なんとトゥイーターの守備範囲を低域に拡大
今回発表された一連のスピーカーモデルで特徴的なことは、サウンドコンセプトとして”Open&Smooth”(オープン&スムーズ)を掲げていることにある。ある意味、この考え方によってカロッツェリアのサウンドは、新しいひとつの方向性を持ったといえる。マルチウェイのスピーカーは、スピーカーの手前にネットワークというユニットを通して再生する周波数を分けている。2ウェイなら高域と低域という具合なのだが、新しいコンセプトではトゥイーターの守備範囲を拡大している。つまり、トゥイーターがこれまでよりももう少し低い音までを担当するようにしたのだ。
車内はスピーカーを配置する場所が限定的で、セパレート式の場合は、トゥイーターをフロントピラーあるいはダッシュボード、ウーファーをフロントドア下に設置することになる。上下方向に40-50cm以上の距離が開くことになる上、クルマの中のリスナーはどちらかのスピーカーに極めて近い場所にいるため、音のまとまり具合を考えるのが非常に難しい。
これまではトゥイーターの特性を高めるために高域に振るかたちでの開発がなされてきたが、中音域まで担当させようというのが今回からの狙いだ。下側のドアスピーカーはより方向性を感じにくい低周波帯域となる。それによって、高い位置にワイドな音像が広がりやすくなり、オープン=広々とした音場、そしてスムーズ=低音から中音、高音まで滑らかに繋がるサウンドを目指す。


また、トゥイーターとウーファーそれぞれに独立したクロスオーバーネットワークを持つことで、より繊細に音域が分けられている。
コストパフォーマンスに優れるCシリーズにも注目
Vシリーズが17cmウーファーを採用する1モデルなのに対して、Cシリーズは17cmと16cmの仕様があり、さらセパレート型、トゥイーターの埋め込み型、ウーファーの同軸上に設置したコアキシャル型と全5モデルを用意。

サウンドコンセプトはVシリーズと共通。こちらもウーファーは振動径と深さを拡大。トゥイーターにはアルミニウム合金製ダイヤフラムを採用する。しかし実勢価格はVシリーズの半額程度、コアキシャルだとさらに2万円台となってくるために、フラッグシップのVシリーズで掲げた方向性をポピュラーなラインでも楽しめるもので、手軽に音質のグレードアップを楽しめるのが特徴だ。
