凍結と変質に注意したい「飲料」「食品」「薬品」「化粧品」

凍結で破裂した瓶は片付けの際に怪我の元となる。ビールは凍結すると破裂の恐れがあるうえ味も落ちる。箱買いしたビールは面倒でも、すぐにクルマから運び出すようにしよう。

第一に注意すべきは飲料などが入った瓶や、炭酸飲料の缶だ。液体は凍結すると体積が膨張するため、容器が内圧に耐えきれず破裂する恐れがある。中身が飛散すれば車内の清掃は困難を極めることになるだろう。

保存が利く缶詰やレトルト食品についても、凍結により中身が膨張して密封が保てなくなる恐れがある。そのうえ、長期保管では凍結と解凍が繰り返されることで食感や風味が損なわれやすい。

卵の置き忘れにも注意しよう。生卵を冬の車内に放置すると凍結して殻が割れることがある。殻の割れ目からは雑菌が混入しやすく解凍時に繁殖する。もちろん、それを食べれば健康を損なう結果になる。

薬品や化粧品も、極端な低温下に置くことは避けるべきだ。とくにタンパク製剤や液体薬は凍結すると成分が分離し、変質を起こす。たとえ凍結せずとも極端な低温は薬品の化学変化を招きやすく、本来の効果が失われる恐れがある。目薬は車内に置き忘れやすい薬品の筆頭と言えるだろう。

これは錠剤やカプセル剤であっても同様だ。一般的な錠剤の多くは1〜30℃程度の室温での保管が想定されている。それに加え、冷え切った錠剤を暖かい室内や車内に戻した際に結露が起こり、湿気によって錠剤の変質や変形が起こる可能性が高い。

とくに薬品の変質は肌や健康トラブルの原因にもなりかねないため、冬であっても降車時には必ず持ち出すように心がけたい。

収縮と膨張で破損しやすい「精密機器」「木工製品」それに「メガネ」

スマートフォンのほか、ボールペンや万年筆も車内に置き忘れしやすいアイテムであり、インクが凍って膨張し破損する恐れがある。冬であっても高価な物や大切な物は放置しないように注意しよう。

冬の車内に電子機器を放置すると故障の原因となりやすいため、スマートフォンやノートパソコンなどを車内に残すことも避けるべきだ。

こうした機器に多く搭載されているリチウムイオンバッテリーは低温に弱く、急激な電圧低下や動作不良を招く。とくに低温状態のまま充電をすると、バッテリー内部でショートを起こし、不可逆的なバッテリー性能の低下や発火事故につながる恐れがある。

また電子機器全般に言えることだが、冷え切った機器を暖かい室内に持ち込んだ際に発生する結露は内部基板のショートを引き起こし故障の原因となりやすい。

木工製品の放置にも注意しよう。木材は低温と乾燥によって収縮し、ひび割れや歪みが生じる。さらに、冷え切った木工製品を急に暖かい部屋へ持ち込むと、結露や膨張により、反りや割れ、接着剤の剥がれなどの破損を招きやすい。とくにギターやバイオリンなどの木製楽器は致命的なダメージを負ってしまうだろう。

車内に放置されやすい筆頭はメガネだ。とくにプラスチックレンズのメガネは低温下で著しく収縮し、表面に細かなひび割れが生じてしまう恐れがある。耐候性が高いガラスレンズのメガネであれば幾分安心だが、急激な温度変化を与えると割れてしまいやすい。

短時間でも「ペット」の車内放置は厳禁

冬の車内は、思いのほか早く冷え込む。灼熱となる夏場の車内とは異なるリスクが潜んでいるため、ペットはもちろん不必要なものは車内に放置しないように心がけよう。

車内温度が氷点下まで下がる環境でなくとも、ペットの放置は避けるべきだ。金属の壁と大きなガラス面積を持つクルマは、暖房を切った直後から室温が急速に下がり続け、おおよそ3時間程度で外気温と変わらない温度まで下がる。風があると車内温度が下がり切るまでの時間はさらに短くなる。

どんどん下がり続ける車内温度はペットのストレスになるほか、低温下での長時間の放置によりペットが低体温症を招く危険性が高まる。たとえ数十分程度の短い時間であっても、冬の車内への放置はペットの健康に関わるため、必ず連れ出すようにしよう。

エンジンを停止したあとの冬の車内温度は、外気温の低下に加えて風や太陽光の当たり具合でも刻々と変化するため、精密機器や食品などの保管場所には適さず、ペットにとっても過ごしやすい環境ではない。

クルマを離れる際は、車内に取り残されたものがないかチェックを心がけ、忘れ物に気づいたら寒くて億劫でも速やかに取りに戻りたい。