2027年モデルに加わる、オフロード入門の新たな選択肢

ハスクバーナ・モビリティは、2027年モデルの電動ミニモトクロスシリーズに、新型「EE 2.12」を欧州で追加した。既存のEE 2、EE 3、EE 5と合わせて、ラインアップは4モデルへと拡大する。新型はEE 2とEE 3の間に位置し、幼いライダーが体格や習熟度に応じて車両を選びやすくする役割を担う。
子どもがオフロード走行を始める際には、車両の性能だけでなく、扱いやすさや身体への適合も大切になる。EE 2.12は、そうした入門期の要求を踏まえ、調整可能な乗車姿勢と複数の安全装備を組み合わせた。走る楽しさに触れながら、段階的に操作を身につけるためのモデルという位置づけだ。
ラインアップの拡充によって、最初の一台から上位モデルへの移行まで、選択の幅が広がった。EE 2.12で経験を積み、その後にEE 3やEE 5へ進む道筋も描きやすくなる。ハスクバーナは新型の投入を通じて、電動車両でオフロードに親しむ機会を、より幅広い子どもたちへ届けようとしている。
最高出力1.8kWのモーターと、段階的に学べる3つの走行モード
EE 2.12の駆動源は、最高出力1.8kWの電動モーターだ。モーターを後輪のハブ内部に収める構造を採用し、動力伝達用のチェーンやスプロケットを不要としている。駆動部分を車輪の中心に集約した構成は、子ども向け車両として安全性を重視した設計の特徴でもある。
走行モードは3種類を用意し、それぞれ最高速度が異なる。乗り始めの段階から同じ性能を一律に使うのではなく、ライダーの技量に合わせて走行特性を選べる仕組みだ。操作に慣れる過程で設定を見直すことで、段階を踏んだ上達を支える。
安全装備には、車体の転倒を検知するセンサーと、手首に装着する安全用ランヤードを採用した。保護されたハブ内蔵モーターと合わせて、幼いライダーの使用を想定した装備をそろえる。性能を引き出すことに加え、扱う子どもの習熟度に配慮している点が新型の軸となっている。
バッテリーには「Husqvarna 40-B330X」を搭載する。取り外しと再装着が容易な設計で、満充電までの所要時間は約1時間とされる。充電のためにバッテリーを取り外せることは、車両の保管と充電を行ううえでも扱いやすさにつながる。走行性能とともに、日常の準備や運用にも目を向けた構成だ。
シート高は2段階、成長に合わせて乗車姿勢を調整
子ども向けの車両では、成長に伴う体格の変化への対応が重要になる。EE 2.12はシート高を536mmと566mmの2段階に設定でき、ライダーの身体に合わせて乗車姿勢を調整できる。同じ車両をより長く使い、その後に上位モデルへ進むことを想定した設計だ。
オプションには、ハンドルの位置を高くするライザーも用意する。シートを高い位置に変更した際にも、ハンドルとの位置関係を整え、自然な姿勢を保ちやすくするための装備である。シートとハンドルを組み合わせて調整できることで、成長に応じた対応の幅を持たせた。
グリップには、細身の形状を持つODI製品を採用した。乗車姿勢だけでなく、手で触れて操作する部分にも配慮している。初めて車両を扱う子どもにとって、身体に合った位置でハンドルを握れることは、操作を覚えるうえで大切な要素となる。
こうした調整機構は、単に車両を大きくするためのものではない。身体の変化に合わせて接点を整え、慣れた一台で練習を続けられることに意味がある。EE 2.12は、購入時点の体格に合わせるだけでなく、その後の成長も見据えたミニクロスといえる。
WPサスペンションを採用、イタリア価格は2850ユーロ
車体には、軽量で強度を備えたアルミニウム製フレームを採用する。足回りには乗り心地を重視したWP製サスペンションを装備し、オフロードでの快適性とコントロール性を支える。小さな車体にも、走るための基本装備をそろえた。
前輪は12インチで、軽快かつ正確な操縦性を狙う。タイヤにはKENDA製「Trakmaster」を組み合わせ、さまざまな路面でのグリップ確保を図った。フレーム、サスペンション、前輪、タイヤを一つのパッケージとして整え、幼いライダーが車両の動きに慣れていく過程を支える構成となっている。
新型の特徴は、出力や装備を個別に充実させるだけでなく、成長と習熟に合わせて使える仕組みをまとめた点にある。3つの走行モードで技量に対応し、シート高とハンドル位置で体格に対応する。電動ミニクロスの選択肢を増やすと同時に、一台との付き合い方にも幅を持たせた。
2026年10月8日付のイタリア向け発表によると、EE 2.12の2027年モデルは、ハスクバーナ・モビリティの販売店ですでに販売されている。価格は付加価値税込み、販売店渡しで2850ユーロ。日本での価格や発売時期は同発表には記載されていない。子どもがオフロードの楽しさを知り、次のステップへ進むための新たな一台として注目される。
