伝統のボクサーを纏い、Bobberへと昇華したR12限定版

BMWは、国内限定40台の特別モデル「R12 LIMITED EDITION」の販売を全国のBMW Motorrad正規ディーラーで開始した。R12はヘリテイジ・セグメントに属するBMW Motorradの新たなクルーザーモデルとして2024年にデビューしたモデルである。伝統的な空油冷水平対向2気筒エンジンとシャフト・ドライブを採用し、古典的ボクサーサウンドと現代的な走行性能を両立する本格派だ。

R nineTシリーズのコンセプトを受け継ぎながら、新設計フレーム、刷新されたエンジン・マネジメント、シフト・アシスタントProの搭載、環境規制対応など進化を果たしたモデルとして注目を集めている。これにより、フロント19インチ/リア16インチという新たなディメンションと745mmという低いシート高を実現し、乗り味と扱いやすさを両立しているのがR 12の基本骨格である。加えて自由度の高いカスタム性を持つこともR 12の魅力であり、今回のLIMITED EDITIONはそのカスタムDNAを特別装備によって具現化した一台と言える。

Bobberスタイルで深化したヘリテイジ・ルック

R12 LIMITED EDITIONは、Bobberスタイルへのアプローチが最大の特徴だ。Bobberはカスタムシーンで根強い人気を持つスタイリング表現であり、主にリア周りのミニマル化やシルエットの強調によって軽快感と存在感を際立たせるものだ。本モデルでは「リア・クロージャーBobber」キットが装着され、リア・フェンダーの位置や形状を変更し、ファイナル・ドライブ・マウントに装着されるナンバープレート・ホルダーが大胆なタイヤ露出を演出する。これによってリアビューは力強さと軽快感が同居するBobber的な表情へと変貌した。

また、特徴的なトースター・タンクにはゴールドのダブル・ピン・ストライプを採用し、クラシック感を演出すると同時にモダンな雰囲気も併せ持つビジュアルにまとめられている。さらにコックピット回りはドラッグ・ハンドル・バーを採用することで前傾姿勢を強調し、Option719のハンドルバー・エンドミラーShadowによって精悍さが加えられた。これらの外観演出により、伝統ボクサーがBobberの美意識と融合した特別な一台となっている。

限定の証としての装備と演出

R12 LIMITED EDITIONには限定車としての個性を際立たせる多数の専用装備が備わる。前後ホイールにはゴールドアルマイトが印象的なOption 719ホイールClassic IIを装着し、視覚的な質感を高めるとともにBobberスタイルを強調する役割を果たす。ハンドルまわりのOption 719ハンドルバー・エンドミラーShadowはブラック基調の精緻な質感を演出し、ドラッグ・ハンドル・バーとの組み合わせによってコックピット全体が特別な佇まいに仕上がっている。

さらにエンジン・クランクケースには限定車の証として「LIMITED EDITION」デカールが追加され、オリジナリティを主張するディテールとなっている。これらの装備は単なる装飾ではなくR12というプラットフォームに対してBobberスタイルを成立させるための重要な構成要素であり、オーナーの所有満足を高める要素となっている。

価格・保証・ユーザーへのメッセージ

R12 LIMITED EDITIONの国内希望小売価格は260万3000円となる(消費税込)。標準装備としてETC2.0車載器が付帯し、さらに3年保証が設定されることで、購入後の安心感にも配慮された仕様となっている。国内限定40台という希少性はBMWファンやカスタム嗜好の強いライダーにとって高い魅力となるだろう。

この限定モデルは日本の正規ディーラーを通じた国内分のみであり、他国向け販売台数は含まない。希少性と特別感が強調されることで、コレクターズアイテムとしての価値も期待される。こうした取り組みはBMW Motorradが伝統的価値とユーザーの個性を大切にする姿勢を示すものであり、ヘリテイジモデルの新たな方向性を提示する一例として評価できる。R12 LIMITED EDITIONはBMWモトラッドのDNAを受け継ぎつつ、個性と存在感を追求するライダーへ向けたモーターサイクル文化の一翼として位置付けられている。