ちょうどいい速さが楽しい!
東名ポンカム+純正ECU書き替えで別モノの吹け上がりに!
かつてはS14後期型K’sでサーキットも走っていた石渡さん。結婚を機に一時期アルトワークスに乗っていたこともあったが、12年前に再びS14へと乗り替えることに。今度はNAモデルのQ’sだった。
「S15の6速MTに載せ換えたかったのでHICAS付きを探していたら、タイミング良く出てきて。ターボと同じ足回りでハブが5穴。デフもR180でなくR200になるので、ミッション換装のハードルが下がるんですよ」と石渡さん。
しばらくは排気系+冷却系チューンで乗っていたが、吹け上がりがもっさりしているエンジンフィールを何とかしたいと思い、アドミクスを訪ねて本嶋さんに相談。そこで施されたのが東名ポンカムの装着と、それに合わせた純正ECUの書き替えだった。

石渡さんが言う。「こんなに変わるの!? と思うくらい吹け上がりもパワー感もまるで別モノ。それまで5000rpm以上は重そうに回ってましたけど、やっとスポーツカーのエンジンになったという感じでしたね」。
東名ポンカム(IN/EX256度)が組まれ、アドミクスオリジナル純正ECU書き替えで制御されるSR20DE。中高回転域でのレスポンスとフィーリングが激変しただけでなく、7000rpmオーバーまでパワーも追従するようになったことにオーナーの石渡さんも満足している。ちなみに、ブリッツレーシングラジエタータイプZSはかつてOPTION本誌のモニターレポートで当選し、装着したものだとか。

エキマニはステンレス製等長4-2-1タイプで、フロントパイプまでセットになったHKSスーパーヘッダーを装着。マフラーはメインパイプ径60.5φのフジツボレガリスRが組み合わされる。排気効率を向上させると同時に、NAらしい澄んだエキゾーストサウンドも実現。

ラジエター前に装着されるトラスト製エンジンオイルクーラー。ターボエンジンほど熱的に厳しくないとはいえ、冷却性能に余裕を持たせておくことでサーキット連続周回などでの油温上昇を防ぎ、エンジンパフォーマンスを安定して引き出すことが可能になる。

ミッションはS15純正6速MTに載せ換えられる。それを見越して、NAモデルのQ’sでもデフがR200サイズとなるHICAS付きモデルを探して手に入れたため、ミッション換装はスムーズに行なわれた。「一度6速に乗ってしまったら、もう5速には戻れませんよね」と石渡さん。
併せて、レブリミットはノーマルから200rpm引き上げた7400rpmに設定。ギヤ比がクロスしているS15純正6速MTと純正4.1ファイナルの組み合わせによって、日光サーキットではZN6以上のタイムを刻めるという。それもそのはず。ZN6より80kgほど軽い車重と、実測200psに迫るパワーを考えれば、それくらいのパフォーマンスを見せたとしても不思議なことは何もないのだ。

足回りにはクスコストリートゼロA車高調をセット。スプリングレートはフロント5kg/mm、リヤ4kg/mmとなり、乗り心地改善のため、一度オーバーホールを兼ねた仕様変更も行なわれている。また、フロントブレーキにはECR33純正キャリパーを流用。制動性能を高めている。

ダッシュボード周りはステアリングホイールまで含めて基本ノーマル。ヤシオファクトリーの岡ちゃんウォーターテンプが追加されているくらいだ。また、助手席の足元にチラッと写っているが、ボディ剛性を確保するため、クスコ製ピラーサイド補強バーも装着される。

外装はフルノーマル状態を維持。ボディカラーはソリッドのスーパーブラックで、オールペンにより艶を取り戻し、深みのある輝きを放っている。ホイールはワークエモーションCR極。18インチでフロント8.5J、リヤ9.5Jを履く。

車高調と機械式LSDを組んで、ブレーキも強化されている。しかし、エンジンは腰下ノーマル。カム交換と現車合わせのECUチューンを施したストリート仕様でそれだけの速さが手に入るなら、コスパは抜群と言う他にない。
また、楽しく走るという点にフォーカスするのであれば、相変わらず中古車価格が絶賛高騰中のK’s=ターボモデルに敢えて拘る必要はないのではないか?とも思う。
ちなみにこのS14、普段は奥さんが買い物や子供の習い事の送迎に使っているとか。当然、快適装備は何一つとして犠牲にしておらず、軽量化だって一切行なわれていない。日常ユースで何のストレスもなく乗れる、外装フルノーマルの完全なストリート仕様。絶対的な速さを求めるのでなければ、Q’sベースのNAライトチューンは大いにアリだ。
●取材協力:アドミクス 埼玉県比企郡川島町上大屋敷403 TEL:049-299-1771
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