SKYACTIV-Xから離れられなかった

おかわりして正解だった。MAZDA3(マツダスリー)ファストバックからMAZDA3ファストバックへの乗り換えである。エンジンはSKYACTIV-X(詳細は後述)。駆動方式は4WD。トランスミッションは6速MTだ。前回のマツダ3は2021年6月に納車。今回は2026年3月に受け取った(前回と同じ関東マツダ高田馬場店で)。
よくある話で、5年の残価設定ローンの期限が迫っており、「次どうする?」という状況になった。そのまま乗り続けるか、返すか、買い換えるか、買い換えるとしたら次のクルマはどうするか、といった選択肢を提示されたわけである。いろいろ考えたりもしたが、結局のところSKYACTIV-Xから離れがたく、最新のマツダ3に乗り換えることにした。なにしろ世界で唯一のガソリン圧縮着火・希薄燃焼エンジンが選択できるのは、このクルマしかないのだから。


エンジン形式:直列4気筒DOHC
エンジン型式:HF-VPH型
排気量:1997cc
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
圧縮比:15.0
最高出力:190ps(140kW)/6000rpm
最大トルク:240Nm/4500rpm
過給機:スーパーチャージャー
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
使用燃料:プレミアム
燃料タンク容量:48L
モーター:MK型交流同期モーター
最高出力:6.5ps(4.8kW)/1000rpm
最大トルク:61Nm/100rpm
マツダが火花点火ではなく(火花点火で燃焼を制御しているにせよ)、混合気の温度と圧力で燃焼を制御する圧縮着火を選択し、実用化に取り組んだのは、希薄燃焼を実現し、燃費率(熱効率)の良好なゾーンを広く確保するためだ。熱効率は高いがドライバビリティに欠けるエンジンならこんなに魅力を感じることはなかったと思うが、運転していてこれほど気持ちのいいエンジンはなく(とくにMTとの組み合わせでは)、その点がSKYACTIV-Xからの離れがたさに結びついている。

SKYACTIV-Xは運転状況やドライバーの気分によってランダムに変動する要求に応えて火花点火制御圧縮着火(その燃焼方式をSPCCIと呼んでいる)を実現するため、通常のガソリンエンジン(例えばSKYACTIV-G)よりも高い製造精度で生産されている。そのおかげもあって低回転から高回転まできれいに回る。ごく低回転から(力強いとはまで言わないまでも)充分な力を出してくれるし、アクセルペダルを踏み増すとすぐさまドライバーの要求に見合った力を上乗せしてくれる。その反応の良さが気持ち良さにつながる。
ガソリンエンジンの音にディーゼルエンジンの音を混ぜたような独特の燃焼音も、特別なエンジンを操っている気分に結びつく。世界でマツダ3にだけ搭載されるエンジン(以前はCX-30でも選択できたが、現在は設定なし)を所有する満足感と、そのエンジンとクルマが一体になった走りの気持ち良さ、そして燃費は……悪くない(ちなみに、前マツダ3は4年9ヵ月で4万8349km走行。満タン法による平均燃費はちょうど16km/Lだった)。これらが合わさって、気づいたらSKYACTIV-Xの虜になっていた。そんな感じだ。
2021年仕様から2026年仕様へ

