黄色い光は悪天候に強い!

フランスでは長らくイエローバルブの使用が義務だった。現在は一般的な白色バルブが標準となっている。

黄色い光を放つヘッドライトが悪天候に強い理由は、光の色温度を示すケルビン(K)と、光の波長が大きく関係している。

一般的な純正ヘッドライトバルブの色温度は6000K程度の淡白色であるのに対し、イエローバルブは3000K前後だ。そして、光は赤色に近いほど波長が長くなり、紫に近くなるほど波長は短くなる。

白色光のように波長が短い光ほど空気中の水滴や霧といった微粒子に干渉しやすく、乱反射した散乱光によって視界を白く曇らせてしまいやすい。一方で、波長の長い黄色い光は微粒子の間をすり抜けるように直進するため乱反射が起きづらい。

こうした特性により、白い光では前方が見えにくくなる濃霧や激しい吹雪などの状況下でも、黄色い光なら路面の凹凸や境界線をより鮮明に視認できる。

その有用性から、かつてのフランスではイエローバルブの装着が義務付けられていたほどだ。悪天候時の視認性を最優するのであれば、黄色いヘッドライトは極めて合理的と言えるだろう。

現在のクルマはイエローのヘッドライトバルブが装着禁止

黄色い光が悪天候に強いのは間違いない。しかし、総合的な観点を踏まえると白色光のヘッドライトが最適解と言えそうだ。

道路運送車両の保安基準の改正により、2006年1月1日以降に製造されたクルマはヘッドライトにイエローバルブを装着することが禁止されており、車検にも通らない。ただし、それ以前に製造されたクルマならイエローバルブを装着しても問題はない。

このようにヘッドライトの基準が改められた理由は、国際基準への適合が背景にある。フランスが1993年にイエローバルブの装着義務を廃止したことで、欧州では白色のヘッドライトが標準となった。欧州の習わしを中心とした世界基準との共通化を推進している日本はそれに倣ったかたちだ。

また現在は、白色光の方がより幅広い観点でメリットが多いと認識されている。黄色よりも白色のほうが太陽光に近いため、夜間の標識や歩行者の衣服の色をより正確に判別できることが理由のひとつにある。

加えて黄色のハロゲンバルブは、白色の光に黄色のフィルターを通すことで光色を作っているため20%前後の光量が失われる。エネルギーロスなく100%の光を照射できる白色光の方が、純粋な明るさの観点では優位だ。

識別性の統一も理由と言えるだろう。黄色の光はウインカーの橙色と見分けづらく、クルマの動きが予測しづらくなってしまう。白色光への統一が促されたのは、交通全体の視認性と安全性を高める狙いがある。

フォグランプでなら新車でもイエローバルブが使用可能

2006年1月1日以降に製造されたクルマであっても、フォグランプであればイエローバルブが合法的に装着可能だ。

ヘッドライトよりも低い位置に取り付けられるフォグランプに関しては、車両年式を問わずイエローバルブの装着が認められている。

黄色のヘッドライトバルブを選択できない比較的新しいクルマで悪天候時の視認性を補いたいなら、黄色のフォグランプへと交換するのがよいだろう。LEDバルブを採用したフォグランプであれば光色自体が黄色であるため、ハロゲンバルブのような光量ロスも起きない。

しかしLEDの光は輻射熱が小さく、吹雪に際しては灯体に付着した雪が溶けず、光源が覆われてしまい役に立たなくなりがちだ。

黄色のLEDフォグランプは霧には有効だが、雪に対しては脆弱と言わざるを得ない。そのため、降雪量が多い地域では発光の熱によって雪を溶かせるハロゲンバルブが今でも人気を集めている。

ただし波長の特性上、対向車から見た黄色い光は白色よりも眩しく感じられる場合がある。悪天候時以外でのフォグランプ使用や消し忘れにはくれぐれも注意が必要だ。