速さの先にあるエモーションを捉える!

無駄を省いた美しき高機能パーツ

名門“スプーン”にとって、レース活動は原点でありカスタマイズパーツを作り上げていくための根幹となるもの。そしてレース活動の中心にあったのが、歴代のシビック達だ。

その歴史を振り返ってみると、1991年にEF3で英国スネッタートン24時間耐久レースへの参戦を皮切りに、1992年からEF9でS耐の前身となるN1耐久に参戦を開始。以降もEF9、EG6、EK系、FD2へとマシンを変更しながら勝利を重ね、2021年にはターボエンジンとなったFK8で、2023年にはFL5で米国サンダーヒルズ25時間耐久レースへ挑戦してきた。

スプーンがこうした国内外の市販車ベースのレースへ挑み続けるのは、「単なる足し算ではなくベース車を徹底的に解析し、良さを引き伸ばす」というチューニングコンセプトに基づくもの。過酷なレースは、ベース車の素性を見極め、ウィークポイントを洗い出し、カスタマイズパーツの性能や耐久性を評価するための絶好のテストフィールドというわけだ。

もちろん、現行モデルのFL5シビックタイプRの開発でも、その姿勢は変わることはない。オリジナルのエアロパーツやスポーツホイールは市販されているアイテムがそのまま実戦にも投入されており、パフォーマンスの高さをしっかりと証明している。

スプーンのアイコン的存在としてお馴染みのオリジナルホイールSW388。初代は姉妹モデルであるロシア製のリーガマスターが17インチ以上をメインに開発したのに対し、SW388はシビック用の15インチとして開発。ネーミングのSWはSPOON WHEELの頭文字、388は目標とした1本辺りの重量を示すものだ。

なお、現行モデルはメーカーの製造中止によるブランク期間を経て、FK系シビックの登場に合わせてTan-ei-syaによる国産の鍛造ホイールとして復活したもの。「軽量かつ強靭」の基本コンセプトやシンプルな5本スポークはしっかり継承しつつ、時代に合わせた進化も図られている。

FK8、FL5向けには18インチと19インチの2タイプを展開。18×9.5J+40サイズは、わずか7.7kg(1本)という圧倒的な軽さと豊富なタイヤ選択肢が武器。19×9.5J+45サイズは、FL5の純正タイヤを装着できるコストパフォーマンスも大きな魅力だ。

カラーは一般的な塗装仕上げではなく、軽量かつ強靭なマットブラックのアルマイト処理を採用。スポークエンド部の形状は、締結強度の向上と衝撃吸収効果に加え、大型キャリパーのクリアランス確保にも有利に働く。スポークサイドには軽量化のスリットも施されている。

続いてエアロパーツ。現在、FL5用にリリースされているのは、専用設計のクレーンネックウイング(FL5:42万9000円/FK8:41万66000)と、カーボンリップスポイラー(FL5:21万7800円)だ。どちらも、最新のCFD解析と実戦での評価を組み合わせて開発した自信作だ。

先代のFK8に向けては、スポーツ走行時の弱点となる熱対策も兼ねて、開口部を最大限に確保したフロントとリヤのフルバンパータイプスポイラー(24万2000円〜)を設定している。

走りの質を高めることができるボディパーツも見逃せない。数ある製品の中でもスティッフプレートは大ヒット作で、“剛体化”と呼ばれるスプーン独自のチューニング哲学に基づいて誕生したポン付けの剛性アップパーツ。ボディとサブフレーム、ロアアーム取り付け部を一枚のプレートで連結する、いわゆる“面”補強タイプだ。素材はハイテン材を使用しており、表面はカチオン処理済み。価格は7万9200円となる。

FK8用に続いて、FL5用もついにリリース開始となったエンジン&ミッションマウントセットも注目アイテムだ。スポーツ性と快適性を両立できるスペックとして、純正比プラス25%の硬度を持つマウントラバーを採用。効果的にアクセルレスポンスや操作感を高めつつ、街乗りも快適にこなせるマシンメイクに寄与してくれる。価格は9万9000円だ。

エンジン系は、車両の故障診断コネクター(OBDII端子)からチューニングデータをインストールできる「HONDATAフラッシュプロ(13万2000円)」を軸に構築。書き替え項目は、点火時期&燃調、ブースト圧、電動ファンコントロールなど多岐に渡るが、スプーンでは2ステージのカスタムデータをプリセットし、本体ボタンの操作でオーナーが任意に切り替えられるようにしている。

さらに、サーキット連続周回で厳しくなる水温対策として、ビレット製アッパー&ロワタンクを持つオリジナルアルミニウムラジエター(FL5:29万7000円/FK8:18万7000円)を開発。サーモスタットも開弁温度を純正78℃から68℃としたローテンプタイプ(1万1000円)を設定済みだ。

そして足回り。FK8から引き続き、FL5でも電子制御式のアダプティブダンパーシステムを採用しているシビックタイプR。加速度やストローク量に応じて減衰力を自動で可変させる先進のシステムだが、ハイグリップタイヤを装着してのスポーツ走行ではロールアンダー傾向が強まる。

そこで開発を進めてきたのが、フルスペックダンパーキットだ。KWと共同開発の減衰力2ウェイ調整式車高調で、しなやかな乗り心地とスポーツ性を高次元で両立させているのが特徴。長期に渡るテストを経て、FL5用とFK8用がまもなくリリースとなる見込みだ。

ストリート志向のユーザーに向けてはプログレッシブスプリング(5万7200円)を発売中だ。これは、ストローク初期のレートを落として日常域での乗り心地を改善しつつ、深く沈み込む高速、高負荷域では高レートでロールを抑える、不等ピッチ樽型を採用したローダウンスプリング。車高ダウン量は約20mm設定だ。

ブレンボ製のモノブロック6ポットキャリパーは、デモカーで現在開発が進行中。純正ブレンボ向けにはステンメッシュホースとストリート(2万2000円~)とサーキット向け(3万8500円)のブレーキパッドがリリースされている。

スプーンは、レースで培ったノウハウをもとに、市販車の持つ可能性を最大限に引き出すカスタマイズを追求し続けている。その姿勢はこれまでも、そしてこれからも変わることはない。FL5を始めとするシビックタイプRのさらなる進化に向け、スプーンの挑戦は続いていく。

●問い合わせ:スプーンスポーツ TEL : 0120-112-095

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