ロードレースでの活躍とその後のオクムラエンジニアリング

 その後はロードレースで成績を出すまではミニバイクには乗らないと決意。ミニバイクレースのリザルトなども見ないようにし、ロードレースに没頭。TZ250で鈴鹿選手権のノービス250ccクラスでデビューし、その後はSP忠男に入り、93年には全日本選手権の最高峰、IA125ccクラスでチャンピオンを獲得。94年からは世界グランプリに出場。マシンは加藤選手も開発ライダーとして関わり、93年の全日本選手権を制したTZ125で、チームはスペインの英雄、ホルヘ・マルチネス選手率いるTeam ASPER。初の世界グランプリではいきなりトップを走行するという華々しいデビューを果たした(結果は転倒)。現在はヤマハバイクレッスンのインストラクターとして国内のみならず、世界各国を飛び回る多忙な日々を送っている。

今も継承されるオクムラエンジニアリングの心意気

 ちなみにオクムラエンジニアリングはその後、奥村社長がバイクで事故に遭うなど紆余曲折を経て閉業となったが、加藤選手はオクムラエンジニアリングに所蔵されていたチャンバーの型紙(正確には紙ではなくスチール)をいくつか譲り受け、自宅に作業場を設けて当時のオクムラエンジニアリング製チャンバーを復元して制作し、販売も行っている。オクムラエンジニアリングで築いた心意気と趣味の「物作り」によって、オクムラエンジニアリングのプロダクトは、今も加藤選手によって継承されているのだ。

2枚のステッカーについて間違い探し問題です

どちらかが本物で、どちらかが印刷所が間違えて作ったステッカーです。どこが違っていて、どちらが本物でしょう? 回答は記事の最後にて。

「たぶん27V」とメモされたチャンバーの型。この型に合わせて鉄板を切り出し、溶接で繋ぎ合わせることでチャンバーが出来上がる。27VというのはペリカンJOGと呼ばれた初期型のJOG(ヤマハ)で、オクムラエンジニアリングが閉業する際に加藤選手はいくつかの型を譲り受けたという。現在、加藤選手は当時の型で作ったチャンバーを「ADDITIONAL」というアカウント名のヤフーオークションで販売している。
縦型JOGのエンジンとフレームを使用し、フレームはサブフレームで強化。タンクとシートは一体化されており、リヤには剛性の高いアクティブ用ホイール、フロントはアルミホイールにディスクブレーキという装備。チャンバーは菅長を稼ぐトグロタイプで、キャブは京浜のPEφ24mm。
この取材は加藤選手のご自宅で行わせていただいたが、加藤選手は当時のステッカーなども数多く保管しており、イベントのたびに作られていたモトチャンプのステッカーを見せてくれた。

加藤義昌プロフィール

氏名:加藤義昌/生年月日:1965年8月24日生まれ/出身地:京都府京都市/血液型:A型/趣味:物作り。

間違い探しクイズの回答!

上段と下段に合計2個使われている「r」の文字の、右上の部分が丸いのが印刷所が間違えて作ったステッカーで、四角い形状が正しいステッカー。間違えて作られたステッカーを持っていたら、かなり貴重です。

※この記事は月刊モトチャンプ2025年6月号のものを加筆修正したものです。