
自動車のドライブレコーダーは普及率が50%以上と言われている。対してバイク(二輪車)への普及率はまだまだこれからというのが現状だ。写真はミラー一体型のドライブレコーダー。

先生(右):損 保太郎
某損保サービスセンターに勤務。今回は非接触事故にあった時の押えるべきポイントをレクチャー。
生徒(左):モン太
事故は未経験。最近は二輪用のドライブレコーダーが気になっている。今回も教えて!保太郎さん!
相手に当たっていなくても賠償請求は可能!
モン太 路地から出てきたクルマにビックリして転倒した場合って、「単独事故」になってしまうモンか?
損 保太郎(以下 保太郎) 結果的にクルマとぶつからなかったとしても、その事故とクルマの動きに因果関係が認められれば単独事故とはならないよ。この形態は「非接触事故」とか「誘因事故」と呼ばれていて、通常の過失割合がつく事故となる。ただし、バイクの避け方に問題があった場合は、バイク側の過失割合が高く(10~20%)とられてしまうこともあるよ。
モン太 へ~そうなんだモンね。通常の事故として扱われるのは知らなかったモン。
保太郎 相手のクルマに驚いてパニックブレーキ→タイヤがロック→転倒!が一番多いケースなんだけど、特に路面が滑りやすい雨天時や冬季、マンホールや交差点近辺のぺイントで滑って転倒ということが多いね。クルマが急に飛び出してきても安心して減速やブレーキ操作を行える速度で走ることが前提だけど……。最近採用が進んでいるABS付きならベターだね。
モン太 けれど相手のドライバーからしたら「当たってないから関係ない」とか思って立ち去ってしまいそうだモン。みんなそんなに素直に対応してくれるモンなのかな~?
保太郎 実際にそういう人もいるよ。悪意がなくても、事故に気付かず立ち去ってしまうケースもあるしね。バイクのライダーが怪我をしているにも関わらず現場を離れてしまえば救護義務違反(ひき逃げ)になるからね。クルマを運転する時にも注意が必要だよ。
警察への届け出は必須!忘れないうちにメモも!
モン太 非接触事故でも損害賠償請求ができることはわかったモン。では実際に事故に遭った時はどうしたらいいモンか?
保太郎 非接触事故の場合は賠償請求することはできるんだけど、賠償義務者がわからなくなってしまうことと、クルマのドライバーが正当な過失を認めにくいことがしばしば問題になる。さっきも話したけど、ドライバーが立ち去ってしまうケースもあるし、止まってくれたとしても、バイクが勝手に転んだんだと思っている場合も少なくない。
通常の事故であれば、クルマやバイクの傷から事故の状況が推定できるんだけど、非接触事故の場合はクルマが無傷でバイクは転倒傷しか付いてないことが多いからそこが難しい。だから必ず警察に届け出をするように! 警察官が周囲の防犯カメラや目撃者などを確認してくれたりするからね。事故の状況も記録に残るし、場合によっては立ち去ったドライバーを特定してくれることもある。ナンバープレートが確認できる場合は忘れないようにメモを取っておくのも大事だ。車種や色がわかる場合も忘れないうちに記録しておこう。さらに言えば事故状況が争いになることも多いから、記憶が新しいうちに事故の状況を簡単に音声や絵で残しておくといいよ。他にも転倒した場合はタイヤのスリップ痕や、バイクが路面を滑っていったような場合は、ステップやアクスルシャフトが路面を削った跡が残っているのでその位置や長さもメモや撮影をしておこう。これら痕跡は時間の経過とともに消えてしまい確認できなくなってしまうからね。
モン太 いずれにしても相手ドライバーの加害者意識が低いことが問題になることが多いんだモンな。
保太郎 そうだね。最近だとクルマのドライブレコーダーの普及率は50%を超えていると言われるけど、バイクの場合はドライブレコーダーの映像が出てくることはまだまだ少ない。こんなリスクに備えるためにはドライブレコーダーを装着することを考えてもいいかも。結局自分の身を守るのは自分しかいないからね。
モン太 なるほど~。ドライブレコーダーの導入も検討するモン。
保太郎 そうだね。非接触事故はいくら証拠を集めても感情的な部分から、スムーズに解決しないことも多いんだ。話し合いで解決できない場合は弁護士に相談して交渉を任せるのも手だよ。その場合、自分で弁護士にお願いすると数十万円~の費用が掛かってくる。いざという時のために自動車保険の「弁護士費用特約」に加入することをオススメするよ!
※本文中に登場する過失割合はおおまかな目安です。事故が起きた際の状況によって変化します。#任意保険

写真は、ホンダクロスカブに装着した二輪専用のドライブレコーダー(エンデュランス製)の装着例。防水防塵性が高く衝撃を感知すると自動で録画。スペースの限られる二輪用にコンパクトな設計なのも特徴といえる。価格帯の中心は3万円台で、人気モデルなら車種専用品もあり。
※この記事は月刊モトチャンプ2024年2月号を基に加筆修正を行っています
