家族と走り、どちらも妥協しない!
熟成された510ps仕様JZX100がアツすぎる!
100系ツアラーVは、ハイパワーセダンの代表格だ。VVT-i搭載の1JZユニットにより最高出力は280psを誇り、平成期に盛り上がったドリフトブームを支えてきた。長いホイールベースの恩恵でハイパワーながらテールの流れはマイルドで、ドリフトのしやすさも人気の理由だった。

そんなJZX100に乗るオーナー、前原さんは長年ドリフトを楽しんできた人物だ。もともとはS14シルビアに乗っていたが、盗難被害に遭い、結婚を機に実用性の高いチェイサーへ乗り替えた。子育てに忙しくなり走りの機会は減ったものの、自分好みに仕上げた愛車は手放さず大切に所有し続けている。
外観はほどよくローダウンされ、シンプルながらもネオクラシック好きを魅了する硬派なスタイル。今どきの大会仕様のような派手さはないが、中身はバッチリ仕上げられている。



エンジンはフルタービン仕様でトルクフル、街乗りも快適だ。リフレッシュを兼ねてCP製鍛造ピストンを導入し、ヘッドにはHKSのVカムを装着。タービンはコクピット館林のTE06H-24Vで、中間域のサージングを防ぐポーテッドシュラウド付きのウエストゲート式。サージタンクやステンレス製マニホールドもコクピット館林製だ。燃料系も強化され、最大ブースト圧1.5キロ時には約510psを発揮する。
「当時はドリフト大会にも出ていて、周りに触発されてタービン交換に踏み切りました。吸排気チューンとは全く別物のパワー感で、シルビアと比べて感じていた車体の重さも気にならなくなりました」と前原さんは語る。

ECUはVVT-i制御可能なパワーFCに換装。Z32のエアフロを流用したLジェトロ制御で、季節や場所を問わず安定したパワーを発揮し、現状に不満はないという。

高出力化に合わせ、サード製スポーツ触媒や柿本改マフラーを装着して排気効率を向上。スタビライザーやリヤメンバーブッシュも強化済みで、機械式LSDはクスコ製を採用している。

足回りはDG-5車高調、クスコ製調整式アッパーアーム、切れ角アップナックルを組み込み、テンションロッドはJZX110用にTRD製強化ブッシュを装着。

ステアリングコラム左側にはFCコマンダー、助手席前にはブリッツの油温計・油圧計・排気温計を設置し、エンジンの状態を常に把握。サイトウロールケージ製のダッシュ貫通ロールケージやナギサオートの補強も入り、ボディ剛性も強化されている。

以前の企画で100〜150km/hの加速を計測したところ、ブーストアップ仕様は5秒76だったのに対し、TE06H-24Vタービン仕様は3秒83と大きく差をつけた。トルクバンドの広さに定評がある仕様で、保育園の送迎からドリフト大会まで、幅広く活躍するオールラウンダーだ。
まさに熟成の完成度と言える合法ストリートスペックのJZX100。いぶし銀の仕上がりに共感を覚える人も多いだろう。
⚫︎取材協力:アールパフォーマンス 群馬県館林市羽附旭町808−1 TEL:0276-75-7616/ステージインターナショナル
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