使い勝手に優れた絶妙サイズ 最新の安全運転支援機能満載

スズキのダイナミッククーペスタイルクロスオーバーSUVがフロンクス。インドで生産されるグローバルカーであり、日本市場へは逆輸入扱いとなる。しかも、日本向けに特別に仕立てられ、インド仕様にない4WDをFFとともに用意。これはスズキファンの多い日本の雪国のユーザーへの配慮と言っていいだろう。
エクステリア




まず注目なのがボディサイズだ。全長3995㎜×全幅1765㎜×全高1550㎜。16インチタイヤを履きながら最小回転半径はスイフトと同じ4.8mと小回りが利き、日本の路上での扱いやすさはもちろん、立体駐車場にも対応しているのだ。
乗降性


外観のスタイリッシュさ、内装のブラック×ボルドー+パールブラックの組み合わせ、合成皮革とファブリックのシートによるラグジュアリーな雰囲気を醸し出す上質感も好印象だ。電子パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能を始め、ブラインドスポットモニター、全車速追従機能/停止保持機能付きACCを含む全16種類もの先進運転支援機能=スズキセーフティサポート、さらにヘッドアップディスプレイ、9インチのフルセグTV付きドラレコ連動のスマホ&スズキコネクト連携の全方位モニター付きメモリーカーナビ、前席シートヒーター、スマホのワイヤレス充電器、パドルシフト、スポーツモードまで標準装備して、FFで254万1000円。
インストルメントパネル

ヒルディセントコントロール、グリップコントロール、そしてスノーモードの3つの走破用モードを備えた日本専用仕立てとなる4WDで273万9000円という破格の価格設定が実現されている。パワートレインは1.5ℓエンジン+モーターのマイルドハイブリッドで6速ATを組み合わせる。WLTCモード燃費はFFが19.0㎞/ℓ、4WDが17.8㎞/ℓとなかなかの数値。最低地上高は170㎜だ。
居住性


室内の広さも不満なし。身長172㎝の筆者のドラポジ基準で前席頭上に180㎜、後席頭上に105㎜、膝まわりに210㎜ものスペースがあり、シートの掛け心地も上々だ。つまり、クーペライクなSUVにしてゆとりあるパッケージングが実現されている。気になるのはインド仕様にある後席用エアコン吹き出し口が日本仕様にはない点だ。フロンクスは後席もしっかり使えるクルマであり、日本の夏の暑さはかなりのものだから今後の追加を望みたい。そんなフロンクスのFFモデルを走らせれば、ボディ、足まわりの剛性感あるシャキっとしたソリッドな乗り心地と軽快感ある走行感覚、この価格帯として十分な車内の静かさ、そして穏やかな動力性能にしてスポーツモードにセットしたときのアクセルレスポンスと加速力の向上、高速走行時の直進性の良さが魅力のポイント。一方で、パワーステアリングはやや重めの設定。もう少し軽くスムーズだと万人に喜ばれそうだ。
うれしい装備





月間販売台数 1636台 (24年10月~25年2月平均値)
現行型発表 24年10月
WLTCモード燃費 19.0㎞/ℓ ※FF車

ラゲッジルーム


一方、4WDはFFに対して約60㎏の重量増が効いた、よりしっとりとした落ち着き感のある、段差やマンホール越えで一段とマイルドな乗り心地となる。ACCを使った高速走行では駆動方式にかかわらず高度なカーブ速度抑制機能、車線変更時補助機能にも助けられ、ストレス最小限のドライブが味わえる。


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