後席や荷室の広さは同等! 使い勝手はエクストレイルが優位

両車のパッケージングに大きな差はない。ボディサイズはほぼ同等であり、両車の後席空間もミドルサイズSUVとして標準的な広さだ。5名乗車時の荷室空間もRAV4が長さ961mm×幅1002mm×高さ847mm、エクストレイルが951mm×1096mm×841mmで同等となる。

しかし、エクストレイルは全グレードの後席にスライド機構が備わるため荷室長を1176mmまで拡大でき、乗員人数と荷物の量に応じて荷室と客室の広さを調整できる。また、どちらも後席にリクライニング機構は備わるが、エクストレイルの方が可変角度、段数ともに多い。後席の乗降性に関しても、リヤドアが90°近くまで開くエクストレイルの方が高いと言えるだろう。

RAV4は引き続きラゲッジボードが2段階調整可能となっており、下段時の荷室最大容量は749リットルに増え、その状態でもデッキボード下に26リットルの収納を備える。対するエクストレイルの荷室容量はアンダーラゲッジを含めて575リットルだ。また、RAV4は後席を倒したときの荷室床面の傾斜が抑えられたうえ、荷室開口部とラゲッジボード間にあったわずかな段差も解消されている。

RAV4の外観は、フロントフェイスがトヨタの最新デザインに置き換わり、リヤハッチの角度もより立ち上がった形状に改められたことで雰囲気が大きく変わったが、ボディサイドは先代RAV4のデザインを色濃く残している。

エクストレイルは、マイナーチェンジでスモールランプがデイタイムランニングランプ化されたほか、グリルやサイドダクトなどの意匠変更でよりワイドな佇まいに変わった。また、フェンダーモールを含む車体下部の無塗装樹脂部分がブラック塗装に変わっており、最新のRAV4にも劣らない魅力的な外観に改められている。

トヨタ RAV4 Z
ボディサイズ=全長4600mm×全幅1855mm×全高1680mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1720kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)

日産 エクストレイル G e-4ORCE
ボディサイズ=全長4690mm×全幅1840mm×全高1720mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1880kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)

燃費性能は圧倒的にRAV4! 郊外モードの燃費差は約7km/L

新型RAV4のエンジンは、先代と同じ2.5L 直列4気筒エンジンだが最高出力が9ps向上。またフロントモーターは最高出力が+16ps、最大トルクが+6Nmとなる136ps/208Nmへと向上している。リヤモーターのスペックは54ps/121Nmでそのままだ。

先代から引き続きスノーモードとトレイルモードが搭載されているが、電子制御ブレーキシステムと駆動制御の連携を高度化し、コーナリング時の姿勢変化抑制に加えて悪路からの脱出性能も高められた。

対するエクストレイルのパワートレインは、1.5Lの直列3気筒可変圧縮ターボエンジンで発電し、最高出力204ps/最大トルク330Nmのフロントモーターと、136ps/195Nmのリヤモーターで駆動する「e-POWER e-4ORCE」だ。

スペックはマイナーチェンジ前と一切変わっていないが、強力な前後モーターの動きを緻密に連携させるエクストレイルは、滑りやすい路面での安定性だけでなく、舗装路での加減速やコーナリング時の滑らかさでも他のクルマとは一線を画す性能を発揮する。

ただし、燃費性能は全速度域でRAV4が勝る。両車のWLTCモード平均燃費は、RAV4が22.5km/L(Z)、エクストレイルは18.1km/L(G e-4ORCE)だ。

モータードライブとなる「e-POWER」は高速域での効率が低下する特性がある。市街地モード燃費の比較は18.5km/Lと15.9km/Lと僅差だが、郊外モードでは27.0km/Lと19.8km/Lにまで差が広がる。

トヨタ RAV4 Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

日産 エクストレイル G e-4ORCE
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1497cc
最高出力=144ps/4400-5000rpm
最大トルク=250Nm/2400-4000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD

最上級グレード同士の比較ならRAV4を選びたい

「RAV4 Z」の新車価格は490万円、「エクストレイル G e-4ORCE」は494万6700円と両車の価格差はごくわずかだ。そのうえ、どちらも最上級グレードだけあって快適装備もしっかり整っており、その充実度も近い。

しかし細部を比べれば、やはりフルモデルチェンジしたばかりの最新車種であるRAV4の方が優位と言える。

RAV4はスマートフォンをキー代わりにできるデジタルキーも利用できるうえ、Zグレードには前席にベンチレーション機能も備わる。この他、新型RAV4には最新機能や装備が多く搭載されている。

また、RAV4は運転支援システムも最新バージョンにアップデートされているのに対し、エクストレイルは据え置きのままだ。エクストレイルには新たに12.3インチのGoogleインフォテインメントシステムが搭載されたが、RAV4にも音声応答の大幅な高速化を果たした12.9インチの自社製システムが備わる。

また車両維持コストについてもRAV4が優秀だ。両車ともコネクテッドカーナビゲーションシステムを使うには、使用料金を負担する必要がある点は共通だが、その費用はRAV4の方が年間あたり1000円程度安い。

排気量1.5Lのエクストレイルは自動車税が安いが、RAV4の優れた燃費性能で相殺されるだろう。長期間かつ長距離を使うほどRAV4の方がコスパ高と言える。加えて、リセールバリューが高いのもRAV4のほうだ。

マイナーチェンジしたエクストレイルからは、価格を抑えつつ良いクルマを提供したい日産の気持ちがよく伝わる。しかし同時にシーケンシャルウインカーや3ゾーンエアコンの廃止などコストダウンの跡も目立ってしまう。

エクストレイルは価格が抑えられたFFグレードや、3列シート仕様が選べる下位グレードの「X」および「X e-4ORCE」の方が、高額化したRAV4に対しての競争力は高いと言えるだろう。最上級グレードとなる「G e-4ORCE」との比較であれば、RAV4の方がおすすめだと言える。

車両本体価格

トヨタ RAV4 Z:490万円

日産 エクストレイル G e-4ORCE:494万6700円