チューニングレベルの高さも日本以上!
もはや日本以上に旧車ブームが盛り上がっていると言っても過言ではないアメリカ。カリフォルニア州ロングビーチで開催される全米最大級の旧車イベント「JCCS(ジャパニーズ・クラシック・カー・ショー)」には、日本の旧車をベースにしたチューンドも数多く参加している。エンジンスワップやフルコンチューニングなど、さまざまな手法を駆使した最新旧車チューニング事情をチェックしていこう。
VEヘッドに電子制御四連スロットル!


TSRファブリケーションのスゴ腕職人、マリオ・ロザーノがエンジンルームを手がけたダットサン510ワゴン(510型ブルーバードワゴン)。マリオはアメリカで510にSRスワップを行っている第一人者だが、こちらは珍しく可変バルブシステムのNEO VVLを搭載したSR20VEに換装したパターンとなっている。


ワンオフのエキマニはもちろん、アルマイトで着色されているウォーターネック、オーバーフロータンクなどもマリオのお手製だ。efiハードウェアの四連スロットルボディキットは、オプションのアクチュエーターで電子制御スロットル化されている。
日本の削り出し鍛造も負けてない!



こちらのSR20DETを搭載した71年式ダットサン510も、ギャレットのタービンを使ったターボセットアップや冷却系の作業をTSRファブリケーションのマリオが担当。コアサポートに綺麗に収まるインタークーラー、反対に大きくて冷却性に優れたアルミラジエターを備え、ワンオフのインテークパイプにはタイアルのブローオフバルブを取り付けた。ホイールは日本の削り出し鍛造ホイールメーカーであるバラマンディデザインのSUNDERを装着する。
エンケイの復刻モデルが登場


エンケイのブースには往年の8スポークデザインを復活させた「COMPE(コンペ)」を装着したダットサン240Z(フェアレディZ)が展示された。残念ながら日本市場では販売されていないが、海外向けに15×5.5J、15×7.0J、15×8.0J、16×7.0J、16×8.0Jを設定。画像のガンメタリックの他、シルバーもラインナップされている。

デモカーはアメリカに進出しているACCのエアランナー・エアサスペンションシステムを搭載し、車高が極限までローダウンされている。
ガレージビルドでRB25に換装!


71年式のダットサン240Z(フェアレディZ)に、ノーマルで280psを発揮する通称NEOストレート6として知られるRB25DETを搭載。オーナー自ら作業を行うガレージビルドで、サクションパイプの溶接やオーバーフェンダーの取り付けも自身で行なっている。ホイールはネオクラシックな雰囲気がアメリカでウケにウケている、RSワタナベのエイトスポークだ。
軽量トラックにV6をインストール!



ダットサンをベースとしたエンジンスワップを得意とするカリフォルニアのテパスワップスは、79年式のダットサン620トラックにVQ35DE型の3.5L V6エンジンを搭載。本来はL20B型の直列4気筒が収まる空間に、V6がドカンと鎮座し、不要な部品は潔く撤去するか目立たない位置に移設されている。一方でVQ35DEの電子制御スロットルはそのまま生かされており、ダットサントラックの正常進化版のようなモディファイを実現した。
インジェクション&ターボでハイパワーをゲット


「サントス・ターボ」の異名を持つプエルトリカン、サントス・レノバレスが製作した74年式のTE27カローラクーペはエンジンをインジェクション化した3T-Cに換装。エンジン内部はピストン&コンロッドを強化し、ターボネティックスのビッグターボも搭載。フューエルテックの550 ECUで制御を行い、ドラッグレースにも出場できるハイパフォーマンスを実現している。トランスミッションはスープラの5速MTを使用。
PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI
Part.2へ続く

