
オフロード走行はもちろんだが、カスタムベースとしても大人気のホンダCT125ハンターカブ。各種チューニングパーツも出揃い自分なりにカスタムを進めているオーナーも多いことだろう。ただ、オフロードユースを想定しているため、乗り心地が良い反面、ロードユースでは物足りなさを感じることもある。リヤショックは比較的簡単に変更できるため社外品を選ぶケースが多いものの、フロントフォークの脱着は大掛かりな作業になるため二の足を踏む人も多いことだろう。そこで選びたいのがSP武川から発売されている強化ダンパーキット。現行モデルのJA65だけでなく一世代前のJA55にも装着できるので、ハンターカブオーナーなら必見。では、装着手順を紹介していこう。
フロントタイヤを外す

今回もYOUTUBEで無料動画を配信している「モトチャンプTV」で公開されている「CT125ハンターカブにSP武川の強化ダンパーキットを装着&試乗!」という動画をダイジェストにまとめている。まず交換手順として、フロントタイヤを外すことから始める。センタースタンドをかけた状態で、アクスルシャフトとナットを緩めよう。

アクスルシャフトを抜く前に車体をジャッキなどでリフトアップさせる。今回はパンタジャッキを用いていて、車体に当たる部分へウエスを挟んで養生している。ジャッキを当てる位置はオイル交換時に脱着するドレンボルトの横になる。

ジャッキで車体を持ち上げるときは、必ず空いている手で車体を抑え転倒防止を心がけよう。フロントタイヤが持ち上がりリヤタイヤがしっかり接地していることを確認できるまでリフトアップする。

ジャッキアップによりフロントタイヤを浮かせたら、先ほど緩めたアクスルシャフトを引き抜く。このとき、無理にシャフトを叩いたりせず、タイヤを持ち上げ気味にすると手で抜くことができるはずだ。シャフトを抜いたらタイヤを前へ外す。ハブに刺さっているカラーの落下に注意しよう。

もしフロントのディスクローターを大径化させているなら、タイヤを脱着する際にキャリパーと接触させて傷をつけてしまうことが考えられる。そのような場合はあらかじめキャリパーを手で押して外側へ逃しておくと傷防止になる。
ロアダンパーステーを取り付ける

強化ダンパーを下側へ取り付ける時に必要となるのがロアダンパーステー。これを取り付けるため、まずはフロントフェンダーとフォークを繋ぎ合わせている左側2本のボルトを取り外す。

ロアダンパーステーを取り付ける前にフェンダーステーの下にある突起へキット付属のゴムを貼り付ける。するとロアダンパーステーとフォークの間で緩衝材になるのだ。

外したボルトを再利用してロアダンパーステーを装着する。しっかり規定トルクで締めることを忘れずに。

ロアダンパーステーを装着したらフロントタイヤを元に戻す。ディスクキャリパーのパッド間にディスクローターがしっかり入っているかどうか確認しながらタイヤを取り付け、アクスルシャフトとナットを仮留め。その後、ジャッキを下げて車体を接地させたらアクスルシャフトとナットを規定トルクで締め込もう。
アッパーダンパーステーを装着する

強化ダンパーの上側を取り付けるためのステーがアッパーダンパーステーで、ロア側同様キットに付属している。まず左フロントフォークに装着されているリフレクター(反射板)とステーを外す。

ステーごとリフレクターを外したら、ステーとリフレクターを分解する。次に分解して単体にしたリフレクターを今度はキット付属のアッパーダンパーステーへ装着する。複数空いている穴の真ん中へ通して純正ステーから外したナットを再利用して固定する。

次にアッパーダンパーステーへ強化ダンパーを取り付ける。ケース側が上になるようにしてキット付属のボルト&ナットで固定しよう。アッパーダンパーステーをフォークに取り付けた後からだとダンパーを取り付けられなくなるので、この時点で装着してしまうのだ。

フォークのゴムカバーの上にあるボルトを外して、キットに付属するカラー(上写真で手に持っているもの)をアッパーダンパーステーで挟むようにして固定する。外したボルトだと長さが足りないので、これもキットに付属するロングボルトで固定しよう。

最初に外したリフレクターステーを固定していたボルトを再利用してアッパーダンパーステーの後ろ側を固定する。しっかり位置決めを行ってから各ボルトを規定トルクで締め込もう。

最後にロアダンパーステーへダンパーの下側を固定する。これもキットに付属しているロングボルトとカラー、それにナットを用いて接続しよう。これにて装着手順は完了だ。
走行してみるとどう感じたのか?

装着手順の中でフロントキャリパーのパッドを押している場合、走り出す前にしっかりブレーキレバーを操作してパッドとローターが接触していることを確認しよう。走り出す前に体重をかけてフロントを沈めると、この時点で効果を実感できる。純正の柔らかさが一転してしなやかかつ適度なダンピングを感じる。走り出すと効果はすぐに感じ取れ、路面の段差やマンホールなどを通過してもしっとりと追従してくるのだ。アクセルをワイドオープンにしてリヤへ荷重をかけてもフロントが浮き上がるのは最小限で、接地感が薄れることもない。いわばワンクラス車格がアップしたかのような乗り心地に変身してくれる。これはCT125オーナーなら見逃せない逸品だ!