後席が広いのは僅差でフォレスター




ボディ全長はCR-Vの方がわずかに長いが、後席の膝周り空間はフォレスターの方がわずかに広く確保されている。後席頭上空間は同じくらいと言ってよいだろう。
どちらも後席にはリクライニング機構が備わっており、調整段数はCR-Vが8段階、フォレスターは5段階だ。最大角度はCR-Vの方がより深く倒せる構造になっている。
荷室寸法はCR-Vが長さ1000mm×幅1050mm×高さ825mm、フォレスターが長さ928mm×幅1100mm×高さ887mm。CR-Vの後席にはスライド機構も備わっており荷室空間を広げられる点は大きな強みとなる。ただしシートを前へ出すと荷室床面とシートの間に溝ができるうえ、床面と背もたれの間に段差があるため使い勝手がよいとは言い難い。
対するフォレスターは背もたれを倒せばほぼフルフラットになるうえ、荷室側から後席を倒せるスイッチが備わる。さらに2026年モデルでは100Vコンセントが標準装備となり、荷室の使い勝手はフォレスターの方が明らかに高い。
また、フォレスターの荷室照明は天井に備わっており、車中泊でのダウンライトとしても活用しやすい。ただし、暗い中での荷物の積み下ろしでは光が頭で遮られてしまう。その点、CR-Vは両サイドにそれぞれ1個ずつ備わっており夜間でも荷物の出し入れがしやすい。日常的な用途に限定すれば、荷室の使い勝手ではCR-Vも負けていない。
ホンダ CR-V e:HEV RS 4WD
ボディサイズ=全長4700mm×全幅1865mm×全高1690mm
ホイールベース=2700mm
車両重量=1800kg
タイヤサイズ=235/55R19(前後)
スバル フォレスター Premium S:HEV EX
ボディサイズ=全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1750kg
タイヤサイズ=235/50R19(前後)
燃費性能はほぼ互角! オンロード性能はCR-Vが優位


CR-Vに搭載される第4世代e:HEVはエンジン直結走行にローギヤを追加し、高速域だけでなく中速域でも必要に応じてエンジン駆動ができるようになった。
それにより坂道などのモーター負荷が増大する場所でも電力消費を抑えつつ力強い走行ができる。モーターの最高出力は既存のe:HEVと同じく184psのままだが、最大トルクは20Nmアップされた335Nmだ。
対するフォレスターのS:HEVは、水平対向エンジンにトヨタのハイブリッドシステムを流用したシリーズパラレル方式であり、最高出力119ps/最大トルク270Nmのモーターとエンジンを状況に応じて使い分けながら走行する。
両車のWLTCモード平均燃費はCR-Vが18.0km/L(RS 4WD)、フォレスターが18.4km/L(プレミアムS:HEV EX)と僅差だ。ただし市街地燃費ではCR-Vの方が優れるものの、郊外や高速道路燃費はフォレスターが逆転する。
フルタイム4WDであるフォレスターは本来燃費の面では不利だが、低負荷走行時にクラッチ開放制御を用い、前輪のみで駆動することで中高速燃費を引き上げている。それもさることながら、フォレスターのもっとも大きな特徴は他の追従を許さない高い全天候性だ。搭載されるオフロード向け四輪制御システム“X-MODE”は、雪・砂利/深雪・泥などの路面状況に応じてモード選択ができる。
対するCR-Vはオンデマンド4WDだが、前後輪の駆動力分配比率を従来の60:40から50:50へと高めたうえでリヤセクションの剛性を強化し、旋回安定感とライントレース性を向上。前後輪の予測制御によって回頭性も高められており、雪道向けにスノーモードも備わるなど全天候性は十分に高い。CR-Vの最低地上高はフォレスターの220mmに迫る210mmだ。
ホンダ CR-V e:HEV RS 4WD
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1993cc
最高出力=148ps/6100rpm
最大トルク=183Nm/4500rpm
トランスミッション=直結2段ロックアップ機構
駆動方式=4WD
スバル フォレスター Premium S:HEV EX
エンジン形式=水平対向4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2498cc
最高出力=160ps/5600rpm
最大トルク=209Nm/4000-4400rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
価格差は約75万円! CR-Vの高い価格には明確な理由あり


CR-V「e:HEV RS(4WD)」の新車価格は539万2200円。対する年次改良型フォレスター「プレミアムS:HEV EX」の価格は4万4000円アップとなる464万2000円だ。
改良でアプライドC型となったフォレスターは、アイサイトXが標準装備となる代わりに非EXグレードが廃止。その他の装備では100Vコンセントが標準搭載になるほか、デジタルインナーミラーの画素数アップやワイヤレス充電の充電速度アップなど実用装備に改善が加えられる。
モデルチェンジ直後はフォレスターも価格が高いと言われたが、CR-Vはさらに高額だ。しかしCR-Vの高い価格には明確な理由がある。
CR-Vは前後サブフレームの強化と軽量化に加え、微小入力でも適切な減衰力を発生させられる周波数応答ダンパーを新たに採用。さらにステアリングの取り付け角度を寝かせ、よりセダンライクな運転姿勢に改められるなどハンドリング性能を中心に徹底したチューニングを受けている。
それに加え、CR-Vはフロントおよび前席サイドの両方に遮音ガラスを採用するなど遮音性も徹底的に高められた。なお、フォレスターはフロントガラスのみが遮音ガラスだ。
「何一つあきらめない“究極のオールラウンダー”」をコンセプトに掲げて登場したCR-Vは、卓越したプレミアム感でライバルに勝負を仕掛ける。CR-Vが高いポテンシャルを秘めているのは間違いない。その代わり価格も頭一つ抜けている。
ライバルとなる各社のミドルサイズSUVはキャラクターが定まりつつあり、そのなかでもフォレスターはオフロードスタイル/アウトドアユースに特化したモデルだ。ある種のマニアックなユーザーに対してCR-Vは刺さるクルマとなるだろうが、一般的なSUVを求めるユーザーに対しては、フォレスターを始めとするライバルたちの方が響くかもしれない。
車両本体価格
ホンダ CR-V e:HEV RS 4WD:539万2200円
スバル フォレスター Premium S:HEV EX:464万2000円
