
東京オートサロン2025でも紹介したスターロードによるS30フェアレディZ用アルミボディの開発。その時の記事でも触れているが、このアルミ製パネルの製作には自動車メーカーの試作などを行う矢作産業が担当している。素材がアルミであるためスチールよりも強度を出すために純正とは異なる内部設計が必要。以前の記事でも紹介しているので、参照してほしいが最新技術によりアルミ素材によるS30Z用パネルが製作された。

前回はボンネットとフロントフェンダー、ドアとカウルトップが装着された状態での展示だった。いずれも純正より軽量でありながら強度は高くなっていることも特徴。その時会場にいた井上社長に「どうせなら全部アルミにしては?」と聞いたときにはニヤリとされただけだった。だから2026年の会場で目にした時は「やっぱり!」と伝えることになった。

フロントフェンダーやドア、ボンネットなどはベースのS30に組み付けるのに、それほど苦労はない。ところが今回製作されたルーフパネルやリヤクオーターパネルとなると、そう誰もができることではない。いかにスターロードがレストアに長けていても、本業の合間にこれだけの大仕事をやる時間はないことだろう。そこで協力に名乗り出たのが長野県の郷田板金だった。同社では今回、オートザムAZ-1にワイドフェンダーを装着しつつロータリーエンジンを横置きでスワップする車両を展示した。社名の通りで郷田板金は板金塗装専門の工場であり、今回のAZ-1のような車両製作は駒場社長の趣味のようなもの。だからS30にアルミボディを組み合わせる作業も、駒場社長のノリで行ったのだろう。

さすがに本職だけあり、完成度の高さだけでなく作業時間が長引くこともなかった。作業としてはベースになったS30からリヤクオーターパネルをルーフパネルごと除去して、新たに製作されたアルミパネルを組み付けることになる。フレームが別体になる車両であれば比較的簡単な作業といえるが、S30Zはモノコックボディであるから本職といえど苦労されたはず。だが展示された実車を見ても違和感はゼロ。知り合いの業者はアルミボディのS30が搬入される様子を見て「ラッピングかなぁ」と思ったそうで、それほど完成度は高い。

2025年に展示されたときは純正ホイールのままだった足まわりにも手が入っていた。前後ともスターロード製の30段調整式車高調サスペンションキットとされ、当然ホイールは同社製グロースターを履かせている。さらにフロントのデザインは同社製ボディキットと同じデザインとされ、純正とは一味違うスタイルとされた。

このアルミボディは日本の技術により完成したものなので、海外製にありがちなフィッティングの問題などもない。また純正ボディより剛性が高いうえに軽量化が実現できる。さらにアルミ製なのでサビによる腐食の心配もなくなる。今後、S30フェアレディZをレストアするなら、検討に値するパネルの登場といえるだろう。
