意外!? 25年以上前の車両でも整備と維持の心配は不要

8インチホイールのホンダモンキーをこれから購入するなら、「Z50J(型式)」がいいんじゃないか。モンキー50(以下モンキー)の中古車の記事を作るにあたって、筆者はそう思っている。モンキーの型式にZ50Jという英数字が使われていた時代は、1974〜1998年と相当に長く、補修用からカスタムまで社外製パーツがとにかく豊富なモデルとして4MINI界では知られている。社外製パーツで一台組み立てることも可能なほど、ありとあらゆるパーツが揃うのだ。さらに言えば型式がAB27に変更された1999年以降も、2007年までの基本構造はZ50Jと同様である(気化器がFIになった2009年〜2016年型は完全な別物)。

今回取材に協力してくれたバイク王小牧店のモンキーマイスターK氏によると、「当社全体では70台前後の50㏄モンキーを在庫していて、その中のおよそ三割はZ50J型ですね。もっとも、初期モデルや特別仕様車を除くと、Z50J型の美点は価格が比較的安いことくらいですから、キャブレター車を探しているなら、1999〜2007年型に注目するのもアリでしょう。なおZ50J型は大別すると、6V・ポイント点火の91年以前/12V・CDI点火の92年以降のニ種類で、程度が良好な中古車は、やっぱり後期型のほうが多いです」そう語るK氏だが、Z50J型は最も新しいモデルでも、生産終了から四半世紀以上が経過した旧車。安易に中古車を入手すると、後に苦労を強いられるんじゃないだろうか。

「Z50J」型ってこんなモデルです

1974年から発売が始まったZ50Jは、リヤショック、リヤキャリア、ブロックパターンタイヤなどを新規採用することで、以後のモンキーのスタイルを確立。ちなみに、特徴的な折り畳み式ハンドルは1967年型からで、ティアドロップタンクとサドル型シートは1978年型から。

「もちろん、ネットオークションなどで程度が不明な車両を購入したら、苦労する可能性はありますし、見た目がキレイでも、経年変化による各部のヤレは発生していると考えるべきでしょう。とはいえ、モンキーは基本的にすごく丈夫で、弱点と言うべき要素は存在しないですし、92年以降のZ50J型なら現時点ではほとんどの補修部品が揃いますから(純正が欠品でも、アフターマーケット製が代替品として使えることが多い。なおバイク王では、多くの車両を取り扱っているので部品の心配はないと思いますよ。また、Z50J型に限った話ではないですが、構造がシンプルで修理の難易度が高くないこと、本来の資質を回復する費用があまりかからないことも、モンキーならではの美点ですね」

なるほど。「四半世紀前のモデル」という不安要素はそこまで心配はなさそう。さあココからは、数あるタマの中から中古車を選ぶ際(もしくは中古車を購入後)に気にしておくべきポイントを10個のパートに分けて解説していきます。中古モンキー選びの参考にしてほしい。

中古車選びのポイント・その1【フロントフォーク】

ガタや錆に注意! フロントフォークはダメージ多し

ブレーキング時のフロント周りに違和感があるようなら、フロントフォーク内のスライドピストン/ガイドの間に、盛大なガタが発生している可能性が濃厚。シールの劣化によるグリス漏れやインナーチューブの錆びも要注意だ。

中古車選びのポイント・その2【前後のブレーキ】

前後のドラムブレーキはけっこう長持ちするけれど……

ドラムブレーキのシュー(摩擦材)はなかなか減らないが、使用開始時期が不明の場合は、劣化が進んで本来の摩擦力が発揮できていないかもしれない。高い部品ではないので、中古車を購入したら新品に交換しておくと安心だ。

中古車選びのポイント・その3【エンジン】

横型エンジンは恐ろしくタフ

モンキーのエンジンは非常に丈夫だが、各部のガスケットが劣化するとオイル滲み/漏れが発生。メカノイズが気になるなら、タペットクリアランスを確認したい。鉄分多めのモンキーちゃんは基本的にめっちゃタフなのだ。

中古車選びのポイント・その4【キャブレター】

適正セットでコンディションを維持

キャブレターの点検項目は、ジェット類の詰まりとニードルバルブ/バルブシートの摩耗。なおモンキーの燃料コックは走行時以外はオフにしておくのが基本だそう。

中古車選びのポイント・その5【エアフィルター】

エレメントはケチらず新品に交換を

モンキーのエアフィルターはスポンジタイプ。写真のような汚れなら大問題ではないが、経年変化でボロボロ崩れると、キャブレターが吸い込んでしまい、エンジンの調子が露骨に悪くなってしまう。お店によっては購入前の確認は難しいが、購入後はチェックしておきたい部分。

筆者紹介:中村友彦

「モンキーはカスタムの素材としても魅力的。純正パーツ以外でも、とにかく社外製パーツが豊富。何か不具合が起きても必ず直るので安心できる。これってモンキーならではだよね」

中古車選びのポイント・その6【点火プラグコード】

点火系は消耗部品と考えるべし!

エンジンと同様に電装系も非常に丈夫。とはいえイグニッションコイルや、スパークプラグを結ぶハイテンションコードは長年の使用で劣化しやすい。始動性が悪かったりしたら交換してみてもいいかも。

中古車選びのポイント・その7【タイヤ】

溝が浅かったりヒビ割れは論外! 

タイヤは見た目で分かりやすいパーツのひとつ。残り溝が浅かったり、タイヤ表面に細かなヒビ割れが出来ていたら交換時期。また、片側だけやけに減っているなど(偏摩耗)している場合は、フロントフォークのゆがみなども考えられる。タイヤ交換の際は純正指定のIRC以外にも、ダンロップやブリヂストン、ミシュラン、シンコー、デューロなど、数多くの選択肢が存在するぞ。

中古車選びのポイント・その8【外装品や燃料タンク】

モンキーの外装に関してだが、純正品はほぼ出ないと思っていた方が良い。ただし社外製は存在するので心配は無用。純正にこだわりたい人は外装が綺麗な個体を選ぶべし。

燃料タンクはキャップ開閉式のため、どうしても雨が浸入しやすい構造。錆が発生すると薬剤などを使ってサビ取り作業が必要になるため、購入時は内部を確認するのをお忘れなく。社外製の燃料タンク(5000円程度~)も存在するので、サビが酷いときは交換するのも手。

中古車選びのポイント・その9【転倒歴の確認】

転倒歴はココを見るべし!

過去に大きな転倒を喫したモンキーは、ステアリングストッパーが変形してしまう。指で指している部分に変形がないかチェックしたい。

大きな転倒をすると、左右連結式のステップ用ステーが上向きになっていることが多い。エンジン下を覗いてみよう。

中古車選びのポイント・その10【型式の確認】

フレーム番号に注視せよ!

モンキーに限らず、フレーム番号に手を加えた形跡がある車両は購入を避けたほうがいい。なおシート下に貼られているシールは型式とカラーコード。フルノーマルが理想だが残念ながら少数派。見極めが肝心なのだ。

取材協力
●バイク王 小牧店

東名高速・小牧IC、名古屋高速・小牧北ICからわずか数分。こちらの店舗には各種モンキー(50~125cc)がラインナップ。見て比べて自分の目で選びたいファンの方、一度訪ねてみてはいかが?

バイク王 公式サイトはこちら

※この記事は月刊モトチャンプ2024年3月号を基に加筆修正を行っています