連載

MAZDA3長期レポート

バッテリー上がりは、いつも突然に

−6℃という都内としては厳寒の朝、バッテリーは突然逝ってしまった。

その日は突然やってくる。クルマの外気温度計が−6℃を表示する、東京23区内としては10年に一度と思われる寒い日の朝。大事な用事があったので7時過ぎにクルマに乗り込み、エンジンをかけたらシートヒーターとステアリングヒーターのスイッチを真っ先に入れようと思いつつ、ブルブル震えながら「エンジンスタート」のスイッチを押した。

ところが、キュルキュルブーンという期待した状況にはならず、クゥンクゥンクッ……と弱々しい音がしたかと思うと、ブーンという期待したアイドリング音は響かずに再び静寂が訪れた。

「ん?」

スターターボタンを押してもエンジンはかからず……

30秒ほど待ってもう一度エンジンスタートのボタンを押してみたが、今度は無反応だった。シャンプーボトルのトップを押し下げたのにカスッと空気を吐き出して液体が出てこなかったときのショックに状況は似ているが、ダメージはエンジンがかからなかったときのほうがよっぽど大きいことを実感した。状況からして、いわゆるバッテリー上がりである。

仕方ないので家の中に戻り、こたつで10分くらい暖をとってヨーグルトを食べ、みかんでもむくかと手を伸ばそうとした瞬間に、「そうだ、出かけるんだったんだ」と思い出して腰を上げ(ショックがデカすぎたんだと思う)、バスと電車とタクシーを駆使して午前中の用事を済ませた(余計な出費が発生)。

気を取り直して再トライ。でも、かからず。

暖かくなった(といっても外気温は9℃)午後1時過ぎに再度エンジン始動を試みてみたが、予想どおり無反応(ちょっとは期待した)。お世話になっている販売店に一報を入れたのち、JAFロードサービスに電話した。お願いするのは30年ぶりくらいかもしれない。

コール後すぐにオペレーターさんが出て状況を説明。混雑しているので、到着は90分後くらいになるとの返答。到着の目処が立ったらドライバーから電話させるので、すぐに電話を受け取れる状態でいてほしい旨伝えられる。これでひと安心だ(全幅の信頼)。

ボンネットを開けてまっている……
JAFさん到着。会員になっていてよかった!

ボンネットフードを開けて待機していると、予定の時刻にJAFさんが到着。「最後に乗ったのはいつです?」の問いに、「9日前です」と返答。つづいて、

JAFさん「バッテリー、どのくらい使ってます?」

筆者「4年……8ヵ月ですね」(走行は4万7000km弱)

JAFさん「かなり使ってますね。いつダメになってもおかしくないです」

筆者「2ヵ月前の定期点検で電圧測ったときは問題なかったんですよ」

JAFさん「電圧だけではわからないんですよ。調べてみましょう」

大切なのはCCA。CCAってなに?

筆者のMAZDA3 SKYACTIV-X AWD MTのバッテリーは、上面にバッテリースペックの記載があった。確認すると「20HR 55Ah CCA 355A」とある。ポイントはCCAだ。コールドクランキングアンペア(Cold Cranking Ampere)の頭文字をつなげたもので、数字はエンジンを始動させる能力を示す。JIS規格では「−18℃の環境で放電し、30秒後に7.2Vとなる電流値」と定めている。

335Aなら、−18℃の環境で355Aの定電流放電を30秒間行なっても、7.2V以上のバッテリー電圧を保っておけることを示す。バッテリーテスターで計測してもらったところ、電圧は10.86V(12.5Vは欲しいとのこと。実は2回目の測定で、1回目は7V台だった)、CCAの実測値は182だった。到達率は51%である。それだけ劣化しているということだ。

測ってもらうと……
電圧は10.86V(12.5Vは欲しいとのこと。実は2回目の測定で、1回目は7V台だった)、CCAの実測値は182だった。

JAFさんは慣れたもので、ブースターケーブルをささっとつなぐと、「じゃあ、エンジンかけてください」とひと言。クルマに乗り込み、クラッチを踏んでエンジンスタートボタンを押すと、いつものようにキュルキュルブーンと元気よくエンジンは始動した。JAFさん到着から作業完了まで20分足らずである(感謝)。

手慣れた作業。さすが、である。

エンジン始動後、その足で販売店に向かった。ひと晩預けて充電してもらうか、バッテリーを新品に交換するかの二択を提示されたが、「交換」に心は決まっていた。念のために営業さんの経験談を聞くと、その日一発目は普通に始動したものの、移動先のサービスエリアで休憩した際にエンジンがかからなくなったお客さんを知っているので、劣化したバッテリーは油断ならないと。

そうと聞いては、いや、そうと聞かなくても怖くて仕方ない。バッテリーを調べたメカニックさんの意見も「要交換」だったという。もう今朝のような経験はごめん、仕事に穴を開けたくないし……というわけで、新品への交換をお願いした。いつもなら在庫はあるのだが、あいにくSKYACTIV-X用のバッテリーは午前中に出てしまって……ということでひと晩クルマを預けることになった。

当然だが、交換後は何の苦もなくスムーズにエンジンが始動。12Vバッテリーのありがたみを実感した。手持ちの記録を振り返ってみたところ、前のクルマも、その前のクルマも新車購入後3年目の車検でバッテリーを新品に交換していた。今回はなぜ、交換を見送ったのだろうか……。ケチった?

連載 MAZDA3長期レポート

車の知識 2026.01.26

その日は突然やってくる。バッテリーの突然死の兆候は電圧を測っただけではわからない。ポイントは「CCA」

MAZDA3ファストバック 2024.06.19

SKYACTIV-X搭載のMAZDA3、3年3万2000kmで車検。燃費、費用、フィーリングはどう?

MAZDA3ファストバック 2023.05.07

納車後2年、いろいろアップデート。Apple Watchと連携も(持ってないけど)MAZDA3長期レポート

MAZDA3ファストバック 2022.12.16

MAZDA3 e-SKYACTIV-X 購入から1年半、ごく細かい困りごとはあれど、おおむね満足

MAZDA3ファストバック 2022.06.27

マツダSKYACTIV-Xは進化し続けているか? X搭載のMAZDA3 4WDの6MTと6ATを徹底試乗

MAZDA3ファストバック 2022.06.26

e-SKYACTIV Xを身近に 16インチタイヤ&お手頃価格を実現したMAZDA3 X Smart Editionを試乗