5気筒ターボのサウンドは“RSスポーツエキゾーストシステム”によってドライバーの高揚感をさらに刺激

1976年の第2世代 アウディ100から始まった伝説は今、RS 3 コンペティション・リミテッドによって新たな高みに到達しようとしている。5気筒50周年を記念して、アウディスポーツはRS 3に数々のアップグレードを施し、コレクターが熱望する特別仕様モデルへと昇華させた。
1983年、アウディスポーツクワトロは2.1Lの排気量から306ps/350 Nmを発揮した。それが今日、RS 3に搭載される直列5気筒エンジンは、2.5Lの排気量を備え400ps/500Nmを誇る。このセグメントで唯一無二のエンジンによって実現するこの性能値は、RS 3 コンペティション・リミテッドに並外れたパフォーマンスをもたらしている。

このモデルは0から100 km/hまで3.8秒で加速し、最高速度は290 km/hに達する。走行中は、5気筒ターボエンジンの紛れもないサウンドがドライバーの高揚感を刺激。このサウンドは1-2-4-5-3という点火順序から生み出されており、エンジンのシリンダーでは隣り合う気筒と離れた気筒が交互のパターンで点火することを意味する。
RSスポーツエキゾーストシステムは完全な可変フラップ制御を備え、エキゾーストノートの音域を広げる一方で、ファイヤーウォール周囲の遮音材を減らしたことで、エンジンサウンドがよりダイレクトに乗員に届くように設計されている。アウディドライブセレクトのモードが“ダイナミック”、“RSパフォーマンス”、または“RSトルクリヤ”の場合は、フラップがより早い段階で開き、他のモードよりもさらに重厚なサウンドが強調される。

この限定モデルは、新しいリヤスタビライザーを含むコイルオーバーサスペンションを初めて採用。トルクスプリッターと標準装備のセラミックブレーキとの組み合わせにより、スポーティなハンドリングをさらに際立たせている。
コイルオーバーサスペンションはこのモデルのために特別に開発・チューニングされた。ツインチューブショックアブソーバーの構造に使用される素材は、フロントにはステンレススチール、リヤにはアルミニウムを採用。剛性を考慮して選定され、内部の容量を増加したことで油圧作動油の冷却性能も向上させている。さらに、フロントショックアブソーバーには外部リザーバーを備えており、冷却性能が向上することで、高負荷時であってもダンパーが安定して性能を発揮する。リヤには標準モデルよりも太いピストンロッドを備えた大径のダンパーチューブを採用。より安定したマウントと剛性を実現している。

ショックアブソーバーは3段階調整が可能で、高い柔軟性と幅広いドライビング特性を提供する。高速圧縮と低速圧縮を個別に変更でき、リバウンド(伸び側)も調整することが可能だ。これにより、ドライバーの好みやドライビングスタイル、路面状況に合わせて、車両の快適性とパフォーマンスをカスタマイズすることができる。圧縮とリバウンドを調整するためのセットアップマニュアルと専用ツールは車載されている。
圧縮の調整とは、ショックアブソーバーが収縮する速さを変えることを意味する。これはシリンダー内部のオイルフローを変化させることで、サスペンションが荷重を受ける際に働く減衰力を調整することで機能。低速圧縮は、コーナリング中などに発生する力に対するサスペンションの反応を変化させ、タイヤのグリップに大きく影響する。ダイヤル操作により12段階で調整可能で、“+”記号の方へ回すほど減衰力は高くなり、サスペンションのセットアップもより硬くなる。これにより横方向のグリップが最大化され、より高いコーナリングスピード、より思い切ったターンイン、そしてよりダイレクトなハンドリングが可能になる。一方、ダイヤルを“-”記号の方へ回すほど、減衰力は低くなり、より快適な乗り心地をもたらす。
高速圧縮は、バンプを乗り越える走行や、素早いステアリング操作など、シャシーに突然大きな衝撃が加わった際のボディの反応を決定する。これは15段階で調整可能で、ダイヤルを“+”へ回し高速圧縮を硬くすると、高周波の垂直振動がより抑制され、ドライバーへより鋭いフィードバックをもたらす。ダイヤルを“-”へ回し、減衰力が低減されると、乗り心地はより快適になり、荒れた路面状況をよりスムーズに受け流す。
調整可能なリバウンド機能により、ドライバーは車両の反応とハンドリングをさらに多様に変化させることができる。ボディの路面に対するダイレクトなリンクを制御し、16段階で変更可能だ。リバウンドの減衰力が高いと、サスペンションの伸長がより遅くなり、それによりハンドリングは非常に正確かつダイレクトになる。リバウンドの減衰力の低さは、スプリングがより素早く伸びることを意味し、それによって乗り心地が向上。厚みを増した新しいチューブラースタビライザーによってリヤの安定性はさらに向上している。剛性は85N/mmで、これは標準モデルよりも硬く、リヤのスプリングレートは、これに合わせて80 N/mmまで高められた。その結果、RS 3コンペティション・リミテッドは、高速コーナーからの加速時に、方向安定性、安全性、および俊敏性の完璧な組み合わせの提供が可能となった。
19インチのホイールはネオジムゴールドマットの10本のクロススポークデザイン


