後席が広いフォレスターと、荷室が広いRAV4! アウトドアユースでの使い勝手は…

両者のボディサイズはほぼ同じと言えるだろう。RAV4は先代からホイールベースを含めてボディサイズが変わっておらず、後席の膝周りと頭上空間はフォレスターの方が拳ひとつぶんほど広く確保されている。

荷室長はRAV4の方が長くなるものの、大きな差ではない。両者の5名乗車時の荷室床面寸法はRAV4が長さ961mm×幅1002mm×高さ847mm〜933mmに対し、フォレスターが928mm×1100mm×887mmだ。後席を格納したときの荷室長はどちらも1800mm前後を確保している。

新型RAV4はリヤハッチの傾斜角度が改められている。よりボクシーな形状になったことで旧来のスポーティな雰囲気はやや失われたものの、荷室容量を大幅に増加するとともに、手前側にも背の高い荷物を積みやすくなった。また、後席背もたれを倒したときの荷室床面がフルフラットに近くなり、開口部縁とデッキボードにあったわずかな段差も解消されている。

RAV4は引き続きラゲッジボードが2段階で切り替え可能となっているため下段にすることで荷室容量は40リットルほど拡大でき、その状態でもアンダーラゲッジは26リットルを確保する。フォレスターは床面高の切り替えはできず、アンダーラゲッジは6リットルに留まる。荷室空間の広さで勝るのはRAV4の方だ。

ただし、フォレスターのX-BREAKは荷室が防水仕様となっているが、RAV4はアドベンチャーグレードであっても防水仕様ではない。また荷室側から後席を倒せるスイッチが備わる点もフォレスターの強みだ。アウトドアユース向きの荷室になっているのはフォレスターの方と言えるだろう。

トヨタ RAV4 Adventure
ボディサイズ=全長4620mm×全幅1880mm×全高1680mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1710kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)

スバル フォレスター X-BREAK S:HEV
ボディサイズ=全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1740kg
タイヤサイズ=225/55R18(前後)

燃費性能はRAV4の勝ち! 悪路走行性能はフォレスターが優位

スバルがフォレスターなどで採用している「S:HEV」はトヨタからの技術提供を受けて完成させたハイブリッドシステムであり、両者のハイブリッドシステムの根本部分は同じと言ってよいだろう。

ただしRAV4のエンジンは2.5リッター直列4気筒である違いに加え、4WDシステムは54ps/121Nmのモーターで後輪を駆動するオンデマンド方式のE-Fourだ。新型ではエンジンの最高出力が9psほど高められたほか、フロントモーターは最高出力が+16ps、最大トルクが+6Nm上乗せされ、136ps/208Nmへと向上している。

対するフォレスターは、2.5Lの水平対向エンジンに最高出力119.6ps/最大トルク270Nmのモーターが組み合わされる。ただし、フォレスターは1つの駆動モーターが発生する動力を前後輪に伝えて走行する機械式のフルタイム4WDだ。

路面状況に応じて駆動力を適切に分配しながら走行するフォレスターは、滑りやすい路面での安定感と操作性は抜群だが、RAV4のE-Fourに比べて機械的な駆動ロスが大きくなる。両車のWLTCモード平均燃費はモータースペックが向上したRAV4が22.9km/L(アドベンチャー)に対し、フォレスターは18.8km/L(X-BREAK S:HEV)だ。

RAV4には先代から引き続きスノーモードとトレイルモードが搭載され、フォレスターの「X-MODE」ではスノー/ダートの2モードが選択できる。どちらにもヒルディセントコントロールやEV走行モードも備わっており、走行支援システム自体に大きな差はないと言ってよいだろう。

ただし悪路走行の要となる対地障害角には差がある。フォレスターの最低地上高は220mmであり、アプローチアングル20.3度/ランプブレークアングル21.0度/デパーチャーアングル25.7度となる。RAV4の最低地上高は190mmで対地障害角はそれぞれ18.0度/22.0度/17.0度だ。

両者には同じハイブリッドシステムが用いられているが、その他の部分の違いにより性能や乗り味には大きな違いがある。

トヨタ RAV4 Adventure
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

スバル フォレスター X-BREAK S:HEV
エンジン形式=水平対向4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2498cc
最高出力=160ps/5600rpm
最大トルク=209Nm/4000-4400rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

先代RAV4のような使い勝手を求めるならフォレスターが買い

「RAV4 アドベンチャー」の新車価格は450万円、「フォレスター X-BREAK S:HEV」 は420万2000円と、両車の間には約30万円の価格差がある。

快適装備は両者同等と言えるだろう。どちらもステアリングヒーター&シートヒーターが標準装備であり、左右独立温度調整エアコンも備わる。フォレスターもハンズフリーバックドアや電動シートはグレード選択やオプションで追加可能だ。

大きな違いは室内空間の使い勝手と4WDシステムの違いのほか、先進機能と安全装備にある。

新型RAV4は、クラストップレベルとなる12.9インチの大型ディスプレイに周辺映像をスワイプで確認できる3Dビュー機能付きパノラミックビューモニターを追加し、SUVの周辺視界の悪さをカバーする。そのほか音声操作の応答速度も著しく高速化された。インテリアもデジタル機器の活用を前提としたデザインに改められている。

フォレスターは、スバルの0次安全に基づく優れた肉眼での視認性を基本とし、足りない部分はアイサイトテクノロジーでカバー。全グレードに自転車対応の歩行者保護エアバッグが装備され、「X-BREAK S:HEV EX(447万7000円)」を選べばハンズオフ機能が備わるアイサイトXが標準装備となる。

また、フォレスターなら1.8L ガソリンターボエンジンを搭載した「SPORT(404万8000円)」も選択できる。対する新型RAV4は、純ガソリンモデルがラインナップしない。

6代目にモデルチェンジしてRAV4の立ち位置は大きく変化した。そこにはトヨタと協業関係にあるスバルのフォレスターとの競合を避けるかのような配慮が見て取れる。

新型RAV4が最新デジタル技術の活用で総合力を高めたSUVだとすれば、フォレスターは走行性能と安全性能を突き詰めたSUVと言えるだろう。両車のキャラクターは近いが、スペックを比較するとその違いが明確になる。

先代RAV4の特徴であったグレードの選択自由度や、ラフな使い勝手を求めるのであれば、今はフォレスターがおすすめだ。

車両本体価格

トヨタ RAV4 Adventure:450万円

スバル フォレスター X-BREAK S:HEV :420万2000円