買い物中にEV充電で時間を有効利用

ニトリの駐車場に設置された「Honda Charge(ホンダチャージ)」の急速充電器。

ホンダは3日、電気自動車(EV)向け充電サービス「Honda Charge(ホンダチャージ)」をニトリと提携して全国の店舗に設置すると発表した。商業施設での充電インフラを拡充し、買い物など日常の行動の中でEV充電を完結できる環境づくりを進める。

Honda Chargeは、ホンダが2025年9月に開始したEV向け充電ネットワークサービスで、充電器の検索や予約、充電状態の確認、決済までをスマートフォンアプリで管理できるのが特徴だ。 

Honda Chargeで充電をする「N-ONE e:」

普段の生活圏で充電する「基礎代替充電」とは?

EV普及において大きな課題となっているのが充電環境である。特に集合住宅などに住むユーザーの場合、自宅に充電設備を設置できないケースも多く、日常的に充電できる場所の確保は悩ましい問題となっている。そこで重要になるのが、普段訪れる場所で充電できる環境づくりだ。こうした生活圏での充電を「基礎代替充電」と呼ぶ。

EVの充電環境を分類すると、自宅での充電を中心とする「基礎充電」が全体の約65%を占めるとされ、ここでは家庭用充電器の設置が基本となる。一方、それを補完する役割を担うのが「基礎代替充電」で、全体の約30%を占める。Honda Chargeはこの基礎代替充電の提供を担い、ニトリなど全国の商業施設を中心に生活圏で利用できる充電環境の整備を進めていく考えだ。

職場では滞在時間が長いことから普通充電が中心となる一方、今回のニトリのような商業施設では買い物や食事などの滞在時間を活用するため、急速充電も含めた充電環境が求められる。こうした生活動線に合わせた充電インフラの整備を進めることで、EV利用の利便性を高めていく狙いだ。

プラグを差すだけで充電開始、「プラグアンドチャージ」機能

大きな特徴が、CHAdeMO(チャデモ)規格に対応した「プラグアンドチャージ」機能である。事前にスマートフォンアプリの設定を済ませておけば、充電プラグを車体に差し込むだけでユーザー認証と決済が自動で行われ、そのまま充電が開始される。これにより、カード認証やアプリ操作といった充電時の手間を軽減できる。CHAdeMO規格でEVと充電器の自動認証を行うシステムとしては日本初の仕組みとなる。 

「プラグアンドチャージ」機能は、事前にスマートフォンアプリの設定を済ませておけば、充電プラグを車体に差し込むだけで充電が始まる。

充電は急速充電に対応し、最大充電時間は1時間。買い物や食事など施設の利用時間を活用して充電を行える点が特徴で、EVユーザーは「充電のために立ち寄る」のではなく、「生活の動線の中で自然に充電する」利用スタイルを想定している。

急速充電器の最大充電時間は1時間なので、買い物の時間を有効利用することができる。

今回の提携により、Honda Charge対応の充電器はニトリ店舗への設置が進められる。ニトリは全国に広がる店舗網と広い駐車場を持つことから、買い物時間を充電時間として活用できる環境づくりが可能になる。ホンダは商業施設への設置を通じてEV充電の利便性を高め、EV普及を後押しする考えである。

Honda Chargeは専用アプリによる予約や決済機能を備え、基本料金無料で誰でも利用できる充電サービスとして展開されている。

政府は2030年までに国内の充電器を30万口まで増やす目標を掲げている。ホンダもこうした取り組みに加わり、今後は商業施設を中心に設置を拡大し、EVユーザーが日常生活の中で自然に利用できる充電インフラの構築を目指すとしている。

アプリから充電場所の事前確保ができる機能では、1時間の場所の取り置きが可能。取り置き中は駐車フラップが上がり他のクルマが駐車できない仕組みになっている。