前後23インチを成立させるため、独創的に延長されたフレームワーク。手描きの「ゼンタングル」アートが唯一無二の存在感を放つ。

フロントホイールは23インチ! くねくねフレームも自作!

これは本当にスーパーカブなのか――。原型をとどめないほど作り込まれたフォルムに、もはやアート作品のような凄みを感じる1台だ。

カスタムの出発点は、前後23インチ化という大胆な構想。ノーマルフレームでは到底収まらず、メインフレームをカットして延長することに。直管では面白くないと、曲げパイプや補強プレートを組み合わせ、うねるような“クネクネ”フレームを製作。強度確保のためサブフレームも追加した。リヤは当初エアサス化を予定していたが、最終的にはリジッドマウントのフレームをワンオフして対応している。

車体全体を覆う緻密な模様は『ゼンタングル』というアート技法

製作は基本的に現物合わせ。フロントフォークのボトムリンクはトゥデイ用を加工・延長し、モンキー用230mmリヤショックをワンオフブラケットで固定。23インチを受け止めるための構成へと発展させた。乗り味はほぼリジッドとのことだが、「あまり乗らないから気にしない」と笑う。

さらに目を奪うのが、車体全体を覆う緻密な模様。これは『ゼンタングル』と呼ばれる、シンプルな線や図形を連続させるアート技法だ。単純作業の繰り返しとはいえ、延々と描き続ける工程はまさに修行。模様の切り替えに悩みながら描き切った達成感は、「やればわかる」と語るほど壮絶なものだったという。

ホイールはXL250S用フロントリムをベースに特注スポークで組み上げた23インチ。ボトムリンクはトゥデイ改+ツインショックで支えている。
23インチをコントロールするため、ステアリングダンパーはほぼ必須装備。フォークのスリットにはウインカーをスマートに埋め込んでいる。
23インチ対応のメーターギヤが存在しないため、船舶用GPSメーターを採用。ソロシートはハイファスト製ハーレー用を流用する。
リヤはワンオフのリジッドフレームにLEDウインカーをインストール。フレーム造形を崩さぬよう、スリット内へ巧みに収めた。

撮影したのはこのEVENT!

「奈良カブミーティングVol.16」
■日時:2024年5月4日(土・祝)
■開催地:唐子・鑓遺跡史跡公園(奈良県)

こちらの車両は日本一参加者が集うカブイベント「奈良カブミーティング」で撮影されたもの。次回は2026年5月10日(日)開催(場所は同じ)。詳細はこちらのSNS(奈良カブ)をチェック!


※こちらの記事はモトチャンプ2024年8月号に掲載されたものです。