細部の造形にこだわったことで個性的なボバースタイルを実現

株式会社プロトが今年から輸入を開始したモデルのブランドのひとつがベンダのナポレオンボブ250だ。カスタムテイストあふれるボバースタイルが印象的なモデルで、ブランドは異なるが、同時に輸入が開始されたモルビデリc252vと共通する部分が多いのも特色だ。どちらも中国で生産されるモデルなのだが、ナポレオンボブ250の各部の造りを見ても雑な感じはない。
最大の特徴は250であることを感じさせない堂々とした車格と、虚飾を排した現代的なボバースタイルだ。サドル型のソロシートに前後ショートフェンダー、パワーユニットの水冷Vツインを中心に塊感のあるフォルムは見事に力強さを表現している。それだけじゃない。ガーターフォークを彷彿させるリンク機構を加えたフロントフォークに、リジッド風にデザインされたリアサスペンションと、ビンテージ感も演出するというこだわりようだ。結果的に「かっこいい!」と思わせるモデルに仕上がっている。

独特なライポジは小柄なライダーにはつらい

サドル型のシートに跨がる。お尻の収まりは悪くないがクッション性がいいわけじゃないし腰のサポートもないので、ツーリングを含めて長時間走行には向いていない印象だ。だがシート高が750㎜と低く足つき性がいいので、短い距離の移動や市街地を中心に走るのであればまったく問題ない。まあボバーモデルはそうした使い方がメインなのでコンセプトには合っている。

ハンドルはセパレートタイプで、フラットでワイドな形状としている。そのため上体が開いてわずかに前傾する姿勢となる。しかもステップがかなり前方に位置しているので、全体に前屈しているようなライポジとなる。小柄なライダーにはちょっとつらいと思う。いずれにしても、快適性とは無縁の乗車姿勢になるのだ。

上体がやや前傾して足も前方へ投げ出す独特のライポジ
750㎜と低シート高なので足つき性は問題なし。ステップも前方にあるので足を下ろしたときに干渉しない

抜群の存在感を発揮するVツインエンジン

独特なライポジに違和感を覚えつつスタートする。前方にあるチェンジペダルを操作するのはいいが、ストロークが大きいため足首の負担も大きい。ギヤの入りは悪くないので、ペダルのストローク量が少なければもう少し操作しやすいと思った。

シフト操作性には不満が残るものの、心臓部の水冷SOHC4バルブVツインエンジンのパワー感に関しては、予想以上のパンチ力に心躍る思いだ。ショートマフラーから吐き出されるサウンドも元気がいいし、中低速でのレスポンスも俊敏だ。とても250とは思えないパワー感についついアクセルも開いてしまう。搭載する水冷Vツインは、同時に輸入が開始されたモルビデリc252vとまったく同じエンジンだ。だがマフラーや駆動方式に違い(ナポレオンボブ250はチェーンドライブ)があることからパワーフィーリングが異なる。モルビデリはマイルドさがあってクルージングに向いている。一方ナポレオンボブはパンチの効いたダイレクトなパワーフィーリングだ。街を元気よく快走するタイプに仕上げられている。随所にゴールドカラーがあしらわれた外観含め、Vツインの存在感が大きいのが特徴だ。

水冷ながらシリンダーにフィンをあしらったVツインエンジン。ヘッドカバーをゴールドとするなどカスタム感を演出。ショートマフラーが放つサウンドは迫力があり、250とは思えないパワー感を伝えてくれる
チェンジペダルはストロークが大きく操作性はいまいち

乗り心地は改善の余地あり

ハンドリングに関しては、想像していたより軽快という印象。クイックに向きを変えるといったスポーティさを前面に押し出した運動性能ではないのだが、バンクのしかたにクセがなく、130/80-18、160/70-18サイズの極太タイヤが優れたコーナリング安定性を実現してくれる。1545㎜のロングホイールベースながら、狭い市街地の右左折も苦にしない。

乗り心地ははっきりいって良くない。リアサスは明らかにストローク不足で、路面のギャップを通過すると跳ねる。左右に装備されたショックユニット自体にストローク量がないので、ダンパーやプリロードをソフトに調整しても大きく改善されることはなさそうだ。フロントサスペンションに関しては、通常の正立テレスコピックフォークにプラスしてリンク機構+ショックユニットを配したユニークなシステムを採用しているのだが、意外と作動性は良く、実走行であまり不満を感じなかった。

ブレーキについても、スポーツバイク顔負けの効きを発揮してくれ、制動力に不足はない。しかもABSが標準装備してあるし、トラクションコントロールも装備と安心感もある。

 快適性とは無縁だし実用性もあまりない。だがバイクらしさを体感するには最適なモデルの1台だ。パワー感や乗り味も尖がってるし、なによりスタイルがかっこいい。個性派を目指すライダーに、ベンダナポレオンボブ250は選択肢になるモデルだ。
ハンドルはセパレートタイプで、ワイドでフラットなものとしている。バーエンドミラーは視認性良好
丸型のシンプルなTFTカラーメーター。180km/hフルスケールは大げさ。タコメーター表示もちょっと見にくい
スイッチ類の配置や操作性はいい。左側にはモード切り替えスイッチがあり、メーター表示で確認できる
燃料タンク容量は9.5L。タンクキャップは着脱式だ。右下前方には冷却水用のキャップが配置
サドル型のソロシートはデザイン優先でクッション性はあまり良くない
個性的な表情を作る丸型LEDヘッドライト
シート下部にテール&ストップランプが配置されている
独自のリンク構造を持たせたガーターフォーク風のフロントサスペンション。調整機構付きの伸び側ダンパーが左右に取り付けらている
リジッド風のリアサスペンション。リンク+ショックユニットの組み合わせ
ラジアルマウント2ポットキャリパーを持つフロントシングルディスクブレーキ。鋭い制動力を発生する。ABSももちろん装備
リアのディスクブレーキにもABSが装備。さらにトラクションコントロールも装備している

メーカー希望小売価格(消費税込)847,000円
車名・型式 ベンダ・BD250-30
全長/全幅/全高 (mm)2,333/838/1,038
軸間距離 (mm) 1545
最低地上高 (mm) 123
シート高 (mm) 750
車両重量 (kg) 182
エンジン型式 BD2V53MM
エンジン種類 水冷4ストロークSOHC4バルブV型2気筒
総排気量 (㎤)249
内径×行程 (mm) 53.5×55.4
圧縮比 11.8
最高出力 (kw[PS]/rpm) 19[26]/9,000
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) 25[2.5]/5,500
始動方式 セルフスターター 点火方式 トランジスタ式
潤滑方式 ウェットサンプ
燃料供給方式 フューエルインジェクション
トランスミッション形式 常時噛合6速リターンzzzzzzzzzzzz

クラッチ形式 湿式多板
2次減速方式 チェーン式
フレーム形式 ダブルクレイドルフレーム
懸架方式 前 テレスコピック 懸架方式 後 スイングアーム
タイヤサイズ 前 130/80-18 M/C 66S
タイヤサイズ 後 160/70R18 M/C 74S
ブレーキ形式/径 前 油圧デイスク/320mmABS ブレーキ形式/径 後 油圧デイスク/260mmABS
燃料タンク容量 (L) 9.5
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン指定(指定オクタン価95)
燃費(km/L) WMTCモード 32.3
乗車定員 1名