新車から30年。進化はまだ途中!
オーナーとアドミクス本嶋さんが描く、理想のその先!
Jブラッドのフロントフルバンパーにスピリット玲の前後ワイドフェンダー、イングスのサイドステップというエアロミックスにして、あえてのリヤスポイラーレスという意外性。足元を飾るのはスポーク部をボディ同色としたワークマイスターS1だ。

右を見ても左を見ても“お決まり”のエアロばかりがまかり通り、世の中すでに食傷気味なRPS13が多い中、この一台は見た瞬間、「オーナーの個性とセンスが存分に発揮されてる」と思った。他ではまず見ないスタイル。決して主張しすぎることなく、でも独特な存在感を放つ絶妙なバランス。ストリートチューンドとしてひと言、「カッコいい!!」に尽きるのだ。
しかも、オーナーの関口さんに話を聞いたら、1994年に新車で購入したワンオーナー車。途中、ナンバーを切って保管モードだった時期もあると言うが、フロントのアンダーパネルやインナーフェンダー製作などDIYで手を加えながら、30年以上をかけて進化してきたその姿に関口さんの『ワンエイティ愛』を感じずにはいられない。
そんな関口さんが知り合いを通じて9年ほど前から足を運ぶようになったのがアドミクス。それを機に、ブーストアップ仕様から本格的なチューニングが施されることになった。

エンジンは腰下ノーマルのまま、JUN264度カムをセット。タービンはトラストTD06S L2-20RXが組み合わされ、HKS F-CON Vプロで制御される。パワーは最大ブースト圧1.3キロ時に450psを誇る。排気系はタービンキット付属の70φフロントパイプにHKSスーパーターボマフラーの組み合わせ。燃料系はニスモ製ポンプとサード製550ccインジェクターで容量アップを図る。ラジエターはHPI製アルミに交換。カップリングファンを廃してプリウス純正電動ファンで冷却する。


ミッションはニスモ製6速MTに載せ換え。クラッチレリーズシリンダーの奥に見えるのは、今後装着を予定しているミッションオイルクーラー用のポンプだ。また、プロペラシャフトは中間ジョイントを持たないアルミ製に交換。本嶋さんいわく、「ナンバー付き車両に初めて装着しましたけど、加速力がアップしてクルマが軽くなったような感覚。効果をハッキリと体感できるパーツです」とのこと。
車高調はフロント8kg/mm、リヤ7kg/mmのスプリングを組んだアラゴスタ製。前後スタビライザーはクスコ製、リヤアッパー&トーコントロールアームはイケヤフォーミュラ製に交換される。ブレーキは前後BNR32純正キャリパーを流用して強化済み。

追加メーターはデフィで統一。エアコン操作パネルとオーディオを移設したセンターコンソールには、ブースト圧を制御するEVC6-IR 2.4や追加メーターの操作スイッチが並べられるなど、機能的なメイキングが施される。

「ここまでコツコツ作ってきましたけど、やりたいことはまだまだ盛りだくさん。関口さんとは、“次はサージタンクを交換したいね”なんて話をしてるんですよ。そうすると500psが見えてきますからね」とはアドミクス代表の本嶋さん。

オーナーが求めるのであれば、チューニングに終わりはない。つまり、理想を追い続け、30年以上かけて進化してきた今の姿も、決して完成形ではないということだ。
目指すは究極のオンリーワン。関口さんの情熱と、それに応える本嶋さんのタッグが今後、このRPS13をどのように飛躍させていくのか? すでに高い完成度を誇る一台だけに、そこが気になって仕方ない。



