
2025年はプリンスR380のスタイルを忠実に再現したRocky380を展示して大いに話題となったロッキーオート。以前から古いスカイラインやフェアレディZにRBエンジンを移植することで車両製作のノウハウを重ねてきただけあり、Rocky380の完成度は非常に高かった。だから2026年も何か度肝を抜くような車両を展示してくれるのではないかと想像していたのだが、ブースへ行くと原点回帰のようにS30フェアレディZが展示されていた。

またRBエンジン搭載車を持ち込んだのかと疑問に思いながら近づくと、開かれていたエンジンルームにはRBより新しく、さらには直列6気筒ではなくV型6気筒のVQエンジンが鎮座していた。S30フェアレディZや古いスカイラインといえば直6エンジンの味わいが大きな魅力でもあるわけだが、まさかのVQエンジン。とはいえRBエンジンも生産されていた時期は2000年代初頭までであり、もはや20年以上前のもの。そろそろ代替案が出てきてもおかしくない時期だ。

そこでロッキーオートが選んだのがVQエンジンだったというわけだろう。選ばれたのはZ33フェアレディZに搭載されていたVQ35DE型。Z33といえば発売当初から280psを発生したが、最終モデルに近いバージョンニスモでは313psを達成していた。素の状態でも十分以上にハイパワーなのだが、1トン前後しかない初代S30フェアレディZに対しては十分すぎるほどだ。

しかもVQエンジンを搭載するにあたり、ロッキーオートではECUはマフラー変更などにより380.7psにまでパワーアップさせている。ちょっとしたモンスターぶりを窺わせる性能であり、とはいえVQエンジンなので乗りやすさも手に入る。ただ、S30のままのボディにはハイパワーすぎて全開にすることは躊躇われる。そこでロッキーオート得意のボディ補強が随所に施されている。

フロントではフェンダー内を貫通するように補強パイプが走りキャビン付近で溶接される。さらにストラット付近から前方にかけても補強パイプが走り、ストラットはオリジナル製作された車高調サスペンションが組み合わされている。以前に何度かロッキーオートがハイパワー化させたS30やハコスカ、ケンメリに乗せていただいたことがある。その経験から補強については十分以上の剛性が確保されていると感じられた。

フロントだけでなくリヤにも補強パイプが溶接されている。リヤのストラットは左右だけでなく縦、さらに斜めにパイプが加わり強烈なトラクションにも対応させていることがわかる。さらに室内にもロールケージが追加されているので、チューニングカーに乗り慣れていない人でも普通に運転することが可能なことだろう。


室内を見てみると、なんとZ33フェアレディZのインパネがステアリングホイールごと移植されている。なぜこうされたかといえば、エンジン・ミッションや制御系をごっそり移植するため、操作系も合わせて移植することで快適装備がそのまま使えることになるからだ。当然のようにオートエアコンやパワーステアリングが使えるだけでなくカーナビやオーディオまで新しくなるということだ。

直6エンジンとは異なる味わいとなることだろうVQエンジン仕様のS30Z。どのような乗り味なのか気になるところだが、ロッキーオートではこの個体を販売してくれる。価格はASKではあるものの、RBエンジンとは違う新たなロッキー基準になるかもしれないことを考えるとファンなら味わいたいことだろう。なお、ロッキーオートは完全予約制のためフラリと来店しても対応できないことから事前の問い合わせが必要だ。
