15歳の革命児、オーランドの夜を制す

F1の裏で行われていた頂点のドリフト競技で日本の少年が初優勝!

2025年5月31日、フロリダ州オーランドで行われたFormula Drift USA(FD PRO)第3戦で、15歳の日本人ドライバー、箕輪大也(みのわ ひろや)選手が優勝を果たした。これは、同シリーズ22年の歴史上、最年少での優勝という快挙である。

この夜、オーランドスピードワールドの空気は異様な緊張感に包まれていた。猛者たちが火花を散らす中、予選からひときわ異彩を放っていたのが、大也選手だった。

彼が駆るのは、Enjuku Racing × Jerry Yang Racingが仕立てたトヨタFR-S(ZN6)。エンジンはVR38DETT、R35GT-R譲りの強心臓だ。タイヤスモークを巻き上げながら描かれるドリフトラインは、若さゆえの勢いではなく、冷静さと精密さを併せ持つ“計算された大胆さ”を感じさせた。

ベスト16では、2度のFD PROSPECチャンピオンであるドミトリー・ブルツキーを撃破。さらにコナー・シャナハン、3度のFDチャンピオンであるフレデリック・オズボー、そしてランキング上位のオディ・バッキスと、次々に歴戦の猛者を退けていった。

決勝戦の相手は、実力派ラテン系ドライバーのジャスティン・カストロ。激しい追走バトルの末に勝負が決した時、大也選手のマシンは静かにパーキングエリアへ滑り込み、ヘルメットの下からは笑顔がのぞいた。

“15歳の優勝”—それはただ若いというだけではなく、「真に実力が伴っていた」という証明でもある。

大也選手は2024年にフォーミュラD USAにデビューし、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。セントルイスとシアトルで表彰台に立ち、ランキング4位で初年度を終えた。そして今年、さらなる成長を見せながら迎えたこの第3戦で、ついに頂点に立った。

現在は、Red Bullやヨコハマタイヤのサポート(フォーミュラDジャパンではADVAN NEOVA AD09を愛用)を受けながら、プロドリフターとして日本はもちろん全米ツアーも転戦中。15歳という年齢にして、彼の走りには「勢い」ではなく、「完成度」が宿る。走るたびに、観客の記憶に“なにか”を残していく。

若き才能が、ついに世界の頂に手をかけた。その瞬間、ドリフトの歴史に新たな1ページが刻まれた。

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