HONDA CIVIC
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AUDI A3 SPORTBACK

コンパクトでも広い後席のA3スポーツバック

シビックは長い全長と低いルーフに加え、クーペのような流れるボディラインによって低重心でスポーティなフォルムとなっている。後席座面も低く設定されているため乗降性はそれほど悪くないが、高身長の人は乗り降りの際に頭をぶつけないように注意したい。

一方のA3スポーツバックは、ハッチバックらしいスタイリングで後席の乗降性にも優れる。それでいてボディデザインに寸詰まり感や腰高感はなくスタイリッシュだ。さらにシャープなデザインのマトリクスLEDヘッドライトも目を引く。

インテリアはシビックのほうが落ち着いた印象だ。A3スポーツバックも落ち着き感はあるもののシビックに比べて大胆なインパネ造形となっており、個人の趣向によって好みが分かれやすいポイントとなるだろう。

後席の広さは両車ほぼ同じとなる。どちらもこのクラスとして十分な後席空間を確保しているが、荷室に余裕があるのは全長が長いシビックのほうだ。

ホンダ シビック  e:HEV EX
ボディサイズ=全長4560mm×全幅1800mm×全高1415mm
ホイールベース=2735mm
車両重量=1490kg
タイヤサイズ=235/40R18(前後)

アウディ A3 スポーツバック 30TSFI S line
ボディサイズ=全長4355mm×全幅1815mm×全高1435mm
ホイールベース=2635mm
車両重量=1360kg
タイヤサイズ=225/40R18(前後)

シビックは街乗りからスポーツ走行まで低燃費

シビックは、2.0L自然吸気エンジンに最高出力184ps/最大トルク315Nmのモーターを組み合わせた「e:HEV」を搭載する。対するA3スポーツバックは、1.5Lターボエンジン+48Vマイルドハイブリッドの組み合わせだ。

燃費性能は当然のように本格的なハイブリッドシステムを搭載したシビックのほうが優れており、WLTCモード平均燃費24.2km/L(e:HEV EX)のシビックに対し、A3スポーツバックは17.9km/L(30TFSI S line)にとどまる。

しかしA3スポーツバックはマイルドハイブリッドシステムで都市部などにおける発進加速を補うほか、高速走行時は気筒休止制御を多用することでシビックに迫る良好な高速燃費性能を実現している。加えて、ターボエンジンならではのパワフルな走りもA3スポーツバックの特徴だ。

シビックもハイブリッドモデルとはいえスポーツ性では負けておらず、アクセルを踏み込めば疑似シフトチェンジにより純ガソリンエンジン車のような乗り味を示す「スポーツe:HEV」が最大の持ち味だ。

ホンダ シビック  e:HEV EX
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1993cc
最高出力=141ps/6000rpm
最大トルク=182Nm/4500rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

アウディ A3 スポーツバック 30TSFI S line
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=1497cc
最高出力=116ps/5000〜6000rpm
最大トルク=220Nm/1500〜3000rpm
トランスミッション=7速Sトロニック
駆動方式=2WD(FF)

輸入車との比較ならお買い得感が高いシビック

シビックのe:HEV EXグレードと、A3スポーツバックの30TSFI S lineの価格はほぼ同額となる。

A3スポーツバックは、国産車にはないアウディならではの洗練されたエクステリアや上質なインテリアが魅力だ。コンパクトなボディサイズでありながらシビックと同様の室内空間を備えている点も評価に値する。

しかしコストパフォーマンスの観点では燃費性能に優れ、ハイブリッドカーであっても高い動力性能と運動性能が備わるシビックのほうが優れているといえよう。シビックは欧州や北米をはじめとする世界各国でも販売され、性能はもちろんスタイリングでも高い評価を得ている。

同クラスの国産車と比較すると過剰性能気味で割高感が否めないシビックだが、輸入車と比べるとむしろ割安感がある。欧州車を乗り継いできた人にもシビックはおすすめの1台だ。

車両本体価格