現在、日本特殊陶業は、電気化学技術と製造における専門知識を活かした SOEC(固体酸化物形電解装置)技術の開発に取り組んでいる。特に注力するのは、SOEC技術の開発、スケールアップ、および産業化の分野である。この技術は、アルカリ型、PEM型、AEM型といった他の水素製造技術と比較して、電気エネルギーから水素への変換におけるエネルギー効率の面で革新的な優位性を持つ。この優位性は、製鉄、石油精製、化学品製造、合成燃料の生産など、排熱を利用できるプロセスと組み合わせた場合に一段と発揮される。

日本特殊陶業は、固体酸化物セルおよびスタックに関して数十年にわたる経験を有しており、AVL は、スタックをモジュールや電解装置全体のシステムへと統合する技術において高い専門性を有している。両社はこの分野におけるそれぞれの豊富な知見と技術を結集し、スタックモジュールおよび電解装置全体のシステム開発に注力していく。

(左から)キャサリン・リスト(AVL 文化財団 CEO)、ヘルムット・リスト(AVL CEO)、アレクサンダー・ファン・デア・ベレン(オーストリア共和国連邦大統領)、ドリス・シュミダウアー、鈴木啓司(日本特殊陶業 上席執行役員)、森茂樹(日本特殊陶業 エネルギー事業本部 本部長)