新型レクサス ISは現代的な内外装にリニューアル




新型レクサス ISはフロントバンパーデザインが刷新され、リヤには大型化されたスポイラーが備わりスポーティな雰囲気がさらに強められた。そのほか、トランクリッドのエンブレムがレクサスマークからタイポグラフィに変更されたほか、ボディ各部の段差をなくして空力特性を向上させるなど、既存のボディ骨格を活かしつつ鮮度を維持している。
内装も現代的なデザインに改められており、メーターおよびインフォテインメントディスプレイは12.3インチに大型化し、各部には竹繊維を用いた加飾をアクセントとして追加。F SPORTの内装色はブラックとホワイトに加え、太陽の紅炎をイメージしたプロミネンス(レッド)が新しく設定された。
ISは全長が10mm延長されたのみでボディサイズに大きな変更はない。全長はスカイラインの方が90mmほど長いが、全幅はISの方が20mm広く設計されている。刷新されたバンパーデザインも相まって、ISの方が数値以上にワイド・アンド・ローな佇まいに見える。
後席の広さは概ね同等だが、ISはルーフが強く後傾しているため、後席の頭上空間と乗降性はスカイラインの方がわずかに優れている。
トランクルームの容量はスカイラインの方が広く、9インチのゴルフバッグが4個収まる510リットルを確保。対するISのトランク容量は、ハイブリッドバッテリーを収める関係で342リットルにとどまり、100Vコンセント・オプションを装着した場合は293リットルまで狭くなる。
ただし、開口幅はISの方が広く確保されており、大きな荷物は積みやすい。どちらも後席の背もたれを前倒しして荷室を広げられるトランクスルー機構が備わっている点は共通だ。
レクサス IS “F SPORT”
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1840mm×全高1435mm
ホイールベース=2800mm
車両重量=1710kg
タイヤサイズ=235/40R19(前後)
日産 スカイライン 400R
ボディサイズ=全長4810mm×全幅1820mm×全高1440mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1760kg
タイヤサイズ=245/40RF19(前後)
405psのスカイライン400Rは圧巻の加速性能


パワートレインのバリエーションが段階的に絞られてきたISは、今回の改良でもラインナップが拡充されることはなく、新型は2.5L 直列4気筒ハイブリッドエンジンを搭載したIS300hのみの設定となる。駆動方式もFRのみだ。
エンジンやモーターのスペックにも変更はなく、最高出力178psのエンジンに143psの駆動モーターが組み合わされ、システム出力は約226psを発揮する。
対するスカイライン400Rは、最高出力405ps、最大トルク475Nmを発揮する3.0L V型6気筒ツインターボエンジンを搭載しており動力性能には歴然とした差がある。一方で、燃費性能はISの方が圧倒的に優れている。ISのWLTCモード平均燃費は17.6km/Lであるのに対し、スカイライン400Rは10.0km/Lだ。
新型ISはパワートレインに変更はないが、シャシー性能は大きく引き上げられた。スポット溶接の打点追加や構造用接着剤によるボディ剛性の強化に加え、パワーステアリング機構をほぼ丸ごと刷新。さらに電子制御サスペンションダンパーは、リニアソレノイド式に変更されたことで、より緻密な減衰応答性を獲得している。
これらの改良により、ISは従来以上にリニアで質感の高いハンドリングが与えられたほか、吸音材の追加によって静粛性も増した。
スカイライン400Rにも電子制御ダンパーが備わり、パワーステアリングにはフライ・バイ・ワイヤ方式の“ダイレクト・アダプティブ・ステアリング”といった高度な技術が投入されている。しかしサイドウォールが硬く、重量もあるランフラットタイヤの乗り心地や、物理的に切り離されたステアリング機構の操舵フィーリングには、違和感を覚える人も少なくないかもしれない。
スカイライン400Rは、高速域での安全性やゆとりを重視したグランドツーリングセダンといった性格であるのに対し、シャシーの改良を受けた新型ISはスポーツセダンらしい性格を強めたと言ってよいだろう。
レクサス IS “F SPORT”
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2493cc
最高出力=178ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/4200-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FR)
日産 スカイライン 400R
エンジン形式=V型6気筒ガソリンツインターボエンジン
排気量=2997cc
最高出力=405ps/6400rpm
最大トルク=475Nm/1600-5200rpm
トランスミッション=7速AT
駆動方式=2WD(FR)
改良で鮮度を保ち続けるISと、古さが隠しきれなくなってきたスカイライン


新車価格はレクサス IS300h F SPORTが635万円、日産 スカイライン400Rは649万5500円と僅差だ。
ISは今回の改良で安全機能も拡充されている。衝突被害軽減ブレーキは、夜間の自転車および昼間の二輪車検知に対応したことに加え、高度運転支援技術である“アドバンスト ドライブ”も追加された。もちろん価格も上昇しているが、性能向上に見合う値上げ幅と言えるだろう。
スカイライン400Rも2019年の登場当初から60万円ほど値上げされており、車格や装備を考慮すれば、どちらも現在の市場における標準的な価格と言える。
ただし、現行型スカイライン自体が登場から時間が経過しているうえ、ISのように抜本的な改良を受けていないこともあり、内外装デザインや安全装備では新型ISに一歩譲る形となる。
しかし、高出力V6エンジンを搭載するFRとしてスカイライン400Rは極めて希少な存在だ。新型ISでは選択できなくなってしまった本革スポーツシートが備わっている点もスカイライン400Rのアドバンテージと言えるだろう。しかし、新型ISと比較すると、どうしても各部の古さが目立ってしまうのもまた事実だ。
車両本体価格
レクサス IS “F SPORT”:635万円
日産 スカイライン 400R:649万5500円
