BMW M2
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Porsche 718 Cayman

希少なコンパクトミッドシップ「ケイマン」

モータースポーツからのフィードバックを採り入れたBMWのハイパフォーマンス仕様「M」シリーズ。その最小モデル「BMW M2」が内外装のアップデートを実施し、2024年秋から日本市場での販売を開始した。その対抗馬として、次期型では電動化も囁かれる、ポルシェのコンパクトミッドシップスポーツ「718 ケイマン」を取り上げる。

ボディサイズは2シーターのケイマンが全長で約200mm、ホイールベースで270mmも短く、車両重量もM2より365kgも軽い。コンベンショナルなフロントエンジンRWDレイアウトを採用し、独立したトランクルームを持つM2に対して、ケイマンは圧倒的にコンパクトだ。しかし容量こそ限られているものの、ミッドシップレイアウトを活かし、フロントとリヤにラゲッジスペースが用意されている。

BMW M2

ボディサイズ=全長4580mm×全幅1885mm×全高1410mm
ホイールベース=2745mm
車両重量=1730kg
タイヤサイズ=275/35R19(前)、285/30R20(後)

ポルシェ 718 ケイマン

ボディサイズ=全長4379mm×全幅1801mm×全高1286mm
ホイールベース=2475mm
車両重量=1365kg
タイヤサイズ=235/45R18(前)、265/45R18(後)

圧倒的なパワーを誇るM2の3.0リッター直6ターボ

M2は、最高出力480PS、最大トルク600Nmを発揮する3.0リッター直列6気筒ガソリンターボを搭載。8速Mステップトロニック(AT)か6速MTを介して、リヤを駆動する。ケイマンは現行の3代目から導入された2.0リッター水平対向4気筒ガソリンターボが奢られ、最高出力は300PS、最大トルク380Nmを発揮する。

最高出力で180PSも引き離すM2が、0-100km/h加速で0.9秒もケイマンを圧倒。最高速度に関しても、オプションの「Mドライバーズパッケージ」をチョイスすることで、M2は標準仕様の250km/hから285km/hまで引き上げることができる。

BMW M2

エンジン形式=直列6気筒ガソリンツインターボ
排気量=2992cc
最高出力=480PS/6250rpm
最大トルク=600Nm/2700〜5620rpm
トランスミッション=8速Mステップトロニック(AT)
駆動方式=RWD
最高速度=250km/h(リミッター)
0-100km/h加速=4.0秒

ポルシェ 718 ケイマン

エンジン形式=水平対向4気筒ガソリンターボ
排気量=1988cc
最高出力=300PS/6500rpm
最大トルク=380Nm/2150〜4500rpm
トランスミッション=7速PDK(DCT)
駆動方式=RWD
最高速度=275km/h
0-100km/h加速=4.9秒

十分な実用性か唯一無二の存在感か

M2は改良新型から、12.3インチメーターパネルと14.9インチインフォテインメントパネルで構成される最新の「BMWカーブドディスプレイ」を導入。ケイマンはクラシカルなメーターナセルの中心にレブカウンターを配置し、視認性の高いスピードメーターと4.6インチカラースクリーンをレイアウトする。

居住性や利便性に関しては、2シーターのケイマンに対し、コンパクトながらもリヤシートと独立したトランクを備えるM2にアドバンテージがある。先進的な装備が贅沢に奢られたM2と比較すると、2016年にデビューしたケイマンは、現代の基準では古さが否めないところ。それでもセグメント唯一のミッドシップレイアウトや、プリミティブなスポーツカーらしいコクピットは唯一無二の魅力を放っている。

前述のとおり、動力性能で圧倒するM2だが、ケイマンには4.0リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載する「718 ケイマン GTS 4.0」も用意されている。718 ケイマン GTS 4.0は最高出力400PSを発揮し、0-100km/h加速4.0秒、最高速度は288km/hと、M2に互するパフォーマンスを実現。ただ、1262万円とM2よりも200万円以上高いプライスタグが掲げられていることに注意が必要だ。

車両本体価格

BMW M2 1018万円
ポルシェ 718 ケイマン 948万円

新型「M2 CS」がニュルブルクリンク・ノルトシュライフェでタイムアタックを実施し、市販コンパクトカー最速の7分25秒5をマークした。

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