルマ全体で見れば、新型RAV4は隔世の進化を遂げたと言えるだろう。しかし、RAV4に旧来の実用性とコストパフォーマンスを求めるユーザーにとって、ハイテク化とそれに伴う高額化は、期待とは異なる進化に感じられるかもしれない。
車両本体価格
新型 トヨタ RAV4 Z:490万円
旧型 トヨタ RAV4 ハイブリッドG:433万2900円
