純正比20mmダウン、シート交換で足つきを改善

プロトは、ポジション系ブランド「EFFEX(エフェックス)」から、ホンダ・CB1000Fの2026年モデルに対応する「GEL-ZAB LGシート」を発表した。発売時期は2026年10月、価格は税込54,890円。お尻への負担軽減を目的としたシートクッション「ゲルザブ」を内蔵し、純正シートより座面を約20mm低くした車種専用のコンプリートシートだ。

バイクの足つきを改善する方法として、シートを薄くする加工がある。一方、クッション部分を減らせば、座り心地との両立が課題になる。停車時に足を着きやすくしたいものの、街乗りやツーリングでの快適性も確保したい。今回の製品は、そうしたライダーの要望を踏まえ、座面の低さと衝撃吸収性を組み合わせた。

取り付けは、ノーマルシートと入れ替える方式。完成したシート一式として提供されるため、純正シートを自分で加工することなく導入できる。車種専用の形状とすることで、CB1000Fに合わせた足つきやデザインを追求している。

プロトの発表によると、CB1000Fの標準シート高は795mm。新製品では座面を低くするだけでなく、太ももが当たるシート先端部の左右の角も削り込んだ。高さと幅の両面から形状を見直し、停車時に足を下ろしやすいシートを目指した点が特徴だ。

ゲル素材を内蔵し、薄さと乗り心地の両立へ

座面を低くしながら乗り心地を確保するため、内部にはゲルザブで採用している「エクスジェル」を組み込んだ。表面素材は合成皮革、内部素材はエクスジェルとウレタン。シートそのものに衝撃吸収素材を内蔵することで、ローダウンに伴うクッション性の課題に対応する。

エクスジェルは、医療用途にも使われる特殊柔軟ゴムだ。ゴムのように元の形へ戻る性質と、ゲルのように流動する性質を併せ持つ。プロトによると、素材が多方向に力を逃がしながら衝撃を吸収し、ウレタンフォームの5~10倍の衝撃吸収力を備えるという。

路面の凹凸による突き上げや、エンジンから伝わる細かな振動は、走行中の快適性を左右する要素となる。同社は、この素材を用いることで、薄い構造でも振動や衝撃を効果的に吸収できるとしている。ただ座面を削るだけでなく、残された厚みの中でクッションの働きを補う設計だ。

足つきの改善は停車時の扱いやすさに関わり、座り心地は走行中の満足度につながる。GEL-ZAB LGシートは、この二つを一体の製品で追求した。低いシートを求めながら、長距離走行時のお尻への負担も気になるユーザーに向けた提案となっている。

往年のCB-Fを意識したデザイン、国内工場で製作

外観には、往年のCB-Fを意識したシートパターンを採用した。段付きの形状は、かつてのスーパーバイクレーサーを思わせるもの。実用面の改善に加え、CB1000Fのシートまわりにクラシカルな表情を与えるデザインに仕上げている。

シートは車体の印象を構成する大きな部分でもある。座面を下げる変更であっても、見た目のまとまりは大切だ。今回の製品では、過去のモデルを想起させるパターンを現代のCB1000F専用シートへ取り入れ、機能とスタイルの両立を図った。

製作は日本国内のシート工場で行い、手作業で仕上げる。ゲル素材を内部に組み込みつつ、座面や先端部の形状を整えた完成品として販売する構成だ。ローダウン、クッション素材、表皮のデザインをまとめて選べることも、専用シートならではの特徴といえる。

製品の適合はCB1000Fの2026年モデルで、品番は「EHZ3637-CB1000F」。購入を検討する際は、税込5万4890円という価格とともに、車両の年式や適合を確認しておきたい。

累計17万枚超のゲルザブ、完成シートへ展開

ゲルザブは、ロングツーリングを快適に楽しんでもらうことを目指し、2007年に初代モデルが発売された。プロトの発表時点で、汎用5種類、車種専用4種類、その他5種類の計14種類を展開。シリーズ累計販売数は17万枚を超え、2023年にはグッドデザイン賞も受賞している。

当初の企画は、ゲルを内蔵したシート一式だったという。しかし、より手軽に試せる商品にするため、初代モデルは既存のシートに巻き付ける汎用タイプとして登場した。その後、さまざまな用途に向けてバリエーションを広げ、今回、完成シートという形へ展開した。

「LG」は、ローダウンゲル入りシートを意味する。長年展開してきたゲルクッションを車種専用シートに組み込み、快適性に加えて足つきや外観にも対応するシリーズだ。CB1000F用の新製品は、ゲルザブの特徴を生かしながら、シート交換による乗車環境の改善を提案する選択肢となる。

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