マツダ3は2019年5月の発表以来、大なり小なりの商品改良を行なっている。筆者が購入したのは2020年11月の商品改良版だ(発売は2021年1月)。このとき、2.0L直列4気筒に高応答エアサプライと呼ぶ機械式スーパーチャージャーを備えたSKYACTIV-Xは制御のアップデートが行なわれ、最高出力は132kWから140kWに、最大トルクは224Nmから240Nmに向上した。思い起こせば、このときのバージョンアップは「SPIRIT 1.1」と名づけられ、以後のバージョンアップで数字は増えていくことが示唆された。この話、どうなったんだろう(遠い目)。
以後のSKYACTIV-X(厳密には、24Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたe-SKYACTIV-X)搭載車の目立った変化点は、下記のとおり(広報発表に筆者調べを追加)。
2021年4月26日 一部商品改良
・排ガス性能と燃費を改善(2WDが対象)。
2021年10月28日 一部商品改良
・吸気口やサイレンサーの部品を変更し、加速時のエンジン吸排気サウンドを強調(2022年6月27日公開の記事に詳細 https://motor-fan.jp/article/65162/)。
・エアクリーナー上流の温度センサーを廃止。
・ターンランプをディミングターンシグナルに変更。同時にリヤコンビネーションランプの仕様を変更。
・外板色にプラチナクォーツメタリックを新規設定。
・MT車は6速ギヤ比を変更(0.680→0.645)。
・4WD MTのWLTCモード燃費は17.7km/Lに(筆者購入車は17.1km/L)。
2023年4月6日 商品改良
・10.25インチセンターディスプレイを採用(従来は8.8インチ)。
・Apple CarPlayにワイヤレス接続機能を追加。
・わき見警報装置を追加。
・スマホのワイヤレス充電を追加。
・カップホルダーのフタを廃止(ワイヤレス充電機能と干渉か)。
・USB-C端子(照明付き)を追加(従来はUSB-A照明なし)。
・ステアリングスイッチの一部がメッキからメッキなしに。
・内気循環のスイッチにアイコン追加(従来は無地)。
・外板色にセラミックメタリックを新規設定。
2024年8月1日 商品改良
・Amazon Alexaを採用。
・リヤシートアラートを追加。
2025年10月9日 商品改良
・Apple CarPlay/Android Auto使用時にタッチパネル機能を追加。
・フロントフェンダー上の「SKYACTIV-X」のオーナメントを廃止。
ニュースリリースに記載のない変更点も多々ある様子で、これらを確認したいという欲求もマツダ3からマツダ3への買い換えを後押しした理由になっている(納車後に早速気づいた点がいくつかある)。
納車直後に気づいた進化


ポリメタルグレーメタリックのボディカラーは現在でも気に入っているのだが、さすがに同じ色では芸がないと思い、前回購入時には設定のなかったプラチナクォーツメタリックを選択した(妻の希望を尊重)。標準の本革シートは2万2000円の追加で済むのでバーガンディレザーパッケージにした。
グレード体系は整理が進んでおり、前回購入時には選択できたファブリック内装は選択できない。X Touringのモノグレードでレザー一択である。駆動方式も2WD(FF)は選択できず、4WDの一択だ(4WDを選択するので問題ないが)。トランスミッションは6ATと6MTから選択できる。6MTの設定がなかったら他車を選択していた可能性大である。オーディオは自動的にBOSEサウンドシステムになる。純正オーディオのマツダ・ハーモニック・アコースティックは選択できない。





前回購入時の車両本体価格は355万5648円(X PROACTIVE Touring Selection)だったが、今回は399万7400円(X Touring)だった。その差は44万1752円。レザー内装やBOSEオーディオ他の装備の違いと物価上昇分を考えれば妥当だろう。それに、内外装の質の高さと搭載する機能や走りを考えると、相変わらず、断然お買い得である。
ボディカラーと内装のカラー(素材も違うが)を変えた効果か、同じクルマなのにこれまで他の新車を受け取った際と同じように、新鮮な気分になった。大いにワクワクしたし、すぐにでもドライブに出かけたい気分になった。実際、さっそくドライブした(きれいなうちに撮影したいと思っただけ、とも言えるが)。







これまでめぼしい商品改良のたびにメーカーの広報車をお借りして試乗しているが、自分のクルマとなると話は別なようで、改めて気づく(初めて気づく?)点がぼろぼろと出てくる。そのひとつが、乗り心地。新車である点を差し引いても、乗り心地が格段に良くなっている気がする。それに、エンジン音の室内への透過が抑えられている(これは良し悪しだが)。さらに、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC、いわゆるACC)とクルージング&トラフィック・サポート(CTS)の制御が良くなっている気が……。
これらを含め、気づいた点についてはおいおいレポートしていきたい。それにしても、またいい買い物をしてしまった。ありがとう、マツダ。


