MT専用グレードになった「RS」にも要注目
ホンダを四輪車メーカーとして飛躍させるきっかけとなったのが、1967年に発売したN360。そのデザインをモチーフに、現代技術で蘇らせたのがN-ONEだ。現在のモデルは20年にフルモデルチェンジした2代目となる。特徴は、プレミアムコンパクトカー同等のクオリティ。それは内外装の質感だけでなく、操縦安定性や乗り心地、車内の静かさなど、性能面にも及んでいる。
25年11月には一部改良が行われ、メーターパネルをフル液晶化するなど、さらに商品力を強化。その際に、安全関連の装備も進化させている。まず、リアだけだったパーキングセンサーをフロントバンパーにも装備し、“近距離衝突軽減ブレーキ”機能を追加して誤操作に対する安全性を向上。加えて、事故の際に被害拡大を防ぐ“衝突後ブレーキシステム”も標準装備化。エアバッグセンサーが衝突を検知すると、自動的にブレーキを作動させてクルマの移動を抑制。対向車線へのはみ出しや路外逸脱を防ぎ、二次被害を抑制する。
グレード構成も見直されており、特別仕様車は「スタイル+アーバン」から「クラフトスタイル」にバトンタッチ。イメージしたのは北欧の世界観で、外装はフロントグリルにメッキを施したほか、ホワイトの差し色を配置。内装にはトープ(灰褐色)の木目調パネル使用し、温かみのある雰囲気を演出している。
上級グレード「プレミアム」のターボエンジン搭載車「プレミアムツアラー」は、シート生地にプライムスムースを使用して上質感を向上。テールゲートスポイラーも標準装備された。
また、スポーツグレードの「RS」は、フロントシートに合成皮革のウルトラスエードを採用。赤いステッチで縫製し、「RS」のロゴを刺繍することで、所有する歓びを高めた。しかもCVTを廃止して6速MT専用モデルとし、特別感を強調。MTはS660のギアユニットをベースとしており、2速にはダブルコーンシンクロを3速にはカーボンシンクロを採用したものだ。ラットフォームには高粘度接着剤を使用して細かい振動を抑制したり、吸遮音材を多用して室内の静かさを高めたりして質感を向上。エンジンには自然吸気とターボが用意されるが、前者は可変バルブタイミング&リフト機構の“VTEC”を搭載しており、660㏄自然吸気最強の58PSを発生。後者は電動ウェイストゲートバルブを使用し、ターボラグを感じさせることなく、リッターカー以上の力強さを発揮する。エンジンマウントには液体封入式を採用するため、3気筒エンジンにありがちな振動も感じない。
サスペンションのチューニングはグレード別に作り分けており、自然吸気エンジン搭載車は乗り心地重視、ターボエンジンを搭載する「プレミアムツアラー」はスポーティ路線。さらに「RS」は、パワーステアリングの制御も専用チューニングしており、意のままに操れる操縦性能としている。


自然吸気エンジンでも低速トルクがしっかりしており、高速道路の追い越し加速を除けば動力性能は十分。イメージが合えば特別仕様車「CRAFT STYLE」はおすすめだ。「RS」を選ぶなら、“無限”の空力パーツも要チェック。

- リアドアの開き方:スイングドア
- 最小回転半径:4.5m(「Premium Tourer」、「RS」、4WD車は4.8m)
- 全高:1545mm(4WD車は1570㎜)


乗員の事だけを考えた、ミニマルをテーマとしたデザイン。シンプルなことで室内の広さを強調でき、窮屈感のないくつろげるスペースを実現している。シートやステアリング、セレクトレバーの表皮素材に違いがあるのが上位グレードとの識別点。



荷室は可能な限り奥行きを持たせ、使い勝手の良い十分なスペースを確保。床下収納も備え整理しやすい。後席は左右分割で背もたれが倒せることはもちろん、座面を跳ね上げることで100㎝以上の高さのある積載スペースが出現する。

2025年11月の一部改良により、全グレードに前方パーキングセンサーが搭載された。街乗り用途の多いクルマだけに、頻繁に訪れる狭い場所での駐車時の安全性を高めている。

全車に装備されるフル液晶メーター。先進的なデザインで、高い視認性を実現する。「RS」では専用表示となり、バータイプのタコメーターとシフトランプをはじめ、走行時のGやブースト圧の表示まで、レーシングを意識させるデザインが採用される。




MT専用モデルとなり、シフトレバーの存在が特徴的な「RS」。ステアリングには、操作性を重視した本革仕様が備わる。ガーニッシュはカーボン調となるうえに、レッドの差し色で高揚感を掻き立てる。シート表皮もウルトラスエード製で、ステッチと刺繍も専用となる。

レッドのシフトパターンが刻まれたシフトノブ。アルミ材をベースにレザー巻きで仕上げられ、良好な触り心地と高い操作性を実現している。


S660ベースのMTミッションだけあり、シフトフィールの良さも特徴だ。クラッチ操作系にはダンパーとピークトルクリミッターを装備。MTならではの難しさを軽減し、スムーズな走りを実現している。
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※本稿は、モーターファン別冊 「最新軽自動車カタログ2026」の再構成です。