フロントに追加されたエアロダイナミックエレメントを補完するように、RS 3コンペティション・リミテッド専用のルーフスポイラーもドライビングダイナミクスに好影響を与えている。これらの新しいエレメントは両車軸の揚力を低減し、限定モデルのために風洞で特別に開発されたものだ。
セダンでは、分割されたチンスポイラーとカナードが、前後アクスル間のバランスを改善。この力強いコンパクトモデルが俊敏にコーナーを駆け抜ける際、リヤでの完全可変トルク配分を備えたトルクスプリッターと、ブレーキトルクベクタリングが効果を発揮する。ターンインの際、トルクは外側のホイールに伝達されると同時に、内側のホイールにはわずかにブレーキがかけられ、コーナー出口に向けて完璧なラインへと導く。
他のRS 3と同様に、この限定モデルは路上で自信に満ちた佇まいを見せ、オプションで『ピレリPゼロ・トロフェオR』セミスリックタイヤを装着可能。赤いキャリパーを備えたセラミックブレーキは、スピードを制御するために常に備えられており、極めて軽量でありながら熱による耐フェード性にも優れている。


エクステリアではこのほか、ボディ前後に配されたヘリテージカラーのエンブレムも、最大限の個性を体現。さらにこの限定モデルでは、表現力豊かなデザインとマットカーボンエレメントを融合させている。これらには、フロントの両コーナーに装着された2つの新しいカナードが含まれる。カナードは上下に配置され、エアカーテンの垂直ブレードと調和するカーボン製。インテークの下に装着された分割のフロントリップと相まって、一層ワイドに見える。
ホイールは、ネオジムゴールドマットの10本のクロススポークデザインの19インチ。ミラーハウジング、サイドスカート、そしてリヤスポイラーはすべてマットカーボン仕様で、大型の機能的なディフューザーの上に配されたマットカーボントリムが、このモデルのクールでテクニカルな外観が完成した。部分的にマット加工をしたリヤサイドウィンドウにモデル名を表示することで、その印象がさらに強調させている。
ダークカラーのマトリクスLEDヘッドライトもまた、この限定モデル専用のもの。車両のロック時とアンロック時には、それらのセグメントが1-2-4-5-3のパターンで点灯し、これは5気筒エンジンの点火順序へのオマージュとなっている。
ボディカラーは3色。最も人気のデイトナグレーと新色のグレイシアホワイトマットに加え、エクスクルーシブなマラカイトグリーンは、とくに目をひく。このアイコニックなカラーは、5気筒のパワーでラリーの黄金時代を築いたアウディスポーツクワトロを彷彿とさせる。
前席は高いホールド性を備えたRSバケットシートを装備

ドアを開けると、ブラック、ネオジムゴールド、ジンジャーホワイトのカラーコンビネーションというこのスペシャルモデルの特別感を味わえる。ドアライティングは『RS 3 competition limited』のレタリングを投影し、同じロゴがブラックのフロアマット、ヘッドレスト下のカバー、そしてトランクカーペットを飾る。センターコンソールには、シフトレバー前方に配されたマットなシリアルナンバーは、このモデルが限定生産であることを示す。
コーナリングがいかにダイナミックであっても、ドライバーと助手席の乗員は、高いホールド性を備えたRSバケットシートにしっかりと支えられる。シートのサイドサポートはブラックレザーで覆われ、センター部分はネオジムゴールドのダイナミカ(Dinamica)マイクロファイバー仕立て。ドアとセンターのアームレストも同様にネオジムゴールドだ。ジンジャーホワイトのコントラストステッチはキャビンを際立たせ、シートのダイヤモンドパターンを強調する。
リヤシートはセンター部分とアームレストが、ジンジャーホワイトのコントラストステッチを施したネオジムゴールドの柔らかなダイナミカで覆われている。フロントシートのマットカーボン製のバックシェルは、このモデルのスポーティさを視覚的に強く印象づける存在感を放つ。

運転席はいかなる状況においても、車両のすべてをコントロールできる最高な場所。インストルメントパネルの10.1インチタッチディスプレイは、RS仕様のパフォーマンスパラメーターの情報を表示。水温、トルクスプリッター、ブレーキ、ならびにエンジンオイルとトランスミッションオイルの温度レンジがカラーで示され、タイヤの空気圧と温度も表示される。
センターポジションを見つけやすくし、極めて微細なステアリング操作も視覚的に把握できるよう、トップとボトムの両方がフラットな形状をしたステアリングホイールには、上部にジンジャーホワイトのマークが施されている。ブラックのダイナミカ製リムの周囲には、同色のコントラストステッチがあしらわれた。
アウディバーチャルコックピットプラスもまた、エクスクルーシブなデザインを特徴としている。1994年にRSモデルとして初めて5気筒エンジンを搭載したRS2アバントが登場した際には、ホワイトのインストルメントダイヤルが備わっていた。それらを想起させるように、この限定モデルのデジタルインストルメントもホワイトの背景が採用され、エンジン出力とトルク、Gフォース、加速タイム、およびラップタイマーが表示される。ローンチコントロールでターボチャージャー付き直列5気筒の加速ポテンシャルを最大限に活用する際には、スターティングライトが最適な発進タイミングを指示する。





