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今日は何の日?■ワゴンRをベースにした精悍な個性のスティングレー登場

2007(平成19)年2月5日、スズキは人気の3代目「ワゴンR」の派生車として「ワゴンR・スティングレー」を発売した。“クールフェイス ワゴンR”をデザインコンセプトに、精悍かつ力強い印象のスタイリングと、黒を基調とした質感が高いインテリアが特徴だ。
軽ハイトワゴンという新たな軽ジャンルを開拓したワゴンR

軽ハイトワゴンのパイオニアであるスズキ「ワゴンR」は、1993年9月に誕生。車高をセダン「アルト」より215mm高い1640mm(標準グレード)に上げ、さらにホイールベースをクラス最大の2335mmに延長し、従来の軽自動車になかった圧倒的なサイズ感、室内スペースを実現した。

スタイリングは、ボクシーな2ボックスで右側1ドア、左側2ドアの個性的な左右非対称の3ドアを装備。パワートレインは、最高出力55psを発揮する660cc 直3 SOHCエンジンと5速MTおよび3速ATの組み合わせ。1995年には64psのインタークーラーターボモデルも追加され、ワゴンRは発売から3年2ヶ月の1996年に累計販売台数50万台を達成する大ヒットモデルとなった。

ワゴンRに続いて、ダイハツ「ムーヴ(1995年~)」、ホンダ「ライフ(1997年~)」、三菱「トッポBJ(1998年~)」が追従し、現在も続いているハイトワゴンブームが巻き起こったのだ。
キープコンセプトで初代の魅力を継承した2代目

1998年10月、ワゴンRは初めてのモデルチェンジで2代目に移行した。大人気となった初代のキープコンセプトで、1998年10月の軽自動車規格改定に対応してボディを拡大、ファミリー志向を追求した丸みを帯びた質感の高いスタイリングに変更された。

初代のストロングポイントである使い勝手の良さに磨きをかけ、ボディサイズの拡大で得た余裕分を安全性と走りに振り分け、内外装の質感を大幅に引き上げることで2代目の特徴をアピールした。
標準シリーズとスポーティなRRシリーズで構成され、それに合わせたエンジンも、RR用の最高出力64psを発揮する660cc 直3 SOHCインタークーラーターボを筆頭に4種が用意された。
2代目ワゴンRも引き続き爆発的な人気を誇った。
乗り心地と走りに磨きをかけた3代目

2003年9月に、3代目ワゴンRにフルモデルチェンジした。“さまざまなユーザー、さまざまな使用シーンに対応した万能型ワゴン”をコンセプトに開発され、2代目よりも初代に近い直線的なデザインに戻った。

新しいプラットフォームに一新され、新たに開発されたサスペンションや車体構造により、当時の軽自動車でトップクラスの乗り心地と走行性能が実現された。
室内空間をさらに広げ、安全性能も多く搭載し歩行者保護にも配慮した構造となった。エンジンは軽自動車初となる直噴ターボエンジンを採用するなど、先代と同じように多彩なラインナップが用意された。
3代目にスティングレーが追加

2007年2月のこの日、3代目ワゴンRに“クールフェイス ワゴンR”をデザインコンセプトとした派生車「ワゴンRスティングレー」が追加された。キャッチコピーは、“顔で戦え、目で挑め”とされ、精悍かつ力強い印象のスタイリングと黒を基調とした質感の高いインテリアが特徴だった。

スタイリングは、横長のシースルータイプのフロントグリルとディスチャージヘッドランプを横一線に配備し、先端を高くしたボンネット、クリアタイプのリアランプなど、ベースのワゴンRとは全く印象の異なる精悍かつスポーティさが演出された。インテリアは、黒色基調で統一され、メーターベゼルとエアコンルーバーに高級感あるブラックメッキによって若々しさが強調された。

3種のエンジンによって3グレードに分けられ、最高出力54ps/最大トルク6.4kgmを発揮する660cc直3 DOHC VVTエンジンを搭載するグレード“X”、60ps/8.5kgmのDOHCインタークーターボエンジンのグレード“T”、64ps/10.5kgmの直噴インタークーターボエンジンのグレード“DI”で構成された。
車両価格は、2WDで116.55万円(X)/127.05万円(T)/149.1万円(DI)、4WD仕様はそれぞれ11.76万円高額だった。
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ファミリー層に人気のワゴンRに対して、スタイリッシュさと走りに特化したスティングレーを追加することで、スズキとしてはより幅広いファン層を獲得するという狙いがあったのだろう。新たなモデルでなく、ベースのワゴンRの魅力を維持しつつ、スポーティさや精悍さを付加するという、コストを抑えたクルマづくりである。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
